国語辞典に載っている「アジェンダ」の意味とは?
nullまず最初に国語辞典に載っている“アジェンダ”の意味をチェックしてみましょう。
<デジタル大辞泉>
1 計画。予定表。議事日程。協議事項。特に、政治・政策的な分野で、検討課題、行動計画、の意で用いることが多い。
2 スケジュール帳。備忘録。
3 教会の礼拝定式
ビジネス用語はどの意味で使われている?
ビジネス用語として主に使われているのは「1」の意味。一般企業においては、会議の協議事項や議題のことを指して用います。
政治に関係する組織においては、長期的な計画を推進していく上でのタイムスケジュールを指すこともあります。
ビジネスシーンでは「アジェンダ」はどんなときに使う?
nullビジネスシーンでは“アジェンダ”は主に、会議や打ち合わせの進行予定を指します。
【「アジェンダ」使用例】
・本日の会議は、事前に送付したアジェンダに沿って進めて参ります。
会議や打ち合わせに際し、参加者に会議の議題を伝え、円滑な進行に役立てるのが“アジェンダ”の目的です。
会議のテーマをリスト化して事前にメールで送ったり、印刷して配布したり、ホワイトボードやスクリーンに表示して、“アジェンダ”の内容を参加者と共有します。
「アジェンダ」「レジュメ」「議事録」の違いや使い分け方法は?
null“アジェンダ”と“レジュメ”“議事録”は混同しやすい言葉であるようです。3つの言葉の違いや使い分け方法を解説します。
■「レジュメ(レジメ)」
発表の内容の要点をまとめた配布資料のこと。会議・講演・
【例文】
・本日のプレゼンのレジュメを配布致します。
■「議事録」
会議のトピックや話し合いの内容を記載した文書のこと。会議の後に関係者と共有します。
【例文】
・本日の会議の議事録を送付致しますので、参加できなかった方はお目通しのほどお願い申し上げます。
“レジュメ”は話すときに使う要約資料、“議事録”
例文を通じて、3つの単語の使い分けの方法をイメージしてみましょう。
【使い分け例文】
本日の会議は事前にお送りしたアジェンダに沿って進めていきます。それでは、発表内容を要約したレジュメを配布致します。
なお、議事録につきましては、会議後に書記の田中君からメールで送付予定です。
「アジェンダ」の例文は?
null“アジェンダ”の例文を通じて使い方をイメージしてみましょう。
・週明けの会議のアジェンダを作成してください。
・事前にアジェンダを共有してください。
・本日のミーティングのアジェンダは、品質管理と生産性の向上についてです。
「アジェンダ」の関連語は?
null続いて“アジェンダ”と関連した言葉をご紹介します。
(1)「イシュー」
“イシュー”は問題点、論争点のこと。議論をしていくときの根本的な課題や問題の核心の部分を意味して使います。
【例文】
・イシューを特定しなくては、的外れな手を打ちかねない。
(2)「テーマ」
主題、中心課題のこと。話し合いの主題を指して使います。
【例文】
・今日のブレインストーミングのテーマは「サステナブルなオフィス」についてです。
(3)「トピック」
題目、話題のこと。打ち合わせでの報告時などに使われています。
【例文】
・今週の大きなトピックは、A社のクレーム対応がようやく解決したことです。
以上、今回は“アジェンダ”の使い方について国語講師の吉田裕子さんに解説して頂きました。
“アジェンダ”と混同しやすい言葉がいくつかあります。使い分け方法を覚えておきましょう。
取材・文/北川和子
国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。