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無限に食べられる!さっぱり「白菜のレモンマリネ」はお店でも人気の付け合わせ【プロが教えるおうちイタリアン#29】

東京都千駄ヶ谷にある隠れ家的イタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ・小野宗隆さんに、おうちで楽しめるビストロ料理を教えてもらう連載企画。

今回は冬野菜の定番「白菜」を使った、お店で人気の付け合わせを紹介します。使う食材は白菜とレモンのみ! オリーブオイルも使用せず、塩とこしょうだけでシンプルにマリネするので、洋食はもちろん、和食にもぴったり。お店でも大人気の箸休めです。

白菜、レモン、塩、こしょうだけの絶品マリネ

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冬になると、小野さんのお店『Bistro Coco 路地裏』では、ランチプレートに添えられるおなじみの付け合わせがあります。それが今回紹介する「白菜のレモンマリネ」。

お肉やパスタがのったランチプレートにそっと添えてあるこのレモン風味の白菜が、食事の合間につまむと、口の中をさっぱりとリセットしてくれて……何とも絶妙な名脇役。思わず、小野さんに作り方を聞いたことがあります。

返ってきた答えは、「味付けはレモン、塩、こしょうだけだよ」という衝撃の事実!

「冬の定番で、お店では白菜を1/2株使ってまとめて仕込みます。オリーブオイルは使わずにレモン汁と塩、こしょうでマリネするだけ。漬け物のようにギュウギュウ押して白菜の繊維を壊さないので、シャキシャキした食感を楽しめるんです。さっぱり食べられると、お店でも好評の付け合わせなんですよ」(以下「」内、小野さん)

そうか、漬けるのではなく、マリネするからシャキッとみずみずしいままなんですね。ぜひ作り方を詳しく知りたいです!

【材料】(作りやすい分量)

白菜・・・1/4株(500g)

塩・・・大さじ1

こしょう・・・少々

レモンの皮・・・1個分

レモン汁・・・2個分

【作り方】

(1)白菜を切る

白菜は芯(葉の付け根の硬い部分)を切り落とし、一番外側の硬そうな葉は取り除きます。

「白菜は内側の葉は小さくて、外側にいくほど大きくなるので、大まかに中心部、真ん中、外側の3つに分けてから切り始めるとスムーズです」

白菜の中心部は2cm長さのざく切りに、真ん中の葉は縦半分に切ってから2cm長さのざく切りに、外側の葉は縦3等分に切ってから2cm長さのざく切りにします。これで大体、大きさが揃いました。

(2)1回目の味付けをする

均等に混ざるよう2回に分けて味付けをします。塩大さじ1の半量とこしょうを全体に振ります。レモンの皮を半量(1/2個分)すりおろして入れ、一度全体を混ぜ合わせます。この時、白菜を揉み込んだりせずに、ボウルを振るなどして全体が混ざればOKです。

「レモンの皮を加えると、香りがとても華やかになります。レモンは皮ごと使うので国産品がおすすめです。海外品を使う場合は、しっかりワックスを落としてから使ってください」

(3)2回目の味付けをする

残りの塩(大さじ1の半量)とこしょうを全体に振り、残りのレモン(1/2個分)の皮をすりおろして入れます。

(4)レモン汁を入れる

レモンを搾り、種を取り除いて、(3)の白菜にかけ、全体を混ぜ合わせます。この時も揉み込んだりせずに、ボウルを振るなどして全体が混ざればOKです。

「レモンは1個分だと果汁が足りないので、2個分使ってください。オリーブオイルは使わず、レモン果汁のみで仕上げるので、シャキシャキした食感を楽しめるサラダピクルス風になりますよ」

(5)冷蔵庫で30分以上置く

冷蔵庫で30分以上置くと、全体に味がなじみ、白菜がしんなりして半量くらいになります。

(6)できあがり!

器に盛り付けたら完成です。冷蔵で1週間ほど保存できるので、それを目安に食べ切ってください。

早速食べてみると、そうそうこの味! 驚くほどさわやかなんです。白菜はシャキシャキとみずみずしく、レモンのキリッと爽快な香りとフレッシュな酸味が口いっぱいに広がります。この日はちょうどローストビーフも撮影したので、一緒に食べたら箸休めに最高! 口の中をさっぱり洗い流してくれるので、お肉と相性抜群でした。

「白菜は漬け物で食べる人が多いので、レモンと組み合わせるのは新鮮ですよね。お店でも冬に人気の一品です。もちろん市販のレモン果汁でも作れますが、シンプルだからこそ、そこはちょっとこだわってもらって、フレッシュな生のレモンを使った方が美味しく仕上がりますよ。国産レモンの旬は冬なので、ぜひ生のレモンで作ってみてください」

スーパーで国産レモンを見つけたので、早速作ってみたところ、とっても簡単で、白菜の大量消費にもぴったり! 我が家では、食事の時に小皿に盛って出しておくと、気付くとあっという間になくなっています。レモンの酸味でリセットできるので、ちょっとした箸休めに最適なんですよね。

さらにブリのお刺身に絡めて食べてみたところ、キリッとしたレモンの酸味と相性抜群で、濃厚なブリの脂がさっぱり! 冬が旬のブリとのコラボ、最高でした。

白菜もレモンも美味しい季節、ぜひ試してみてくださいね。

取材・文/岸綾香

小野宗隆
小野宗隆

東京都千駄ヶ谷にあるイタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。提携農家の産直有機野菜や無農薬野菜、地元から直送される父親が釣り上げた魚介類、鹿や熊のジビエなど、鮮度のよい食材にこだわる。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの料理動画『プロが教える本格パスタレシピ』も大人気。

 

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