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「何卒」の意味と使い方、あっていますか?依頼以外にも使えます【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#28】

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学生時代までは縁がなかったのに、社会人になると頻繁に使うようになる言葉の代表的存在が“何卒”という言葉ではないでしょうか。今回は“何卒”の意味や使い方、言い換え表現について掘り下げていきます。

解説して頂いたのは『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「何卒」の意味と使い方は?

“何卒”の読み方は“なにとぞ”。

“どうか”“なんとかして”という意味を持ち、強い懇願の気持ちを表す言葉です。

「何卒」はどんなときに使うといい?目上の相手にも使える?

“何卒”は、ビジネスシーンにおいて非常に高い頻度で使われる表現です。

相手に依頼をするときに“絶対に”“必ず”といった強い表現を使うのがはばかられるとき、よりマイルドな語感を持つ“何卒”を用います。

目上の相手に対しても使うことができます。

具体的な場面としては以下のような場面が想定されます。

(1)協力や理解をお願いするとき

社内外の相手に何らかの理解や協力を求めるとき、以下のような表現がよく使われています。

【例文】

・ご不便をおかけしますが、何卒ご了承頂けますようお願いいたします。

(2)依頼のメール・文書・手紙

社内外の相手に何か依頼をするときの表現です。

【例文】

・大変恐縮ですが、何卒よろしく申し上げます。

(3)こちらからの提案について検討して欲しいとき

営業や交渉時に、検討をお願いするときも使われています。

【例文】

・お忙しいことと存じますが、本日お話した件について何卒ご検討のほどお願い申し上げます。

(4)メールの締め

特に依頼や提案の内容ではなくても、メールの締めの挨拶の中でも使われています。

【例文】

・今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

プライベートにおいても、“何卒”は敬語を使う相手に依頼をするときに使われています。PTAなどの地域組織から配られる書類の中でも頻出する言葉です。

【例文】

・今月もペットボトルのキャップを回収いたします。何卒ご協力のほどお願い申し上げます。

「何卒」の使い方と注意点は?

先述した通り、“何卒”は“どうしても”“ぜひ”という強い意味を持っています。

一通のメールや書類の中で何度も多用するのは避けたほうがいいでしょう。

「何卒」を言い換えると?

続いて“何卒”の言い換え表現をご紹介します。

(1)「ぜひ」「ぜひとも」

“ぜひ”は、強い希望を示す言葉です。話し言葉でも書き言葉でも高い頻度で使われています。“ぜひとも”は“ぜひ”を強調した言い方です。

【例文】

ぜひよろしくお願い申し上げます。

ぜひともお力を貸して頂きたいと思い、ご連絡致しました。

(2)「どうぞ」

相手に強く依頼するときに用います。

【例文】

・今後ともどうぞよろしくお願いします。

(3)「どうか」

“どうか”は、困難であることをある程度承知のうえで強くお願いするときに使います。

【例文】

・ご検討のほど、どうかよろしくお願いいたします。

どうかひとつよろしくお願いします。

(4)「くれぐれも」

“念を入れて”“かえすがえす”の意味。念を入れて頼むときに使われています。
依頼のために使うときには、主に対等の立場の相手や、目下の相手に使います。

【例文】

くれぐれもお忘れなきようお願い申し上げます。

くれぐれもご理解のほどお願い申し上げます。

 

今回は国語講師の吉田裕子さんに“何卒”の使い方を解説していただきました。

依頼するときによく使われる言葉ですので、意味や使い方を覚えておきましょう。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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