「仰々しい」ってどんな意味？正しい使い方や間違いやすい点を解説します

“仰々しい（ぎょうぎょうしい）”は、大げさであるさま。

物事を誇張したり、数字や業績などをさも立派であるように言い立てたりする様子を表す形容詞です。人のふるまいや、物事の様子を表すときに使います。

過去には“業業し”“凝凝し”などともつづられていましたが、現在は“仰々しい”と表記されています。

“仰々しい”は、物事を誇張している人がいた際、それを指摘したりたしなめたりするときに使います。

例えば、実績を実際よりも大きく伝えたり、ささいなことを大げさに言い立てたりするさまを指して“仰々しい”という言葉を使うことがあります。

“仰々しい”は、基本的にはネガティブな意味を伴って使います。

“にぎやか”“陽気”“立派”などのポジティブな言葉と混同しているケースもありますのでご注意ください。

【NG例文】

・彼女は、よくしゃべりよく笑う仰々しい人柄が魅力的だ。

→“にぎやか”“陽気”という意味では使わない。

・ご栄転おめでとうございます。ダイレクトセールスプロモーションマネジメント事業部、ずいぶん仰々しい部署名ですね。

→“仰々しい”にネガティブなニュアンスがあるため相手を不快にする恐れがある。

“仰々しい”の例文を通じて、使い方をイメージしていきましょう。

・仰々しいタイトルのメールが届いたため驚いた。

・仰々しい表現は避けて、シンプルに伝えましょう。

・仰々しい挨拶は必要がありません。

・彼の新しい肩書名は、ずいぶん仰々しい。

・彼女のリアクションはいつも仰々しい。

“仰々しい”と類似の意味を持つ言葉をご紹介します。

（1）「誇張（こちょう）」

“誇張”は、事実よりも大げさに表現すること。“仰々しい”は、個人の主観を伝えるとき使われることが多いのですが、“誇張”はある事象を客観的に述べる際にも使われています。

【例文】

・その記事は、事実が誇張されています。

（2）「大げさ」

“大げさ”は、実際よりも内容や程度を大きく伝えるさま。

【例文】

・この表現は大げさなので、修正したほうがいいと思います。

（3）「針小棒大（しんしょうぼうだい）」

“針小棒大”は、針ほどのことを棒ほどに言うことから、ちょっとしたことを大げさに言う様子を表して使います。

【例文】

・彼はしばしば針小棒大に語るため、話半分に聞いたほうがよさそうだ。

“仰々しい”と正反対の関係にある対義語はありませんが、対の意味を含む言葉をご紹介します。

（1）「控えめ」

“控えめ”は、遠慮してふるまうこと。

【例文】

・大げさにならないよう、控えめな物言いを心がけている。

（2）「抑制的」

“抑制的”は、意識して抑え、とどめること。

【例文】

・彼はずいぶん腹が立っていたようだが、抑制的なトーンで注意をしていた。

以上、国語講師の吉田裕子さんに“仰々しい”の使い方を解説していただきました。

“仰々しい”は、しばしば耳にする言葉ですので、意味を覚えておきましょう。