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夏の「浴衣」おうちで洗うには?洗濯機&手洗いから干し方のコツまで全解説【プロが教える洗濯講座】

お洗濯の専門家であるライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんに、日々の暮らしをラクにする、知って得する洗濯のコツを教えてもらう連載企画。

みなさんは夏祭りや花火大会で着た「浴衣」をどのように洗っていますか? 特に猛暑日が続く今夏は、汗をたっぷり吸ってそう……。大事な浴衣はさっぱり清潔にして、保管しておきたいですよね。

浴衣によってはクリーニング店に相談した方がよいものもありますが、洗濯表示を確認するとおうちで手軽に洗うことができる場合も。そこで、プロの技を参考に、洗濯機&手洗い、両方の方法を紹介します。ご自身で判断のうえ、ぜひ、今年はおうち洗いに挑戦を!

浴衣を「洗濯機」で洗う場合

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(1)洗濯表示をチェック

まずは洗濯表示を確認して、洗濯機で洗えるのか、または手洗いできるのか、必ずチェックしてください。表示の裏などに記された注意書きも確認しましょう。

「最近の浴衣は、家庭で洗える素材のものも増えています。ぜひ洗濯表示を見て、家で洗えるかどうか確認してみましょう」(以下「」内、大貫さん)

洗濯表示の詳しい説明については、こちらの記事も参考にしてください。

(2)浴衣を畳む

洗う前に浴衣を畳みます。両袖を合わせて縦半分に折り、袖を内側に折ります。さらに、洗濯ネットの大きさに合わせて、蛇腹状に3〜4回折りましょう。

「浴衣を洗う時は、この折り方がおすすめです。蛇腹に折り畳むことで水が通りやすく、汚れが落ちやすくなります。

もし、浴衣の襟などが汗や皮脂で汚れている場合は、おしゃれ着用洗剤を塗布して、スポンジの柔らかい方で軽く叩き、前処理しておくといいですね。その場合、洗濯機に入れる洗剤の量は、塗布した分を差し引いて入れてください」

(3)洗濯ネットに入れる

ジャストサイズの洗濯ネットに入れます。

「洗濯ネットが大きすぎると、中でよれたり、動いたりして、型崩れする可能性があるため、浴衣を畳んだ時の大きさに合った洗濯ネットを選ぶのがポイントです」

(4)弱水流コースで洗う

洗濯機に入れ、弱水流コースを選び、おしゃれ着用洗剤で洗います。

「洗濯機のコースは弱水流コースを選んでください。“おうちクリーニングコース”、“手洗いコース”、“ドライコース”など、機種によってコースの名前は異なるので、洗濯機の説明書を読んで事前に確認を。

洗剤は通常の衣料用洗剤ではなく、型崩れや色あせ防止効果のある“おしゃれ着用洗剤”がおすすめです。洗濯じわを防ぎたい人は、併せて柔軟剤を使用するのもおすすめです」

洗濯機で洗い終わったら、これで洗濯完了です。洗濯機を使えば、意外と簡単ですね! 浴衣の干し方は最後に紹介します。

浴衣を「手洗い」する場合

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(1)洗濯表示をチェック

洗濯表示を確認して、手洗い専用マークがついている場合は、手洗いします。

「自分で仕立てた浴衣など、洗濯表示がついていない場合もあります。その際は手洗いが安心です」

筆者も祖母が手作りした浴衣がありますが、やはり洗濯表示がないので、洗濯機で洗える生地かどうか不明です。こういった浴衣を持っている人も多いと思うので、その際は洗濯機ではなく、手洗いを選択してください。

(2)浴衣を畳む

洗濯機で洗う時と同様に、浴衣を畳みます。両袖を合わせて縦半分に折り、袖を内側に折るまでは同じでOK。手洗いの場合は、洗濯桶の大きさに合わせて、蛇腹状に4回ほど折りましょう。

(3)洗剤液を作る

水4Lに対して、おしゃれ着用洗剤10mlを目安に洗剤液を作ります。洗剤液を入れたら、軽く混ぜて溶かしてください。

「手洗い専用の浴衣の場合、生地を傷めないよう、おしゃれ着用洗剤を使いましょう」

(4)浴衣の四隅を10回ほど押し洗いする

浴衣を洗剤液に浸け、浴衣の四隅をひとつずつ順番に10回ほど押し洗いしてください。1つの角が終わったら90°回転させて、四隅すべて洗います。仕上げに浴衣の中央を10回ほど押し洗いしたらOKです。

「生地に洗濯液をしっかり通すイメージで、押しながら洗ってください」

洗い終わったら端から丸めて押しながら絞ります。ねじって絞るとしわになりやすいので、押して絞るのがポイントです。

(5)きれいな水で2回すすぐ

洗剤液を捨ててきれいな水に替え、洗う時と同様の手順ですすいでください。さらにもう1度きれいな水に替えて、計2回すすぎます。

すすぎ終わったら浴衣を端から丸めて押しながら絞ります。

(6)タオルで挟み、脱水する

タオルの上に浴衣を置き、そのまま挟んで畳み、タオルにしっかり水を吸わせて脱水します。

これで手洗い完了です!

ハンガーを3本使うとコンパクトに干せる!

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洗濯した浴衣は、日光に当てると色あせする場合があるので、早めに部屋干しか陰干しに。

物干し竿や着物用ハンガーにかけて吊るして干せるとよいのですが、この方法は場所をとって意外と大変……。干すスペースがあまりない場合は、手でしっかりとしわを伸ばして形を整え、図のようにハンガー3本に袖や裾をかけると、コンパクトに干すことができます。

大切な浴衣はお手入れが肝心。着るのは夏が中心なので、汗をかきやすい季節でもあります。おうちで手軽に洗えるとありがたいですよね。大人だけでなく、夏祭りなどで着た子どもの浴衣を洗う機会も増えると思いますが、洗い方は同様です。ぜひ、さっぱりきれいに洗って、日本の夏を楽しみましょう!

 

取材・文/岸綾香

大貫和泉
大貫和泉

20年以上、洗濯用洗剤などの製品開発、調査に携わり、そこで得た豊富な経験や知識を生かし、『ライオン株式会社』のお洗濯マイスターとして各メディアなどで活躍。主婦や母親の立場から、女性ならではの目線で日々の洗濯に役立つ情報を伝えている。

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