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PMS(月経前症候群)の「心」の不調にはこんな対処を【産婦人科医・高尾美穂が教える、今どき生理の基本#16】

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私たちが、自分の知識で大丈夫?と不安に思っている「生理の基本」や、医学的に正しい、新しい情報を身につけよう!というこの連載。第16回目は前回に引き続いてPMS(月経前症候群)、特に「心」に現われる症状についてです。

今回も、産婦人科医で『あさイチ』などメディアでもおなじみの高尾美穂先生に教えていただきました。

心に出るPMSの不調、どんな種類がある?

PMSは、生理前という期間限定で起こる不調であること、そこを正しく認識しておいてくださいね。 生理が始まっても治らない場合は、ほかに要因があることが考えられますから。まずはそこが大前提となります」(高尾先生。以下同)

不調の時期や症状などを、生理の時期と合わせて考えることができるよう、メモなどしておくことも大切になってきますね。
前回(連載第15回)は、PMSの“からだに出る不調”についてお話ししました。今回は、心の不調について。

「今回は、PMSで“心に出る不調”についてご説明します。

心に出る一般的な不調は、いつも張り詰めた気分になる、涙もろくなる、鬱っぽくなる、イライラする、情緒不安定になるなどがあります。 軽度な症状だと、映画を観たらいつもよりセンチメンタルな気分になる、というものも。こういった軽度のタイプは、後から“あ〜あれはPMSだったのかも?”と気づくことだったりもします」

確かに、ちょっとイライラする、いつもより緊張感が増しているなども、後から“あ、そういえば!”と気づくことも多いかもしれません。

ほぼ100%の人に、PMSはある?

生理前の時期に、すごく不調になるという訴えは、実に約75%にものぼります。軽度なもの(からだに出る症状も含む)も含めれば、ほぼ100%の女性が変化を感じています。

心に出る症状としていちばん多いのは、情緒不安定。集中力が下がると感じる方もいますね。 そういった訴えをされる方々は、社会で役割のある立場だったり、責任を持つ立場の女性が多いよう。生理前だからといって、集中力が落ちてミスが多いと仕事上困る、何かできることはないか?と対処法を求めて、来院されることが多いです」

kufura世代も、仕事をしながら子育て中の方も多く、日々の“TO DOリスト”が山積みですよね。気づけば、あれを忘れてた、これも忘れていたと、そんな自分にがっかりしてしまうことも……。それは、もしかしたら、生理前だった?なんてこともあるかもしれません。

心の不調に対する対処法

「たとえば、集中力が落ちるという症状であれば、自分が生理前なんだと知っておく。忘れ物をしやすい時期だ、ミスが増えるかも、と認識しておき、自分なりに気をつけようと、準備しておいてほしいと思います。

なかなか集中できず、仕事や家事の効率が落ちるならば、事前にスケジュールを調整しておくのも大事なことですよね」

ミスやトラブルがあってから、“あ!生理前だったからか”と気づくのではなく、事前に心構えをもっておくだけでも、回避できることはあるかもしれません。

日常生活で、できること

食事の改善や適度な運動も、どちらのタイプのPMSも改善することがわかっています。

たとえば、食事においては、血糖値がアップダウンしない方がいいと言われていますし、運動も負担になりすぎない程度で習慣にしておくことが大事です。 適度な運動は、歩く、ストレッチをするなど、日常生活で取り入れやすいものでいいと思いますよ。

そのほか、気に入ったアロマの香りを嗅ぐというのでもいいと思います。“自分が快適な状態をつくる”ための方法を複数持っておく、ということがいちばん大事ですから」

自分の生理周期を把握しておくこと。そして生活の中でできる“小さな策”を重ねていくことも、大切なんですね。

周囲の理解を得ることも、大切です

「kufura世代のお母さんたちにはなかなかハードルが高いかもしれませんが、周囲の方に“実は生理前なんで……”ということをさりげなく伝えられると理想的です。 なぜイライラしているのか、なぜいつもよりミスが多いのかなど、周囲が理解しやすい原因がわかると、周囲の対応も変わってきます。原因をわかってもらうことは、とても大切です。

パートナーがいる場合は、助けてというSOSを出すのもいいと思います。伝えることでわかり合える部分も増えていきますよ」

心に出る症状に低用量ピルが効く?

ピルはもともとPMSに効果があるのですが、ピルの中にはPMSの心の不調に効くものがひとつあります。 それは“ヤーズ”という低用量ピルなのですが、PMSという診断では保険適用外なんです。

ただ、心の不調に対して効果があることは報告されているので、不調がかなりつらいという人は選択肢に入れてもいいと思います」

とかく我慢したり、抱え込みがちな“心”の不調。これにも低用量ピルが効くというのは、初耳でした。改善への選択肢が増えることは、忙しいkufura世代にとっても、自分の娘たちにとっても、うれしいことですよね。自分の知識をアップデートして、なるべく心地よい毎日を送れるよう、工夫していきたいものです。

 

次回は、「デリケートゾーンのケア」についてお届けします。


 

産婦人科医 高尾美穂

産婦人科専門医であり、婦人科スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック『イーク表参道』副院長。Gyne Yoga主宰。
「すべての女性によりよい未来を」と、TVや雑誌をはじめ、ツイッター(@mippolin78)やstand.fmなどのご自身のメディアにて、正しい知識や知っておくといいことなど、精力的に発信されている。

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