寝苦しい夜の翌日は熱中症搬送者が増加
null西川と日本気象協会が「睡眠不足と熱中症の関係性」を調査。西川の快眠コンサルティングサービス「ねむりの相談所」が保有している睡眠に関するデータと、消防庁の熱中症救急搬送者数、さらに気象庁の気象データを組み合わせて統計解析を行いました。
すると、熱中症の救急搬送者が多かった日の前夜にある特徴があることがわかったのです。
それは、睡眠中に覚醒してしまう時間が長く、睡眠効率が低いということです。
さらに、夜間の平均気温が高くなるほど中途覚醒時間が長くなり、睡眠効率が悪くなることもわかりました。
つまり、夜の気温が高くぐっすり眠れない人が多かった日の翌日は、熱中症で搬送される人の数が増えていた、ということです。
スリープマスターに聞く「夏の寝苦しさを防ぐポイント5つ」
null気温も湿度も高い夜は、眠りにつきにくく、さらに寝た後でも途中で目が覚めてしまったり、なかなか質の良い睡眠をとることは難しくなります。
ではどうしたら、夏でも気持ちよく睡眠をとって、熱中症も予防できるでしょうか? 西川のスリープマスター杉原桃菜さんによると、次の5つのポイントが大切なのだそうです。
(1)室内の温度は28℃、湿度は50~60%に
冷房の設定温度は28℃が目安です。さらに湿度も調整することで、快適な空間が保たれます。扇風機を併用する場合は、風を壁にあてると涼しい風が部屋全体にいきわたりますよ。
(2)冷房はつけたままに
kufura世代のみなさんは、子どものころ「クーラーや扇風機をつけたまま寝るのは身体に悪い」と言われてきませんでしたか? その頃の教えを守って、タイマーをセットして、睡眠中に冷房を切るようにしている方も多いかもしれません。しかし快適な眠りを維持するためには、室内が心地よい一定の温度で保たれていることが大切。風向を工夫するなど、冷たい風が直接体に当たらないようにして、朝までつけたままにしておきましょう。
(3)掛けふとんを使う
冷房の温度が低すぎると、体が冷えすぎてしまうことがあります。冷房による冷えは、だるさなどの体調不良を引きおこしかねません。暑いからといって何も掛けないのではなく、夏でも保温のために掛けふとんを使いましょう。
その場合大事なのは、冷房の設定温度や体質と、掛け寝具の組み合わせです。
設定温度低めの場合
設定温度を低めに設定している場合は、綿毛布や麻掛けふとん、ダウンケットなどがおすすめ。
設定温度高めの場合
設定温度を高めにしている場合は、タオルケットなどがおすすめ。
汗っかきの人
普段から汗っかきの人は、吸水性、吸放湿性に優れた綿や麻などの天然素材の掛け寝具がおすすめです。
(4)寝具は通気性&吸透湿性のすぐれたものを
夏に使う寝具は、通気性や吸透湿性が良いものをセレクトすると、ふとんの中に熱や湿気がこもりにくくなり、寝苦しさが軽減します。特に、熱や湿気がこもりやすいのは背中部分。通気性に優れた敷きパッドなどを使用することで寝苦しさが和らぎますよ。
(5)寝る前にシャワーで体温をアップ
寝る前に体温を上げておくと、その後放熱され、自然と眠りにつきやすくなります。血管が集中している首の後ろや手首、足首に1~2分シャワーをかけてからベッドに入ると、寝付きがよくなるでしょう。シャワーの代わりに、ぬるめのお風呂に入るのもよいですね。
睡眠不足がたまっていくと、夏バテなど体調を崩しやすくなるものです。睡眠不足で熱中症になるリスクも増えることがわかったわけですから、夏を乗り切るためにも快適な睡眠をとれる工夫を考えていきたいですね。
【参考】