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持ちすぎないからムダがない! 達人に学ぶ「衣替え不要の衣類収納テク」

整理収納コンサルタントとして活躍する奥田明子さんは、片付けのメソッドから誕生した独自の『家事整理』を提案して、働く女性たちの間で話題を呼んでいます。『家事整理』とは、面倒な家事の手間の無駄を減らし、スッキリと整理することで、家事をグンとラクにすること。

今回は、快適に使える「衣類収納」のコツを教えてもらいました。実は奥田さんは、洋服を減らした方がおしゃれにムダなく着こなせるようになったと話します。そのメソッドとは?

洋服を1/3に減らしたら、着たい服&似合う服が見えてきた

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現在、整理収納アドバイザー1級の資格を持つ奥田さんですが、以前はアパレルショップに勤務していたファッション通。洋服が大好きで、多い時は300着くらい持っており、クローゼットはパンパンだったそう。

「昔はアパレル店員だったこともあり、ファッションが好きで洋服がどんどん増えてしまい、クローゼットはいつもいっぱいでした。気に入るとすぐに買ってしまううえ、OL時代のスーツなども捨てられず、クローゼットの中で眠っている服がたくさんあったんです。

ある時、同じようなデザインのグレーや黒のVネックのトップスばかり買っていて……たくさんあるのに、私のクローゼットには着たい服がない!ということに気付きました」

さらに、服が多い分、いざ着たい時にどこに何があるか分からないということもしばしば。衣替えも手間なうえ、クローゼットの前に立ってもワクワクせず、ストレスを感じている自分に気付いたそうです。

「クローゼットの中は季節ごとに衣替えをして、スマートに循環できればいいのですが、私はそれも面倒で……。着ていない服で場所を取っていることに気付き、思い切って減らすことを考えました」

そうして、奥田さんの思い切ったクローゼット改革が始まりました。それでは、その方法を早速見てみましょう!

テク1:今着る服、季節外の服を左右で分けて衣替え不要に!

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300着あっても着たい服がないことに気付いたという奥田さん。着ない服は思い切って処分し、今では85着を上手に着まわしています。

「女性は年齢を重ねると、似合う服も変わってきます。私はふわふわ可愛らしいシルエットの服よりも、白やストライプのシャツに紺のパンツなど、シャープな服の方がしっくりくる。いいなと思って買ったけど、結局、似合わなくて着ない服は思い切って手放して、自分がよく着る似合う服だけを選んで残しました。

一言で白いシャツと言っても、その年の流行のデザインや色、素材は微妙に変わります。そういったベーシックな服は何枚か持っていてもいい。その方が、服に対しての満足度が上がったような気がします」

奥田さんは「忙しい女性ほど、服の整理をした方がいい」と話します。

「枚数が減り、本当に自分に似合う服しか残らないので、コーディネートに悩む時間が少なくなります。私は毎日、どれを着ようかと頭を悩ませる時間が減りました。でも、おしゃれの楽しみはそのまま! むしろ、自分のスタイルを確立して、自信を持って好きな服を心地よく着られるようになった気がします。

今は衣替えもしておらず、クローゼットの中は夏から冬まで全部一緒。取り出しやすいクローゼットの左側にその季節によく着る服を掛けておき、右側には季節外の服を掛けてあります。季節が変わったら、この場所をチェンジするだけ。これで充分なんですよ」

テク2:着た服を手前に入れる習慣で、着ない服を視覚化する

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また、奥田さんの衣装ケースには、着る服と着ない服を自動で選別できるルールがありました。

「着た服は衣装ケースの手前に置くことを習慣にしています。こうすると、自然と着ない服は後ろへ追いやられ、前に出てくることが少なくなるんです。たとえば、私の衣装ケースでは、赤いカーディガンがいつも後ろにあります。つまり、これは私が普段ほとんど着ていない服。実際、あまり似合わなかったんですね(笑)。こうすると、自動で視覚化できて、自分が着ない服が自然と分かるんです」

あまり着ないようだったら、メルカリに出品したり、誰かに差し上げたり、手放すことも大切。着ないのに持ち続けているよりもスペースを空けて、代わりに新しい服を呼び込んだ方が堅実ですね。

テク3:衣装ケースは引き出しが浅いものを選ぶべき

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奥田さんが使用しているのは、『無印良品』の『ポリプロピレン衣装ケース』(約幅40×奥行65×高さ24cm)。実は、引き出しの高さにこだわりがあるそう。

「深い方がたくさん入る気がするので、つい買ってしまいがちですが、衣装ケースは絶対に浅い方がおすすめ。我が家は、高さ約24cmの物を使っています。ちなみに、下着や薄いTシャツには、高さ約18cmがおすすめです。

引き出しが深いと、衣類を横に重ねて収納しがちです。そうすると、服が積み重なって、下にある服はほとんど見えませんよね。これだと、どこに何があるのか分からなくなって、結局着ない服が増えてしまうんです」

確かに記者も深い引き出しの衣装ケースを買ってしまい、底の方にある服は、もはや着ていない状態……。浅い引き出しにすれば良かったんですね!

テク4:丸めて畳むと時短できる&すぐ見つかる!

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奥田さんは、ストールは丸めて畳んで、立てて収納しています。

「こうすると畳むのがラクなので時短できます。さらに、服に厚みが出るので衣装ケースの引き出しに立てて収納できるんです。上から見た時に、どこに何があるか一目で分かるので、着たい時にすぐ見つかります」

以上が奥田さんの衣替え不要の衣類収納テクでした。

せっかくおしゃれを楽しみたいのに、忙しいと洋服選びで頭を悩ます時間もストレスになってしまうこと、ありますよね。そんな時は、一度思い切ってクローゼットの中から見直すことが必要かもしれません。

クローゼットを客観的に見直すことで、本当に必要な服が見えてくる。奥田さんのようにワードローブを減らすことで、もっとおしゃれが楽しく、自分らしく心地よいものになるはずです。夏を迎える前に、ぜひ試してみませんか?

整理収納コンサルタント・奥田明子さん

奥田明子・・・整理収納アドバイザー。家事整理コンサルタント。片付けがうまくできないという自身の悩みから、2012年6月に整理収納アドバイザー2級講座を受け、モノの整理の大切さを知る。2017年春より片付けのメソッドから研究した独自の『家事整理』を発案し、講座をスタート。現在は神奈川県を中心に片付けサポートや講座を開催している。ホームページ『カナエルクラシ』、公式メルマガ『働く40代女性のための片付けと家事整理でつくる私が主役の暮らし』、Instagram@oku_akiなどでアイディアを発信中。

取材・文/岸綾香

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