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「クレームは初動が大切」の理由は?クレーム対応の方法と注意点を解説【「なんだか品がいい」と言われる女性のビジネスマナー】

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クレーム対応は、数あるビジネスマナーの中でも今、最も必要とされているものの一つ。取引先やお客様からのクレームを受けたとき、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

【「なんだか品がいい」と言われる女性のビジネスマナー】18回目の今回は、キャリア形成やビジネスマナーを専門とするライフスタイリストの北條久美子さんにクレーム対応時のマナーや注意点についてうかがいました。

「クレーム対応」のポイントは?電話やメールの場合は?

クレーム対応においてよく言われているのは「初動が大切」ということです。最初に適切な対応ができないと、クレーム対応への不満から “二次クレーム”につながる可能性があるからです。

このことを踏まえ、クレーム対応の基本的な流れについて把握しておきましょう。

STEP1:相手の話に耳を傾け、お詫び

相手の話に耳を傾け、「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」などとお詫びをします。事実確認が済んでいないこの時点では、こちらに非があるかはわからないので、まずは、“不快な思いをさせたこと”に対して謝るのがポイントです。相手の話に耳を傾けながら「クレームをしている理由は何か」について情報を整理し、理解しようと努めます。

STE2:原因と事実を確認する

「どのような状況かもう少し詳しくお聞かせいただけますか?」などとたずね、内容をヒアリングしたうえで、原因を確認していきます。その後、もらった意見が事実かどうかを確かめて整理します。相手が怒っていたり不機嫌な場合であっても、聞き手が冷静かつ適切に対応することが大切です。

STEP3:問題の解決策・代替案を示す

自社の商品やサービスの問題であった場合は、真摯に謝罪し、解決策や代替案を提示しましょう。“いつ”“どう”“誰が”実行するかも明確に伝えるように心がけます。
仮に、クレーム内容がお客様の勘違いである場合であっても、問題の代替案・解決案を提示してトラブル解決につなげます。

STEP4:解決したら、あらためてお詫び・謝意を伝える

解決したら、あらためてお詫びし、「貴重なご意見ありがとうございました」と謝意も伝えます。

クレームの第一報は電話やメールというケースも多いかと思いますが、基本的には、以上の流れで進めていきます。心情理解と“不快にさせたこと”へのお詫び、詳しくヒアリングして事実確認、代替案と解決策を示すという基本的な流れを覚えておきましょう。

クレームをするお客様の心情を理解するために

クレーム対応に欠かせないのが、お客様の心情理解です。クレームをするお客様の心理を読み解いていくと、大きく分けて4つのタイプに分けることができます。

(1)本当に困っている

商品やサービスを使ってみて不具合が生じ、クレームとして伝えている。

【例】購入したものが破損していた、注文した物と異なる物が届いた……etc.

(2)損をしたくない

他の人と同等のサービスを求めてクレームをしている。

【例】先に並んでいるのに事前に予約した人が先に呼ばれた、割引が適応されない……etc.

(3)助言をしたい

もっとよくしてあげたいという正義感から助言を伝えるためにクレームしている。

【例】新人の対応のまずさについて報告したい、商品のリニューアルで品質が劣化した……etc.

(4)ただ機嫌が悪い

イライラ、不機嫌をクレームでぶつけてきている。中には理不尽な要求をぶつけてくる場合もある。

お客様の話を聞きながら、相手の心情を推し量っていきます。

過剰なクレームにはどう対応する?

ちなみにイライラや不機嫌をクレームでぶつけているケースの中には過剰な要求や、理不尽な内容も含まれます。

こうしたクレームはしばしば “カスタマーハラスメント”などと呼ばれ、社会問題となりつつあります。10月下旬、厚生労働省は、企業向けにカスタマーハラスメントの対応マニュアルを策定する方針を示し、社会から向けられる眼差しはより一層厳しくなると思われます。

理不尽なクレームに対しては、“冷静”“丁寧”を心がけながら、時には毅然とした対応が必要となることもあります。「大変申し上げにくいのですが」「大変恐縮ではありますが」とやわらかい言葉を使って「NO」を伝えます。

場合によっては「私ではわかりかねますので、上の者に確認いたします」と伝え、別の相手に引き継ぐ必要が生じることも。その場合は、引き継ぐ相手に詳しく状況を説明してからバトンタッチしましょう。

クレーム対応の注意点やNG事項は?

クレーム対応時には冷静さを欠いた対応と、お客様の言葉を頭ごなしに否定することは避けましょう。

対応時に避けたい言葉は、“でも”“だって”“だけど”“ですが”といった逆接詞。こうした言葉はクレーム中の相手にとって不快に感じることがあるようです。

クレーム対応には第一印象が重要です。穏やかで適切な対応を心がけることで、物事がうまく進むこともありますので、まずは相手の意見に耳を傾け、共感の言葉、お詫びの言葉を使うことが大切です。

クレームで心がつらくならないために

「クレーム対応がつらい」「クレーム対応で疲れた」という声がよく聞かれます。それほどまでに、クレーム対応が多くある職種は気苦労が多いのです。

クレーム対応で心をすり減らさないためには、“仕事をしている自分”と“素の自分”を切り離すプロセスが必要です。言ってみれば“クレームに冷静に対応する自分”という役割を“演じる”ようなイメージです。

これは、ある程度トレーニングを積む必要があるのかもしれませんが、罪悪感や怒りなどの感情から“素の自分”を防御することにつながり、心の負荷を軽減することができると思います。

また、相手から叱責されたとしても自分を責めたりせず、「たまたまクレームの案件にあたってしまったけれど、会社としての改善点を知る機会になった」という心持ちでいたほうが、心が疲れずにすむのではないでしょうか。

今回は北條久美子さんにクレーム対応の流れや注意点について解説して頂きました。

「クレームは初動が大切」ということを念頭に、相手の心情に寄り添った冷静な対応を心がけましょう。

【取材協力】

北條 久美子

東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアの研修・セミナ―を行い、顧問として企業の人財育成や教育体型の構築にも携わる。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト。睡眠マネジメントやマインドフルネスなどをワークに取り入れ、自分らしく、かつ生き方(ライフスタイル)を美しくすることを自らも目指し、それを広める場作りに力を入れる。著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『働き方のセブンマナー』(講談社)ほか。

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