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「プライオリティ」を正しく使えてる?意味と使い方を解説【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#74】

“プライオリティ”は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。今回は“プライオリティ”の意味や使い方の注意点について掘り下げていきます。

“プライオリティ”について解説していただいたのは、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「プライオリティ」の意味とは?

「プライオリティ」の意味とは?

『デジタル大辞泉』(小学館)では、“プライオリティ”は以下のように解説されています。

ビジネスシーンや日常生活では、“優先順位”“優先度”の意で使われることが多くなっています。

ビジネスシーンでは「プライオリティ」はどんなシーンで使う?

ビジネスシーンでは「プライオリティ」はどんなシーンで使う?

プライオリティは“優先順位”“優先度”の意味で使われることが多くなっています。

会議や会話の中で「何を大切にすべきか」「何を優先すべきか」「何を先に行うか」といったトピックを論じたり、アドバイスしたりする際に使われています。

ビジネスシーンでは、以下のような形で使われています。

【プライオリティが高い】

優先度が高いこと。

【プライオリティが低い】

現時点では後回しにしても差し支えないこと。

【~にプライオリティを置く】

特定の仕事の優先順位を高くすること。

【ファーストプライオリティ】

最優先事項。先んじてまず最初に行うべきこと。

「プライオリティ」を「優先権」の意味で使うケースも

「プライオリティ」を「優先権」の意味で使うケースも

ビジネスシーンにおいて、“プライオリティ”は多くの場合“優先順位”という意味で使われています。しばしば、他に先立って使うことができる権利を意味する“優先権”という意味で使われることもあります。

【プライオリティシート】

特定の人が優先的に座るために設けられた席。

【プライオリティパス】

特別な優遇を受けることができるサービスのこと。

「プライオリティ」の使い方の注意点は?

「プライオリティ」の使い方の注意点は?

プライオリティの使い方の注意点は以下の2点です。

(1)「プライオリティ」1語では優先度が伝わらない

“プライオリティ”は”優先順位“の意。1語では何を優先すべきか伝わらない場合もありますので、適切な形容詞や動詞とともに使いましょう。

【NG例文】

・これは、プライオリティな案件です。

→この1文では優先度が伝わりにくい。正しくは「この案件にプライオリティを置いてください」「これは、プライオリティが高い案件です」など。

(2)「優先権」という意味で使うと伝わりにくい可能性がある

ビジネスシーンではほとんどの場合“優先順位”“優先度”の意味で使われるため、“優先権”の意味で使うと、真意が伝わらない場合も想定されます。

【要注意例文】

・残念ながら、当社にアクセスのプライオリティはありません。

→日本語の“優先権”を使ったほうが真意が伝わりやすい。

「プライオリティ」の例文は?

「プライオリティ」の例文は?

例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

・忙しいときこそ、プライオリティをきちんと判断する必要がある。

・この業務は今抱えているなかで最もプライオリティが高い。

・例の案件にプライオリティを置いて臨んでください。

・現在の状況を踏まえると、その業務のプライオリティは低いと思います。

・上司からファーストプライオリティの業務を依頼された。

「プライオリティ」の類語・関連語は?

「プライオリティ」の類語・関連語は?

続いて、プライオリティの類語・関連語をご紹介します。

(1)「優先順位」

“プライオリティ”と同義語。仕事の進め方や、着手すべき仕事を論ずるときに使います。

【例文】

・業務の優先順位をしっかり把握しましょう。

(2)「優先度」

“プライオリティ”と同義語。仕事の重要度を表す際に使うことの多い言葉です。

【例文】

・この案件の優先度を高めてください。

(3)「優先権」

他の人、他の組織よりも優遇して先にする権利があること。

【例文】

・この件に関しては我が社に優先権があります。

(4)「なるべく早く」

“できるかぎり早く”の意。日常会話でよく使われる表現です。日常会話においては、“なるはや”と略して使うケースも見受けられます。

【例文】

なるべく早く着手してください。

 

今回は、国語講師の吉田裕子さんに“プライオリティ”という言葉について解説していただきました。

仕事の優先順位を考える際に頻出する単語ですので、意味を覚えておきましょう。

 

取材・文/北川和子

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吉田裕子
吉田裕子

国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。

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