「生理日数」ちゃんと数えられてますか?
null生理の日数を数えるときに、kufura読者の皆さんはどう数えていますか? 生理がきた(出血が始まった)日から完全に終わる日まででしょうか。
生理の日数の数え方。実は私たちの一般的な感覚と医師とでは、違いがありました。
「生理日数は、“出血継続期間”といって、3〜7日間が正常範囲内と私たち医師は判断します。ただ、クリニックを受診される方に日数の数え方を聞いてみると、本当に人それぞれで。
基本的に生理は少量の出血から始まり、多い日を経て、また少量になり、終わるというサイクルになりますよね。周期が長めだという方には、“赤い出血の日のみ”を、数えてみてもらうこともあります」(高尾先生。以下同)
出血の色って、1回の生理の間で変化することはありませんか?
鮮血のような赤い血だったり、赤黒かったり、茶色かったり……。赤い出血=鮮血の日だけをカウントするとは!驚きました。
“赤い血”と“茶色い血”
null使用済みの生理用品って、どうしてもすぐに処理したい気持ちが先に立ち、そそくさと捨ててしまっていました……。でも、出血の“色”を目で確認していくことが大切なんですね。
「そうですね、色の確認をする習慣をつけてもらうといいですね。
赤い出血が7日以内なら問題ありません。自分の生理期間が長いとおっしゃる方の場合は、茶色くなった出血も数えていることが多くあります。その場合は、茶色い血=古い血なので、カウントしなくていい日数だと考えるのも、アリなんです。
茶色い血は、子宮内では出血していたのに、体外まで流れ出てくるのに時間がかかったと判断するので、日数にカウントしなくてもよいでしょう。また、赤黒い血も同様に古い血、と考えます」
“赤い出血”が続いた場合、考えられる病気は?
null赤い出血が7日以上続いた場合には、病気が潜んでいることがあるそう。
「生理の後半に、茶色や赤黒い出血があることで期間が長くなっている場合は気にすることはないのですが、気をつけて欲しいのが鮮やかな赤い血が7日以上続く場合。kufuraの読者さん世代、30〜40代だと子宮筋腫や子宮頸管ポリープ、子宮内膜ポリープ、子宮体癌などの病気の可能性が、考えられます。
また、出血量が少ない赤い血が、10日以上ダラダラと続く場合は、無排卵月経の可能性が考えられます。
ただ確実な診断をするためには、前回の生理がどうであったかなど、これまでの生理の経過を遡らないといけません」
“基礎体温”ココで役立ちます!
nullこれまでの生理の状況……正直、生理があった日がいつか、ということしか記録していない、そんな人も多いのではないでしょうか。
「そうなんです。前回の生理はどうでしたか? とお聞きしても、その詳細が思い出せないという女性が意外と多いんです。そこで役に立ってくれるのが、基礎体温です」
確かに、妊娠前に基礎体温をつけている女性は多いものの、出産すると赤ちゃんのお世話でそれどころではなくなり、いつしか基礎体温計の存在すら忘れてしまっていることも……。
「基礎体温表があれば、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが、十分に出ているかどうかがわかるんです。それが出ていれば“排卵があった”ことが推察できます。
なので、もし“赤い出血が長く続く”ようであれば、まずは基礎体温をつけておくことをおすすめします。それを持って産婦人科を受診すると、診断がスムーズですよ」
「女性体温計」をひとつ!
nullkufura読者の皆さんは女性体温計、お持ちですか?
もし何か、自分の生理に不安があれば(本当はなくても!)基礎体温をつけておくことが、未来の自分を助けてくれるんですよね。婦人科の受診となると少しハードルが高いけれど、これなら日々の生活に取り入れられそうです。
今のご時世、毎朝の検温が習慣になったという方も多いと思います。使うものを「女性体温計」に変えて、少しだけ自分の健康管理の精度、高めてみませんか。
次回は「生理のときに出てくるカタマリ。あっても大丈夫?」をお届けします。
産婦人科医 高尾美穂
産婦人科専門医であり、婦人科スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック『イーク表参道』副院長。Gyne Yoga主宰。
「すべての女性によりよい未来を」と、TVや雑誌をはじめ、ツイッター(@mippolin78)やstand.fmなどのご自身のメディアにて、正しい知識や知っておくといいことなど、精力的に発信されている。