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転職活動のスケジュールは「逆算」で!周囲への影響もふまえて計画を

後悔しない転職活動のためのノウハウを、転職のカリスマとして知られ、現在、採用・転職支援の枠を越えて企業や社会の課題解決に取り組む森本千賀子さんが解説します。今回のテーマは「転職活動のスケジュール」です。


転職を具体的に考え始めたら、大まかにでもスケジュールを立ててみましょう。今の会社を退職するにも、新たな会社に入るにも、少しタイミングがずれるだけで困った事態になることもあります。まずは、目標とする「退職時期・入社時期」を決めて、そこから逆算して、どの時期にどう動くかを心積もりしておいてください。

転職活動は想像以上に時間がかかることも!平均はどのくらい?

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今の会社に勤務しながら転職活動をする場合、スタートから次の会社への入社までにかかる期間は、一般的には3カ月~半年程度と考えてください。

【転職活動想定スケジュール】

(1)応募から書類選考

(2)面接(1~3回程度)

(3)内定後、現在の会社への退職交渉

(4)引き継ぎ~退職・入社

 

このような内訳になっています。複数社に併行応募する場合は長くかかりがちです。もちろん、中小企業などでは“社長即決”というケースも多いため、スピーディに話が進めば応募から内定まで数週間、ということもあります。

しかし、自分が思った以上に時間がかかることもあることを想定しておく必要があります。その理由として挙げられるのは以下のとおりです。

  • 大量採用の場合、書類選考に時間がかかる
  • 面接の日程調整をするにあたって相手企業と自分の都合が合わず、面接設定が遅れる
  • 社長や役員などとの最終面接が、相手の海外長期出張などで遅れる
  • 長期休暇、期末・期初、繁忙期などをはさむと企業側の選考が停滞する
  • 企業が複数の候補者で迷っている場合、結論が出るのが遅れる
  • 内定を得ても、現在の会社との退職交渉や引き継ぎがスムーズに運ばない

こうした可能性を踏まえておけば、無理のないスケジュールが立てやすくなります。

「退職に時間がかかる」を防ぐため、心がけること

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退職 申し出 時期

先ほど挙げた中でも、「退職交渉や引き継ぎがスムーズに運ばない」という項目については、自分側の理由なので、事前にある程度想定し、対策をとっておくことができるでしょう。

時期によって「今のタイミングで辞められると困る!」と引き留められ、時間がかかってしまうこともありますので、次のようなポイントを心がけてください。

  • 繁忙期の退職を避ける
  • 長期プロジェクトの切れ目のタイミングを狙う
  • 引き継ぎをスムーズにできるよう、引き継ぎ資料の準備を進めておくほか、後任候補となるスタッフに少しずつ教えたり任せたりしておく
  • 少し先のプロジェクトの計画・スケジュールをそれとなく上司に確認しておく

なお、退職希望日のどれくらい前に会社に退職意思を告げるかは、会社の就業規則により異なります。しかし、後任者の選定・採用や引き継ぎを踏まえると、1~2カ月前には申し出るのが望ましく、そのタイミングで内定獲得できれば理想的です。

これらをふまえ、自分にとって最適な退職時期を決め、そこから逆算して転職活動を始めましょう。

「家族の状況」もふまえ、タイミングを合わせよう

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転職 家族 相談

 

家庭を持つ女性の場合、夫や子どもの状況をふまえて最適な転職時期を考えることも大切だと思います。

転職したばかりの頃は、残業が発生するタイミングなどがわかっていないため、1日単位・1週間単位で想定していたスケジュールが狂うこともあります。

また、新しい仕事を覚え、人間関係を一から構築し、環境になじむのに精一杯で、気持ちに余裕がなくなることもあるでしょう。

そんな状況と、夫側の環境変化(繁忙期や部署異動)、子どもの環境変化(保育園入園・進級・進学・受験など)が重なると、新たな仕事を軌道に乗せることと家族へのケアをうまく両立することが難しく、お互いにストレスを感じてしまう恐れもあります。

 

転職は自分自身の決断ですが、それによって前の会社の同僚、家族にどんな影響を及ぼすかもイメージした上で、タイミングを検討してみてください。

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