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秋になっても夏バテを引きずる人…あなたの「夏バテ」は何が原因?原因別の対処法

夏に起こる体の様々な不調、夏バテ。季節は秋に移ったのに、まだ不調を引きずっていませんか?

一言で夏バテと言ってもその症状と原因は様々です。特にkufura世代が注意したい夏バテについて、優ウィメンズクリニックの板橋聖子先生に伺いました。

ひとつではない夏バテの原因とその症状

夏に体調を崩すと、「夏バテしちゃった」の一言ですませがち。でも原因を見極め、しっかり対処しないと、その体調不良はズルズル続いてしまいます。長引けば長引くほど、ダメージが大きくなるので、なるべく早く夏バテの原因を見つけたいですよね。kufura世代に多い夏バテは、以下の5つです。

急激な温度差がバランスを崩す「自律神経の乱れ」

血液の流れ、発汗、体温の維持、内臓の働きなどの体の働きをコントロールしているのが自律神経です。いつもは体を活発にさせる交感神経とリラックスさせる副交感神経がバランスをとって、体調を整えているのですが、猛暑の屋外とエアコンで冷えた室内を行ったり来たりすると、その急激な温度差で体力を消耗し、そのバランスが崩れやすくなります。

特に更年期やプレ更年期の女性は、女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスが崩れやすい年代。だからこそ夏の激しい温度差でより大きなダメージを受けてしまうのです。

自律神経がダメージを受け、バランスが乱れると出やすい症状は、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気など、どれもつらい症状です。

まとまった睡眠が取れない「睡眠不足」

昼も夜も高温多湿の日が続くと、眠りたくても眠れなくなる人が増えます。寝付けなかったり、夜中に目覚めてしまうと、まとまった睡眠が取れなくなります。働くママで十分な睡眠時間を確保できている人は稀です。だからうまく眠れないと、ギリギリだった睡眠時間が削られ、一気に睡眠不足になってしまうのです。

睡眠不足になると、日中の眠気、疲労感を強く感じます。人によっては頭痛が起きたり、体重が増えてしまう場合も。

きちんと汗がかけない「発汗異常」

湿度や温度が高いところにいると体温が上がるので、脳は「汗をかいて体温を下げる」という信号を体に送り、発汗して体温を一定に保ちます。ですがあまりに高温多湿な気候だと、毛穴が塞がり、汗が出にくくなることが。

特に運動する習慣がない人は汗が出にくくなっているので、脳からの信号にうまく反応できず、体に熱がこもって体調を崩してしまったり、時間差で大量に汗をかいてしまうなどの発汗異常を起こすことがあります。

食生活の乱れによる「胃腸の不調」

夏は暑すぎて食欲が出ない、火を使って料理するのも極力避けたいと、ついつい外食、お弁当、インスタント食品の頻度が増え、胃腸の調子を崩す人が多いです。また冷たいそうめんなどの麺類ばかりを食べ、栄養が偏ってしまっている人や、刺激で食欲が出るようにと、スパイシーなものを食べすぎて胃の調子が悪くなってしまう人も。

胃腸が弱ると、胃痛や下痢を引き起こします。また栄養バランスが崩れたことで、口内炎を起こす人も。

水分補給が間に合っていない「水分不足」

今年は猛暑のため、テレビなどで熱中症への注意喚起がさかんに行われました。そのおかげで、重度の熱中症になる方は少数だったのですが、具合が悪いと病院に来て、検査をしてみると、水分が足りていない、ごく軽い脱水症状を起こしている人がいました。いつもより汗をかいていることに気づかず、水分補給が間に合っていないのが原因です。

血液中の水分が少なくなると、血流の速度も遅くなり、いわゆる血液のドロドロ状態に。脱力感や吐き気、頭痛などの体調不良を引き起こします。これも夏バテの1つです。

原因別・夏バテの治しかた

夏バテ 治し方

自分の夏バテはどれなのか、日々の生活の中で思い当たるものがあるのではないでしょうか。どの夏バテにも必要なのは十分な休息ですが、それに加えてどうすればより早く体調が戻るかを原因別にご紹介します。

自律神経の乱れを整えるには

すでに自律神経のバランスが崩れやすくなっている、と感じる場合は、まずは婦人科への受診をおすすめします。

夏の気温差が原因の場合は、室内で冷えから体を守る工夫をしましょう。エアコンの温度が調節できる場所では、こまめに室温を調整しましょう。オフィスなどそれが難しいところでは、エアコンの冷風が直接体に当たらないように注意します。風が当たる席ならば、カーディガンやストール、ひざ掛けなどで冷え対策を。

寝る前の悪習慣を見直して睡眠不足を解消

1日の疲れがしっかりとれるよう、今まで眠っていた睡眠時間を確保する方法を考えましょう。5分でも早く就寝できそうな時は、すぐにベッドへ。寝つきをよくするなら、エアコンで部屋を冷やしてその間に入浴するのがおすすめです。ベッドの中でスマホを見る癖がある人は、しばらくその習慣をやめてみてください。きちんと体を温めてから、快適な室温の部屋でスマホを見ずに眠りにつく。これだけでもかなり睡眠の質は上がります。

入浴と軽い運動を習慣にして汗を出しやすくする

汗ばむくらいの運動を定期的に行うのがベストですが、忙しいkufura世代にはなかなか難しいので、せめてゆっくり入浴してお風呂で汗をかけるようにしましょう。お風呂はリラックスする場でもあります。テレビやPCを見る時間を入浴時間に当てるなど、時間をやりくりしてぜひ入浴を。

乱れた食生活をリセットする

食欲がない→冷たいものを食べる→胃が冷えて食欲がなくなる、という悪循環をストップ。温かく、消化の良いものをゆっくり噛んで食べる日を設けましょう。

忙しいときは添加物のないレトルトのおかゆに、梅干しでもいいのです。胃腸を疲れさせない食事に切り替えるだけでも胃腸は休ませることができます。

食欲が戻ってきたら、野菜や肉、魚などバランスの良い食事をなるべく規則正しく摂るよう心がけます。

喉が乾く前に水を飲む習慣を

喉がカラカラに乾いてから水を飲むのはなく、こまめに摂ることを心がけてみてください。飲むときはガブ飲みではなく、一口ずつ丁寧に。それだけでかなり飲みやすくなります。お茶やコーヒーには利尿作用があるので、これらで水分補給している人は、いつも飲む量の半分を水に置き換えてみてください。

また過ごしやすい季節になっても、不眠やめまい、吐き気、頭痛などの症状が続くようなら、医療機関を受診しましょう。

 

どれもこれも些細なことではあるのですが、元は夏バテも日々の不調が重なって引き起こされたもの。ゆっくり休んでいられないkufura世代は、自分のメンテナンスも隙間時間をうまく使うのが一番です。夏の疲れを秋まで持ち越さないよう、しっかりケアしましょう。

 

構成/小野塚美佐


 

【取材協力・監修】

板橋聖子

東京女子医科大学医学部卒。東京女子医科大学病院にて外科医として勤務。出産と子育てを経て、現在は東京女子医科大学予防学科兼女性科(非常勤講師)と「優ウィメンズクリニック」(http://www.you-wcl.com)にて勤務中。病気の相談はもちろん、女性特有の悩みや子育て、仕事など、患者のバックグラウンドをよく理解した上での診療を行っている。優ウィメンズクリニックは、スタッフが全員女性の最新設備が整った女性専用クリニック。

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