「ご配慮」の意味とは?
「ご配慮」の意味とは?“配慮”(はいりょ)は、気を配ること。心づかい。接頭辞“ご(御)”をつけた“ご配慮”という形で、相手への尊敬の意を表します。
“ご配慮”と言った場合には、相手の気遣いを指します。感謝、注意喚起、依頼などの場面で使われます。
「ご配慮」はどんなときに使うといい?例文は?
「ご配慮」はどんなときに使うといい?例文は?“ご配慮”が使われている具体的な場面をご紹介します。
(1)感謝をするとき
相手の気遣いなどに対する感謝の言葉の中で使われています。
【例文】
・何かとご配慮ありがとうございます。
・納期をご配慮いただいたおかげで、スケジュール通りに進めることができました。
(2)依頼をするとき
ミスや手抜かりのないよう気をつけるように依頼するとき、周囲への気遣いを依頼するときに用います。
【例文】
・機密情報のお取り扱いにはどうぞご配慮ください。
・館内では感染対策にご配慮いただきますようお願い申し上げます。
・小さなお子様もいらっしゃいますので、ご配慮をお願いいたします。
・他のお客様へのご配慮をお願いいたします。
(3)こちらの状況を推し量るよう要求するとき
“配慮”の「深く考えて気を配る」と言う意味から、相手にこちらの状況を察するよう、遠回しに要求するような場面でも使われることがあります。
【例文】
・コスト増が続いている現状をご配慮いただけますと幸いです。
・業務量に対して人員数が少ないので、来期の人事ではそのあたりをご配慮いただけると大変助かります。
・PTAの役員決めでは、家庭の事情をご配慮いただけるのでしょうか。
「ご配慮」の使い方の注意点は?目上の人にも使える?
「ご配慮」の使い方の注意点は?目上の人にも使える?“ご配慮”という言葉は、目上の相手に対しても使うことができます。先述したように、依頼や注意喚起をする際に使われていますが、相手との関係性や言い方によっては、厚かましい要求となる可能性があります。
また、遠回しな言い方で正しい要求が伝わらず、相手を困惑させる事態も想定されます。
【要注意例文】
・うちの社のルールをもう少しご配慮いただけませんか?
→相手との関係性や文脈によっては、厚かましい印象を与えることがある。また、気を付けるべきことを具体的に伝えないと相手に伝わらないケースも想定される。
「ご配慮」を言い換えると?類語は?
「ご配慮」を言い換えると?類語は?続いて“ご配慮”の類語や言い換え表現をご紹介します。
(1)「お気遣い」
“気遣い”は、気を遣うこと、気を配ること。“お気遣い”は、相手の心配りを指して使います。
【例文】
・お気遣いいただきありがとうございます。
(2)「お察し」
“察する”は、相手の気持ちや状況を推し量ること、思いやること。こちらの事情を理解するように伝えるときに「お察しください」といった形で使われています。
【例文】
・今回の措置については、苦渋の決断であったことをお察しいただけると幸いです。
(3)「お心配り」(おこころくばり)
“おこころくばり”は、あちこちに気を配ること。
【例文】
・いつも細やかなお心配りをいただきいたみ入ります。
(4)「ご高配」(ごこうはい)
“ご高配”は、“相手の配慮”を敬っていう言葉です。“高”は相手への敬意を“配”は配慮を表します。“ご高配”は、日ごろからお世話になっている相手に対しての挨拶文の中で使います。
【例文】
・日ごろから格別なご高配を賜り、誠にありがとうございます。
以上、今回は国語講師の吉田裕子さんに“配慮”という言葉について解説していただきました。
さまざまな文脈で使われる頻出語です。使い方を覚えておきましょう。
【取材協力・監修】
吉田裕子
国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。