「プライオリティ」の意味とは?
「プライオリティ」の意味とは?『デジタル大辞泉』(小学館)では、“プライオリティ”は以下のように解説されています。
ビジネスシーンや日常生活では、“優先順位”“優先度”の意で使われることが多くなっています。
ビジネスシーンでは「プライオリティ」はどんなシーンで使う?
ビジネスシーンでは「プライオリティ」はどんなシーンで使う?プライオリティは“優先順位”“優先度”の意味で使われることが多くなっています。
会議や会話の中で「何を大切にすべきか」「何を優先すべきか」「何を先に行うか」といったトピックを論じたり、アドバイスしたりする際に使われています。
ビジネスシーンでは、以下のような形で使われています。
【プライオリティが高い】
優先度が高いこと。
【プライオリティが低い】
現時点では後回しにしても差し支えないこと。
【~にプライオリティを置く】
特定の仕事の優先順位を高くすること。
【ファーストプライオリティ】
最優先事項。先んじてまず最初に行うべきこと。
「プライオリティ」を「優先権」の意味で使うケースも
「プライオリティ」を「優先権」の意味で使うケースもビジネスシーンにおいて、“プライオリティ”は多くの場合“優先順位”という意味で使われています。しばしば、他に先立って使うことができる権利を意味する“優先権”という意味で使われることもあります。
【プライオリティシート】
特定の人が優先的に座るために設けられた席。
【プライオリティパス】
特別な優遇を受けることができるサービスのこと。
「プライオリティ」の使い方の注意点は?
「プライオリティ」の使い方の注意点は?プライオリティの使い方の注意点は以下の2点です。
(1)「プライオリティ」1語では優先度が伝わらない
“プライオリティ”は”優先順位“の意。1語では何を優先すべきか伝わらない場合もありますので、適切な形容詞や動詞とともに使いましょう。
【NG例文】
・これは、プライオリティな案件です。
→この1文では優先度が伝わりにくい。正しくは「この案件にプライオリティを置いてください」「これは、プライオリティが高い案件です」など。
(2)「優先権」という意味で使うと伝わりにくい可能性がある
ビジネスシーンではほとんどの場合“優先順位”“優先度”の意味で使われるため、“優先権”の意味で使うと、真意が伝わらない場合も想定されます。
【要注意例文】
・残念ながら、当社にアクセスのプライオリティはありません。
→日本語の“優先権”を使ったほうが真意が伝わりやすい。
「プライオリティ」の例文は?
「プライオリティ」の例文は?例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。
・忙しいときこそ、プライオリティをきちんと判断する必要がある。
・この業務は今抱えているなかで最もプライオリティが高い。
・例の案件にプライオリティを置いて臨んでください。
・現在の状況を踏まえると、その業務のプライオリティは低いと思います。
・上司からファーストプライオリティの業務を依頼された。
「プライオリティ」の類語・関連語は?
「プライオリティ」の類語・関連語は?続いて、プライオリティの類語・関連語をご紹介します。
(1)「優先順位」
“プライオリティ”と同義語。仕事の進め方や、着手すべき仕事を論ずるときに使います。
【例文】
・業務の優先順位をしっかり把握しましょう。
(2)「優先度」
“プライオリティ”と同義語。仕事の重要度を表す際に使うことの多い言葉です。
【例文】
・この案件の優先度を高めてください。
(3)「優先権」
他の人、他の組織よりも優遇して先にする権利があること。
【例文】
・この件に関しては我が社に優先権があります。
(4)「なるべく早く」
“できるかぎり早く”の意。日常会話でよく使われる表現です。日常会話においては、“なるはや”と略して使うケースも見受けられます。
【例文】
・なるべく早く着手してください。
今回は、国語講師の吉田裕子さんに“プライオリティ”という言葉について解説していただきました。
仕事の優先順位を考える際に頻出する単語ですので、意味を覚えておきましょう。
取材・文/北川和子
国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。