1~3月は…新年度に向けての採用が活発化
1~3月は、1年のうちもっとも中途採用の動きが活発化します。新年度の体制整備に向けた求人が増えるからです。特に、未経験者も対象とした複数~大量採用の場合、新卒社員と一緒に導入研修を行えるというメリットから、「4月1日入社」に設定して採用活動を行う企業が多く見られます。
また、その年度の採用予定数が充足していない企業では、採用計画の達成に向けて採用活動にスパートをかけます。「今年度の採用予算を使い切りたい」という企業も多く、採用予定数を満たすために選考基準を緩和するケースも見られます。
そして、外資系企業への転職を目指す方にとってもチャンスが広がる時期。外資系は12月決算の企業が多く、1月に新年度が始まります。年度の採用計画が決まり、早ければ1月から求人が出てきます。
4月…中途採用活動は下火、選考も停滞
3~4月は、新卒採用活動にシフトし、中途採用活動を一旦停止する企業が多数。新入社員の受け入れや組織改編で人事が多忙となり、選考も停滞しがちです。
ただし、中小ベンチャー企業には、大手企業が採用を行っていないこの時期をチャンスととらえ、採用に本腰を入れる企業もあります。
5~7月…年度の採用計画が動き出す
4月後半~GW明けには、その年度の事業計画が固まり、それにもとづく採用計画が動き出します。1~3月に次いで求人が増える時期です。
年度計画による募集の場合、採用予定数が埋まり次第、打ち切られます。人気企業ともなると「早い者勝ち」で、上半期中に採用枠が埋まり、翌年まで求人が出ない可能性もあるため、なるべく早く応募するのが得策です。
8月…選考が停滞しても採用意欲は継続
夏休みをはさむ8月は、企業の選考が停滞しがち。とはいえ、求人自体は動いています。下半期の体制整備に向けて採用意欲が高まっている時期であり、お盆明けから「10月入社者」の獲得に向けて選考が加速します。
9~10月…下半期に向けてニーズが発生
上半期の業績や市況をふまえ、下半期の事業戦略が策定される時期。その戦略を担う人材の採用がはじまります。
下半期のスタートとなる10月は、人事異動や組織体制変更の時期でもあります。新体制で稼働すると、「このポジションが足りない」といった課題が明らかになり、それを埋めるための単発求人が出てくることもあります。
11月~12月…4月1日入社者の募集が始動
翌年の“4月1日入社”を前提とした求人が出始めます。しかし、年末年始休暇をはさむため選考が停滞しがち。12月初旬に応募しておくと、うまく行けば年内に書類選考結果が分かるため、年末年始休暇を利用してじっくり面接対策に取り組むことができます。
「ピンポイント求人」を狙うなら、3・6・12月
3・6・12月は、他の月に比べ「退職者」が多く発生します。
3月は、年度末を区切りに転職する人、派遣契約満了を迎える人、異動や転勤辞令を受け入れられず退職する人など。6月・12月にはボーナス支給後に退職する人がいます。
そのため、これらの時期には、退職者の穴を埋めるための求人が多く発生します。こうした「欠員補充」目的の場合、即戦力を求めて、応募要件をしぼり込んだ“ピンポイント採用”となるケースが多数。そのため、通年採用が行われていないような専門職の求人の発生率も高まるのです。
このほか、景気や社会情勢、法律改正・制度改正などの影響で、時期にかかわらず採用が活発化したり、特定職種の募集が増えたりすることもあります。狙う業界・職種の動向について継続的に情報収集することが大切です。
構成/青木典子