「ごま油」で臭みが和らぎ、食欲もアップ!
null今年は例年以上の酷暑で、とにかく暑い日が続きました。残暑も長引き、夏の疲れが溜まって、みなさんお疲れ気味の頃だと思います。そんな時におすすめなのが、今回紹介する「戻り鰹のごま油漬け」。
「鰹は疲労回復に効果的なビタミンB群や、貧血予防に役立つ鉄分が豊富で、夏バテ気味の時におすすめ。ちょうどこれからは脂ののった“戻り鰹”の季節なので、ぜひ積極的に食べて欲しい食材です。
と、言いながら……実は私は、鰹の臭みが気になり、生で食べるのが苦手でした。でも、ごま油で漬けてみたところ、鰹特有の臭みが和らぎ、ニオイを気にせず、美味しく食べられるように! 今回は甘酢風味の味付けで、よりさっぱりと味わえますよ」(以下「」内、沼津さん)
鰹といえばポン酢のイメージが強く、食べ方もマンネリしがちですよね。ごま油で漬けるとは新鮮です。早速、作り方をチェックしてみましょう。
【材料】(作りやすい分量)
戻り鰹(刺身用)・・・1柵(250〜300g)
※血合いが黒く変色している場合は取り除く
ごま油(焼く用)・・・小さじ1/2
大葉・・・適量
白髪ねぎ・・・適量
白いりごま・・・適量
[漬けだれ]
ごま油(漬ける用)・・・大さじ1
酢・・・大さじ1
しょうゆ・・・大さじ1
きび砂糖・・・小さじ1
しょうが(千切り)・・・2片分
【作り方】
(1)鰹の水分を拭く

鰹の水分をペーパーなどでしっかり拭きます。
「このひと手間で臭みが出にくくなります。今回はごま油で漬けるので、事前に塩締めする必要もありません。
ちなみに、血合いは栄養豊富ですが、臭みが出やすい部分でもあるので、黒く変色している場合は取り除くとよいでしょう。加えて、鰹を買うときは、全体にツヤがあり、身がしっかりしているもの、断面が鮮やかな赤色をしていて、ドリップがあまり出ていないものを選んでください」
(2)鰹を焼く

フライパンにごま油(小さじ1/2)を熱し、鰹の表面全体を強火で1〜2分焼きます。
「強火で焼くのがポイントです。表面を強火で一気に焼いて、旨味をギュッと閉じ込めます。血合いが気になる人は、
(3)鰹を切る

焼いた鰹の粗熱が取れたら、1cm幅に切ります。
「押して切ると鰹が割れやすいので、最初に軽く切り込みを入れ、包丁を大きく動かして引きながら切るときれいに切れますよ」
(4)漬けだれを作る

平らなバットに漬けだれを作ります。ごま油(大さじ1)、酢(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1)、きび砂糖(小さじ1)、千切りにしたしょうが(2片分)をたっぷり入れ、全体がなじむように混ぜ合わせます。
(5)鰹を漬ける

漬けだれに切った鰹を入れ、全体に味をなじませます。
「鰹の断面を下にすると早く味が染みます。しょうがをのせたり、上下を返したりして、全体をよくなじませてください」
(6)冷蔵庫で30分以上置く

冷蔵庫に入れ、30分以上置きましょう。
(7)できあがり!

鰹を器に盛り、千切りにした大葉と白髪ねぎをたっぷりのせて、仕上げに白いりごまを振ったら完成です。冷蔵で2日を目安に、早めに食べ切りましょう。
口に運ぶと、ごま油がふわっと香る甘酢風味でさっぱり! 確かに鰹特有の臭みがまったく気になりません。しょうがも入っているので、まろやかなごま油の風味をキリッと引き締め、好みの薬味をどっさりのせて食べると最高! ボリューム満点で、メインのごちそうにもなる一皿です。
「今回は脂ののった戻り鰹を使いましたが、春の初鰹はもちろん、まぐろやサーモン、鯛など、他の魚で作っても美味しいです。
食欲が落ちている時は、どんぶりにして、一緒にすりおろした長芋や卵黄をのせると、ツルツルッと食べられて栄養も満点ですよ!」
編集部でもリピートするスタッフが多く、さっぱりめのメジマグロで作っても美味だったという嬉しい報告も。甘酢風味で食べやすく、ごはんにも合う味付けなので、家族に魚を食べてもらうのにもおすすめの一品です。
とにかく暑かった今年の夏。夏の疲労回復に、旬の鰹は栄養満点で最適です。ぜひ、ごま油の力を借りて、美味しくパワーチャージしてみてください。
取材・文/岸綾香
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kufuraの連載でおなじみ、大ヒットレシピを連発している沼津りえさんの人気シリーズが書籍化しました! テーマはなんと“ごま油”! 忙しいkufura世代にこそ届けたい、ごま油があればいつもの“家ごはん”がもっと美味しく、ラクになる。そんな沼津さんの想いが詰まった一冊です。

『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』
著/沼津りえ 1,650円(税込)小学館
料理研究家・管理栄養士の沼津りえさんによる“ごま油で「いつものごはん」をもっと楽に、もっと美味しく”するレシピ集。パパッと作れる小鉢、メインになる肉や魚のおかずからごはんや麺まで、全98レシピを掲載。

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」