圧巻!最新の画業を約1,500点で紹介
null2019年、東京・世田谷文学館を皮切りに全国9会場を巡回した大規模個展が、再び東京へ。
最終会場となる森アーツセンターギャラリーでは、各巡回先で描きおろされた作品や、最新の仕事、未発表の作品など約1,000点が新たに追加。
総作品数約1,500点、見ごたえたっぷりの展示で、ヒグチユウコの現在の画業を余すことなく見ることができます。
ファンの人はもちろん、今回はじめて作品に触れる人も、幅広い活動を一度に見られる貴重な機会を、お見逃しなく!
やみつき!『ギュスターヴくん』ワールド
null2016年に白泉社から刊行された人気絵本『ギュスターヴくん』(今井昌代と共著)。
顔は猫で手はヘビ、足はタコという不思議な生き物と、ワニとのかけあいがユーモラスに描かれ、やがて本の中からたくさんのギュスターヴくんが出てきて……。
壁一面に並ぶ原画のほか、絵本の巻末で共同制作を手がけた、ぬいぐるみ作家・今井昌代のキュートな人形、オリジナルアニメーション上映などで、作品世界の魅力をたっぷりと楽しめます。
ちょっと不気味な可愛さがたまらない『ギュスターヴくん』ワールド、やみつきになってしまいそうです。
大人気絵本の原画で作品世界にどっぷり
null人気絵本作家としても活躍し、『せかいいちのねこ』シリーズ(白泉社)、『ふたりのねこ』(祥伝社)、『すきになったら』(ブロンズ新社)など著書多数。
会場には、これらの絵本の原画が、タイトルごとにズラリと並びます。
本物の猫になって男の子にずっと愛してもらいたいと願う、ぬいぐるみ・ニャンコの物語『せかいいちのねこ』など、ユニークな登場キャラクターたちの心の動きが表現された繊細なタッチに、思わず釘付けに。
親子で楽しむのもおすすめなので、ぜひ時間をたっぷり取ってご覧になってみてください。
癒しポイントは「和×猫」の立体展示
null赤い壁に並んだ絵本原画のコーナーを抜けると、周囲をパッと明るくするような屏風が目に飛び込んできます。あの風神雷神図屏風が2匹の猫で表現されている!?
その先には、ちゃぶ台のある小さな和室が出現し、座布団や掛け軸に描かれているのは、もちろんヒグチユウコ作の猫たちです。
スタイリッシュな作品のほか、ちょっとほっこりするような作品もあり、表現の幅の広さに改めて驚かされます。
こんな部屋に住みたい!お洒落ファブリック
nullヒグチユウコによるオリジナルデザインの布地をあしらった、ランプ、ソファ、チェアなど、インテリア作品にも出会えます。
また、作家の川上未映子と「マームとジプシー」による舞台『みえるわ』のメインビジュアルとなった、2人の少女の絵をプリントしたドレスの展示も。
少女の頃から憧れていたような、ロマンティックな作品に、「こんな部屋に住みたい」「こんな服を着たい」と、うっとり夢見心地になってしまいます。
お洒落すぎる!「GUCCI」とのクリエイション
nullファッションに感度の高い人は、「GUCCI」とのつながりもチェック済みかもしれません。
2018年春夏チルドレンズコレクションへの作品提供に始まり、イタリア・フィレンツェの「GUCCI GARDEN」のウォールアートなどを手がけています。
さらに、本展覧会の開催と、ヒグチユウコとの長年にわたる関係をたたえて、日本限定のカプセルコレクションも発表。
グリーンを基調にした壁紙がひときわシックなコーナーに、ブランドに提供した作品の原画や、キッズ服やバッグなどのアイテムが展示され、「可愛い!」が止まりません。
物販やカフェメニューも見逃せない
null展覧会ショップには、ファン垂涎の展覧会オリジナルグッズが勢ぞろい。
また、会期中は展覧会会場と同じフロアに、ヒグチユウコの世界観で彩られたカフェも登場し、ここだけのスペシャルメニューが味わえます。
空想と現実を織り交ぜ、繊細なタッチで描かれたヒグチユウコの作品は、ひと目見ると独特の世界に引き込まれてしまう、不思議な魅力があります。
原画、立体作品、アニメーションなど多彩な展示内容と、壁面までオリジナルの装飾で彩られたハイセンスな空間で、ヒグチユウコの世界にどっぷり浸ってみてはいかがでしょうか。
【展覧会情報】
展覧会名:ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END
会期:開催中~2023年4月10日(月) ※会期中無休
開館時間:午前10時~午後6時
金・土は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
ホームページ:https://higuchiyuko-circus.jp/
観覧料:一般/大学・専門学校生2,000円、中高生1,600円、小学生600円
※事前予約制(日時指定券)、未就学児(無料)は購入不要。枠に余裕がある場合、会場でも当日券を販売します。
※最新情報は公式HPでご確認ください。
ライター、J.S.A.ワインエキスパート。札幌の編集プロダクションに勤務し、北海道の食・旅・人を取材。夫の転勤で上京後、フリーでライティングや書籍の編集補助に携わる。小学生のころから料理、生活、インテリアの本が好きで、少ない小遣いで「憧れに近づく」ために工夫し、大学では芸術学を専攻。等身大の衣食住をいかに美しく快適に楽しむか、ずっと大切にしてきたテーマを執筆に生かしたいです。小学生のひとり息子は鉄道と歴史の大ファン。