「整合性」の意味とは?
「整合性」の意味とは?“整合性(せいごうせい)”の意味は“矛盾がなく整っていること”“つじつまが合っていること”。
「整合性がある・ない」「整合性に欠ける」「整合性を図る」「整合性を持たせる」いった形で使われています。
ビジネスシーンでは「整合性」はどんなときに使う?
ビジネスシーンでは「整合性」はどんなときに使う?ビジネスシーンにおいては、資料、議論、数値、戦略など、
また、一貫した議論・行動などの重要性を主張する際にも“整合性”という言葉を用います。
【例文】
・発表予定のリリースを事前にチェックしましたが、前回のリリースと整合性がとれていない箇所を見つけました。
・資料作成の際には、既に受注している金額と売り上げ見込み金額の整合性を持たせてください。
「整合性」の使い方の注意点は? よく見かける間違った使い方
「整合性」の使い方の注意点は? よく見かける間違った使い方“整合性”の使い方においては、以下の注意点があります。
「整合性を整える」「整合性を合わせる」は重言
“整合性”の“”整合“は、文字通り「整えて合わせる」という意味を含んでいます。
そのため「整合性を整える」「整合性を合わせる」という表現は、目的語と動詞の意味が重複した“重言”となります。重言とは「馬に乗馬する」
【NG例文】
・この資料の整合性を整えてください。
・この資料と整合性を合わせたほうがいいと思います。
→いずれも、重言。この場合には「整合性を持たせる」「整合性を図る」といった表現を使う。
「整合性」の例文は?
「整合性」の例文は?“整合性”の例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。
・以前の提案と照らし合わせて、整合性を確認してください。
・提出された書類の整合性がとれていない可能性があります。
・整合性を保つように努めてください。
・そのキャッチコピーでは、経営理念との整合性に欠ける。
「整合性」を言い換えると?類語は?
「整合性」を言い換えると?類語は?“整合性”と類似した意味を持つ言葉をご紹介します。
(1)「一貫性」
始めから終わりまで1つの考えを通していること。「一貫性がない」という表現で、矛盾点を指摘することもあります。類似の意味の“首尾一貫”という四字熟語もあります。
【例文】
・彼女の主張には一貫性がありません。
(2)「つじつまが合う」
矛盾がなく、筋が通っていること。「つじつまが合わない」と否定形で使われることもあります。
【例文】
・突然の契約破棄の理由はわからないが、彼の推測だとつじつまが合う。
(3)「筋が通る」「筋が立つ」
“筋(すじ)”は、物事の道理。理屈に合うことを意味しています。
【例文】
・取引先の筋が通った説明に納得した。
「整合性」の対義語は?
「整合性」の対義語は?整合性の対の意味を持つ単語には、以下のような言葉があります。
(1)「矛盾」
物事のつじつまが合わないこと。
【例文】
・さきほどおっしゃったことは、この資料の内容と矛盾しています。
(2)「破綻(破たん)」
破れほころびることを意味する言葉ですが、議論や資料などの矛盾を指摘する際にも使われています。
【例文】
・議論が破綻しています。
(3)「不一致」
一致しないこと、合わないこと。広く使われている言葉ですが、データや話のつじつまが合わないこと表すこともあります。
【例文】
・先月のデータとの不一致が散見される。
今回は、国語講師の吉田裕子さんに“整合性”という言葉について解説していただきました。
使用頻度は高くありませんが、大切な場面で使われることの多い言葉です。ぜひ、使い方を覚えておきましょう。
【取材協力・監修】
吉田裕子
国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。