甘酢でさっぱり!夏の疲れた身体にサラリと染み込む
null今回は、沼津さんが夏によく作るという「きゅうりの甘酢だれ」を教えてもらいました。初めて聞いた時は、「え? きゅうりをすりおろすの!?」とビックリ。大根や山芋はすりおろすけど……きゅうりって珍しいですよね!
「私はなんでもすりおろしてドレッシングを作るのが大好き。特ににんじんはよくすりおろして、にんじんドレッシングにしています。そのような感じで、きゅうりをすりおろしてもおいしいかも!と閃いたんです(笑)
野菜をすりおろすと栄養をそのまま摂れるうえ、すりおろしてあるから生でもサラサラっと食べやすく、繊維を壊しているので消化にもヨシ。小さなお子さんはきゅうりは硬くて噛まずに飲み込んでしまうこともありますが、すりおろせば安心ですね。
きゅうりをすりおろして、炭酸で割って“きゅうりソーダ”にしても美味! きゅうりには利尿作用があるので、夏のむくみを解消したい時にもおすすめです。さらに酢が入っているので、疲労回復効果も。夏の疲れた身体にぴったりなんですよ」(以下「」内、沼津さん)
おいしいだけでなく健康的で、沼津さんならではのアイディアがギュッと詰まった新感覚の一品。早速、作り方をチェックしてみましょう!
【材料】(作りやすい分量)
きゅうり・・・2本
酢・・・大さじ2
きび砂糖・・・大さじ1
塩・・・小さじ1/2
かつお節・・・2つまみ
【作り方】
(1)きゅうりをすりおろす
きゅうりは両端を切り落とし、おろし器ですりおろします。すりおろしたら保存瓶に入れてください。
「きゅうりを鉛筆のように持って、円を描くようにすりおろします。少し折れても気にしない! 折れたかけらの食感もいいアクセントになるんです」
(2)調味料で味付けする
おろし器に酢を入れ、きゅうりを洗い流しながら、保存瓶に入れます。こうすると、おろし器についたきゅうりも無駄なく使えます。きび砂糖(普通の砂糖でもOK)、塩、かつお節は、そのまま保存瓶にどんどん入れてください。
「酢と砂糖の比率は2:1。今回はきび砂糖でまろやかに仕上げます。さらに、かつお節を少し加えると、旨味が利いて味がグッと引き締まるんです。漬け込んでいる間にかつおの旨味が染み出て、おいしい甘酢になりますよ」
(3)冷蔵庫で30分置く
冷蔵庫で30分置いて、味を馴染ませます。
(4)できあがり!
よく混ぜたら、きゅうりの甘酢だれの完成です。冷蔵で2〜3日保存できます。
「この緑がきれいでしょ。ぜひ、これをつけて食べてみて!」と、キュッと氷で冷えたそうめんを一緒に出してくれた沼津さん。鮮やかな緑のたれと白いそうめん、目にも涼やかです。
ツルツルッとひと口食べてみると、きゅうりの青くささが全然なくてビックリ! 野菜100%のたれだから身体に優しく、スーッと染み込んでいきます。もっときゅうり特有の瓜っぽさがあるかと思いきや、甘酢がしっかり利いてさっぱり。そうめんがどんどん進み、さわやかだけど食べ応えも満点。このたれ、他にもいろいろ使えそう!
「甘酢だれにみょうがや青じそ、ごまなどの薬味をどっさり入れて食べてもおいしいですよ。あとはお肉と相性抜群! 焼いた豚肉や鶏の唐揚げにかければ甘酢でさっぱりした南蛮風に。餃子に添えても合うんです。片栗粉をまぶしてゆでたプルプルの水晶鶏にかけると目にも涼やかで絶品ですよ」
早速試してみると、きゅうりは大根よりもやわらかく、山芋のようにぬるぬるしないので、すりおろすのがラク! おろすと清々しい青い夏の香りが広がりました。ちょっと折れたかけらもおいしいので、短くなった最後はわざと大きめに残して食感をプラス。我が家では冷奴や味付けされていない洗いもずくにかけて、普段はしょうゆやポン酢で味がマンネリしがちな副菜を格上げしています。
きゅうりをポリポリたくさん食べるのは大変ですが、これだとスルスルッと身体に染み込んでいくので、夏の疲れた身体を癒してくれること間違いなし。きゅうりの大量消費にもおすすめです。ぜひ新感覚の夏の味わいを楽しんでみてくださいね。
取材・文/岸綾香
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」