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カロリーや糖質制限はもう古い!? 「足し算食べ」でダイエット【ズルい食べ方#1】

「炭水化物を摂ると、すぐに太っちゃう……」代謝の落ちてきたアラフォー世代が感じる体の変化で、よく聞く言葉です。さらに近年は糖質制限の流行もあってか、糖質を気にする人も多く、糖質カットの食品も多く見かけるようになりました。

でも、極端に何かを制限するという食べ方は、栄養バランスを崩すことにつながるし、なにより、食べたいものを我慢するのは、なかなか苦しいですよね。そこで「糖質を味方につける」ことで体型を維持するというアプローチを提案している、管理栄養士の足立香代子さんにお話をうかがいました。

問題は「糖質」ではなく「血糖値の急上昇」

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炭水化物(糖質)は、私たちの生命維持にとって必要な栄養分です。体内に入った糖質は、小腸からブドウ糖として吸収されて、血管を通じてあらゆる臓器に栄養として行き渡ります。

食事の際に糖質を多く摂りすぎた場合、通常であれば膵臓から分泌されているインスリンの働きで一定に保たれている血糖値が一気に上昇し、そのときに余分な糖が脂肪として蓄えられてしまうのです。つまり、「血糖値の急上昇・急降下を抑えることが重要で、糖質そのものよりも、食べた後の血糖値が肥満や健康を脅かす敵だったのです」(以下「」内、足立さん)。

糖質を味方につける「足し算食べ」で太りにくい体に!

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糖質を含んでいる食べ物を避ける「引き算食べ」は、長続きが難しく強い精神力も必要です。途中でギブアップして反動を起こし、リバウンドしてしまう可能性も。

そこで足立さんが提案するのが「足し算食べ」

「足し算することで多少のカロリーオーバーになっても、血糖値のコントロールができ、腹持ちが良くなるので、結果的に健康になり、やせることができるのです」。

ということで、「足し算食べ」の食べ方のコツを教えてもらいました。

(1)炭水化物(糖質)は油と一緒に摂る

「糖質だけを摂取するよりも、糖質と油を一緒に摂取するほうが食後血糖値の上昇が緩やかになるという研究結果もあります。油を摂ったらカロリーが増えてしまうのでは、という声もありますけれど、油を使うことで腹持ちが良くなり、次の食事をドカ食いせずに済み、つまみ食いも減るなど、結果的に太りにくくなるのです」(足立さん)

(2)炭水化物(糖質)には食物繊維を足し算

「油と同様に、食物繊維を足すことでも食後の血糖値の上昇が緩やかになります」(足立さん)。おすすめは、キウイフルーツとキノコ類なのだそう。

キウイフルーツは、血糖値の上昇にかかわるGI値が低く、食物繊維が豊富です。

キノコ類は、食物繊維が豊富で糖質の吸収消化を緩やかにしてくれます。特に舞茸は、インスリンの働きを高めて血糖をコントロールする成分が含まれています。

(3)おかず→ご飯の順で食べる

「胃の出口が、油を含んだおかずで阻まれることで炭水化物が体に入るのに時間がかかり、その結果血糖値の上昇が緩やかになるのです」

食べ方は、まずおかずを2/3ほど食べ、それからご飯を食べ始めるだけ。

(4)丼ものはご飯とおかずに分ける

丼ものは、おかずの後にご飯、という食べ方ができなくなってしまいます。そんなときは、「牛丼を牛皿にすれば、ご飯と具が別々に出てきますから可能になります。海鮮丼は刺身定食などに」

カレーやパスタ、さるそばなどを選ぶなら、セットにサラダをつけたり、そばにかき揚げや天ぷらをつけ、先に炭水化物以外のものを食べられるようにしましょう。


足立さんが提案する「足し算食べ」のノウハウをまとめた『医師が信頼を寄せる栄養士の 糖質を味方にするズルイ食べ方 人生を守る「足し算食べ」BEST100』(ワニブックス)には、定番おかずの足し算食べや外食ランチで参考にしたい食べ方の例がたくさん紹介されています。糖質を制限することなく、食べ方を変えるだけで太りにくい体をつくるズル賢い食べ方で、健康を手に入れましょう。

構成/斉藤裕子

【取材協力・監修】

管理栄養士 足立香代子

『太らない間食』(文響社)がヒットした、話題の管理栄養士。年間100回を超える講演会を通して、医師への指導、管理栄養士の育成に携わり、医療現場では“栄養食”の面から生活習慣病患者をサポート。レストラン級の美味しい病院食が話題となりレシピ化された『せんぽ東京高輪病院 500kcal台のけんこう定食』(ワニブックス)は、シリーズ累計10万部を突破。

【参考】

『医師が信頼を寄せる栄養士の 糖質を味方にするズルイ食べ方 人生を守る「足し算食べ」BEST100』(ワニブックス)

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