6割の男女が「忙しすぎるほうが嫌」と回答。一方で「暇なほうが嫌」も4割
null今回のアンケートにご協力を頂いたのは、20~50代の仕事を持つ男女383人(男性233人/女性150人)。
まず最初に、仕事について「忙しすぎる」のと「暇すぎる」のはどちらが嫌なのか、聞いてみました。
【仕事で忙しすぎる・暇すぎる「嫌」なのはどっち?】
仕事が忙しすぎる・・・62.7%(男性:64.8%/女性59.3%)
仕事が暇すぎる・・・37.3%(男性35.2%/女性40.7%)
男女ともに「忙しすぎるほうが嫌」の回答が6割前後と優位になっています。一方で「暇すぎるほうが嫌」という回答も決して少数派ではありません。
どうしてこのような選択をしたのか、回答者に聞いてみました。
「忙しすぎる」が嫌な理由は「生活への影響」「心身疲れ」「職場の雰囲気」
nullまず「忙しすぎる」のが嫌な理由については、以下のような理由が寄せられました。
(1) プライベートの時間がなくなる
「忙しすぎると自分の時間が作れない」(30歳・コンサルタント/男性)
「仕事だけで一日を終わらせたくない。自由な時間が少しでも欲しい」(26歳・営業・販売/女性)
(2)心身が疲弊する
「人手不足で毎日残業をしており、心が疲弊しているから」(27歳・総務・人事・事務/女性)
「常に緊張に追われて精神的にきつい」(52歳・その他/男性)
「忙しすぎて胃腸炎になった」(30歳・公務員/女性)
「介護の仕事なので、一度にたくさんの入居者の世話や重労働が発生すると、疲労感からイライラしてくる」(55歳・介護/男性)
(3)職場がギスギスする
「社長が人を増やさないせいと思ってしまう」(36歳・デザイン関係/女性)
「仕事が忙しすぎると、社内の人間関係も悪化するし、おのずとミスの回数も増える。多忙すぎる職場ほど上司から罵声を浴びせられたり、ほかの人から心無いことを言われることが多くなる気がする」(41歳・総務・人事・事務/男性)
(4)「家庭と仕事の両立」が困難になる
「家庭のことを考えられないくらい忙しいときがあった」(39歳・コンピュータ関連技術職/男性)
「子どもがいるので常に余白はもっていたい」(35歳・総務・人事・事務/女性)
「仕事が忙しすぎると確認の時間が減り、ミスが増える気がする。自宅では子どもに振り回されることの疲れがあるので、仕事は自分のペースで行いたい」(32歳・総務・人事・事務/女性)
皆さんが感じている忙しさの原因は、業務過多や人手不足による長時間労働か、勤務時間中に息つく暇のない過密スケジュール、もしくは両方というパターンに分かれていました。
緊張感と重責が続くことでホッと一息つく時間がない、心身がすり減る、職場や家庭の人間関係がギスギスしやすい、日常生活に影響が及ぶといった実体験が寄せられました。
切実な回答もあり「やっぱり暇なほうがいいのでは?」と言いたくなりますが、暇すぎることの“負の面”もあるようで……。
「暇すぎる」のがイヤな理由は「収入減」「暇疲れ」「充実感の欠如」
null続いて「暇すぎる」のが嫌いな理由については、以下のような理由がありました。
(1)収入が減る
「工場で働いているので、暇ということはつまり、そもそも生産していないということであり、一大事だから」(39歳・技術職/男性)
「残業時間が減って収入が大分下がった」(34歳・技術職/男性)
「自営業なので暇すぎると自分の収入に跳ね返ってくる」(40歳・その他/男性)
(2)「暇疲れ」する
「暇だと時間が過ぎるのが遅く感じる」(27歳・総務・人事・事務/女性)
「仕事が暇だとやりがい・張り合い・充実感などが全く得られずとても疲れます。忙しくて疲れたほうがましだと強く思っています」(55歳・その他/男性)
「暇だと時間が進むのがゆっくり感じるので長く仕事をしている気分になって疲れる」(40歳・公務員/女性)
「仕事がなさ過ぎて、することを無理矢理作り出してするのが嫌だ」(48歳・コンピュータ関連技術職/男性)
(3)ネガティブなことを考える時間が増える
「時間を持て余す。人生の無駄遣いをしている気がして憂鬱になる」(58歳・会社経営・役員/男性)
「若いうちに経験を積みたいのにその機会が回ってこないのはもどかしい」(30歳・その他/男性)
「周りが忙しい中、自分が暇で罪悪感を感じている」(37歳・営業・販売/男性)
「体を壊すほどの多忙は嫌だが、それよりも仕事が暇すぎるという状況はおかしく、本末転倒に感じる。経営者として無駄をカットしたいと思ってしまう」(30歳・会社経営・役員/女性)
出来高が収入に直結するような就業形態・職種の場合には、暇であることが収入減につながるケースがありました。また、適度に多忙なときの充実感や緊張感は“時間の感覚”を麻痺させることもあると思いますが、暇な時間には「時間が長く感じる」「疲れる」と感じる人がいたほか、普段は考えないようなネガティブな考えが浮かんでくるという声もありました。
推測ではありますが、適度な忙しさとある程度の刺激を伴う仕事のほうが性分的に合っている人もいるのかもしれませんね。
「仕事が暇なときの過ごし方」から見えてくることは?
null職務内容や職場の雰囲気、個々が想定する忙しさは異なると思いますが、“暇”“忙しい”どちらの回答からも“疲れ”というワードが集まっていたのは意外に感じた方もいらっしゃるかもしれません。
することがないのに、なぜ疲れるのか?
そのヒントを探るべく、回答者に仕事が暇になってしまった時間・時期にどんなことをして過ごしているのか聞いてみたところ、皆さん、新たな仕事を作り出したり、普段できない仕事をして時間を“埋めている”ことがわかりました。
社内の目との折り合いもありますし、与えられた仕事を淡々とこなすより、確かに疲れるかも……。
最も多かった3つの回答はこちら。
■1位:できる仕事を探す(19.1%)
「仕組みづくりなどルーティーン業務を効率化し、忙しくなった時の準備を行う」(37歳・営業・販売/男性)
「仕事が効率化になるエクセルシートの開発をしている いざという時に役に立つかもしれないから」(55歳・コンピュータ関連技術職/女性)
■2位:整理整頓・掃除(10.4%)
「職場の掃除」(49歳・営業・販売/女性)
「普段できない整理や片付け」(49歳・営業・販売/男性)
■3位:勉強・リスキリング(6.8%)
「資格の勉強をする」(41歳・その他/男性)
「商品について勉強」(48歳・営業・販売/女性)
その他、少数意見としては「ネットサーフィン(4.2%)」「副業(2.1%)」「ボーっと考えごと(2.3%)」「ポイ活(1.3%)」などの回答がありました。
今回の“暇vs忙しい”のエピソード、皆さんにとってなんとなく共感できる回答は見つかりましたか?
労働者の心身をないがしろにするほどの激務が恒常化した現場は論外ですが、息つく暇がないと息抜きの必要性を感じながらも、息抜きの時間が有り余ると不安や罪悪感を抱える人もいるようです。
本人の度量に応じた“ちょうどいい”忙しさは、個々のはたらくモチベーションにもつながっていくのかもしれませんね。