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「マイルストーン」の意味とは?よくある間違い例も解説【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#43】

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“マイルストーン”という言葉の意味をご存じですか? 今回は、ビジネスシーンを想定した“マイルストーンの”意味や使い方、注意点を掘り下げていきます。

解説して頂いたのは『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「マイルストーン」の意味は?

まず最初に、国語辞典に掲載されている“マイルストーン”の意味をご紹介します。

『デジタル大辞泉』(小学館)

2 画期的な出来事。「近代医学のマイルストーンとなる発見」
3 システム開発やプロジェクト管理において、スケジュール上で特に重要な節目。成果物そのものを指すこともある。

ビジネス用語としてはどんな意味で使われている?

英語の“milestone”には、街道に設置された目印の“マイル標石”という意味がありますが、“画期的なできごと”や“節目”という意味でも使われています。

日本のビジネスシーンにおいて、“マイルストーン”は、目的を達成するための区切りとなる段階や、途中の大切な節目、画期的なできごとを指して使われています。

過去をふりかえって、節目となるようなできごとを指して“マイルストーン”と呼ぶこともあります。

ビジネスシーンでは「マイルストーン」はどんなときに使う?

“マイルストーン”は最終的な目標を達成するための区切りとなる段階を指します。

ビジネスシーンでは、取引先、社内メンバーとプロジェクトの進行について議論したり、確認したりするときに“マイルストーン”という言葉を使うことがあります。

例えば、商品開発が完了するまでのスケジュールをいくつかの工程に分け、それぞれの工程の締め切りを“マイルストーン”と呼ぶこともあるでしょう。

長期的な計画・戦略の最終目標ではなく、あくまでも途中の重要な節目を指しますから、その点は注意が必要です。

「マイルストーン」の使い方の注意点は?よく見かける間違った使い方は?

先述したように、マイルストーンは最終的な目標やゴールではなく、途中の大切な節目のこと。しかし、しばしば以下のような間違いが見受けられます。

【NG例文(1)】

・当社の最終的なマイルストーンは、この分野で世界のリーディングカンパニーとなることです。

“マイルストーン”は最終目的の途中にある節目のこと。例文の場合は“目標”“ゴール”などに置き換える。

また、“マイルストーン”という言葉のイメージから、目印や象徴となる建造物を意味する“ランドマーク”と混同している例もあります

【NG例文(2)】

・駅から弊社までのわかりやすいマイルストーンは、青い鉄塔です。

→目的地までの経路にある目印を指して“マイルストーン”とは言わない。この場合は“目印”と言ったほうがベター。

「マイルストーン」の例文は?

“マイルストーン”を使った例文を通じて使い方をイメージしてみましょう。

・本プロジェクトをスタートするにあたり、5つのマイルストーンを設定しました。

・現在は2番目のマイルストーンに到達しています。

・このプロジェクトのマイルストーンを把握しておいてください。

・今回の試作品の品質試験は、開発工程の重要なマイルストーンになると思います。

マイルストーンを拾い上げて、事業の歩みをまとめる。

「マイルストーン」の関連語は?「ターニングポイント」との違いは?

続いて“マイルストーン”と関連して使われている言葉をご紹介します。“マイルストーン”との意味の違いにも着目しながらチェックしてみましょう。


(1)「ターニングポイント」

“ターニングポイント”は、これまでの方向性が大きく変わる転換点や分岐点を指します。最終的な目標の途中の節目を指す“マイルストーン”とは異なり、より重大な転機を指して用います。

【例文】

・世界情勢の変化により、弊社の営業部門はターニングポイントを迎えている。

(2)「ロードマップ」

ビジネスシーンで使われる“ロードマップ”は、プロジェクトの全体的な工程を示したもの。計画全体を見渡せる“ロードマップ”の中に、いくつかのマイルストーンを設定する場合もあるでしょう。

【例文】

・このプロジェクトのロードマップにおいて、最も重要なのは2番目のマイルストーンだと思っています。

(3)「メルクマール」

ドイツ語の“merkmal”が語源。目標、指標、目印などの意味があります。

【例文】

・本企画のメルクマールを設定してください。

(4)「ベンチマーク」

もとは測量する際の基準点の意。日本のビジネスシーンでは、性能や品質の比較目標を意味して使われることがあります。コンピューターのソフトウェア・ハードウェア開発、製造現場、経営手法、株式など幅広い場面で使われており「このぐらいの水準に到達していたい」という価値判断の基準を指して用います。

【例文】

・トップシェアを誇るA社の商品の性能は、他社にとってのベンチマークとなっている。

 

今回は国語講師の吉田裕子さんに“マイルストーン”の意味や使い方について解説して頂きました。

プロジェクト管理の場面で使われることがある言葉ですから、使い方を覚えておきましょう。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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