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「ベタぼめ筑前煮」煮崩れず、こっくりとした味わい!【料理研究家・松田美智子のおいしさの理(ことわり)】#3

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素材の持ち味を生かして栄養バランス抜群。「料理は化学」と、理(ことわり)に適ったスタイリッシュなお料理が人気の料理研究家・松田美智子さんが、今こそおさらいしておきたい家庭の定番料理をシリーズでナビゲートします。

第3回は「ベタぼめ筑前煮」です。「筑前煮」は福岡県筑前地方をルーツとし、お正月には欠かせない“煮しめ”の仲間です。煮しめと違うのは、鶏もも肉が入ることと具材を油で炒めてから煮ること。今回は、しっかりと味がしみているのに見た目はすっきり上品、家族の食卓でもおもてなしでも「さすが!」とほめられること間違いなしの「筑前煮」をご紹介します。松田さんの“理に適った下ごしらえ”のワザを見ながら、ぜひ一緒に作ってみてください。

干ししいたけは水で戻さない。里いもは天日干しを

筑前煮の基本具材は、にんじん、ごぼう、こんにゃく、干ししいたけ、里いも、そして鶏もも肉。さらに松田さんは、大好きなれんこんも追加。ごま油で香りを出し、水、砂糖、酒、しょうゆだけでシンプルに煮ていくのが松田さん流の“筑前煮”です。

「煮ものといえど、滋味深い根菜をしっかり噛んで味わいたいんですね。とくに、大好きなごぼうとれんこんはその歯ごたえを楽しみたいですし、こんにゃくは噛んだときに、食材の旨味が積み重なってしみ込んでないとダメ。気がついたら鍋底で里いもが煮崩れているなんてこともないようにしましょう」(松田さん)

そのためには下ごしらえを丁寧にぬかりなく、調味料の扱いを慎重に。具材に火を入れる順番も大事です。

「ぜひお試しいただきたいのは、干ししいたけはあえて水につけずにお鍋の中で旨みをじわじわと引き出すこと。そして里いもは、ぬめりが旨味の素ですから、ゆでこぼしてはもったいない。天日で干して旨みをギュッと封じ込めておきます。これだけでも仕上がりの姿、味が断然違ってきます」

目に麗しく、口の中でこっくり美味な筑前煮。さあ、動画を見ながら、松田さんと一緒に作っていきましょう!

煮崩れやすい里いも、にんじんは最後にIN。しょうゆドバドバは厳禁!味見をこまめに

【材料】(2人分)

干ししいたけ 2個

こんにゃく 1/2枚 

里いも (小さめ)2〜3個

れんこん (小)1節

にんじん 4cm長さ

ごぼう 20cm長さ

鶏もも肉 1/2枚

絹さや 3〜4枚

ごま油 大さじ1と1/2

しょうがのせん切り 大さじ1/2

塩 適量(こんにゃくの下ごしらえ用)

水 適量

(調味料)

三温糖 大さじ1強

酒 大さじ3

しょうゆ 大さじ1と1/2

 

【作り方】

こんにゃくは塩でよくもみ、たっぷりの水でゆで始める。沸騰したら中火にし、20分ほどゆでて水分を抜く。干ししいたけは霧吹きで水をまんべんなくかけて10〜15分おく。

鶏もも肉は皮と除き、包丁で脂を削ぎ取る。細かい脂や筋は包丁を鉛筆持ちして、ひっかくようにして丁寧に取り除く。硬い肉こぶは下包丁を入れて観音開きにして、ひと口大のそぎ切りにする。

ごぼうは流水の下でスポンジでこすり洗いし、皮つきのまま扱いやすい長さに切リ分ける。縦半分に2等分し、乱切りにする。れんこん、にんじんはピーラーで薄く皮をむき、それぞれ縦に4等分してから乱切りに。にんじんはれんこんよりも少し小さめに切る。

湿らせておいた干ししいたけは石突きを落として半分に切る。石突きはだしとして使うので取っておく。多めに湿らせて、唐揚げにすると最高のおつまみに!

里いもは、料理の前日によく洗って汚れとひげを除き、天日で乾燥させておく。この状態でキッチンペーパーに包んで冷蔵庫に入れると、日持ちがよくなる。包丁で平たい方(おしり)から縦に皮を丁寧に剥き、れんこんよりやや大きめの乱切りにする。

ゆでて水を切ったこんにゃくは、味がしみやすいようにスプーンでちぎり、面を多く作る。土鍋やホーローなど厚手の鍋を熱し、こんにゃくを加え、キュンキュンと鳴くまでから煎りし、さらに水分を飛ばす。

ごま油、しょうがを加えて香りを立てる。鶏肉を加えて色が変わるまで炒め、ごぼうを入れてざっと混ぜ、れんこんを入れる。三温糖、酒、ひたひたの水、そして干ししいたけと、石突きを加える。強火で蓋をせずに沸騰するまで煮る。

アクと脂が出てきたら丁寧に取り除く。里いもを入れ、厚手のキッチンペーパーで紙蓋をして、全体に味をなじませる。弱火に落とし味をみて、甘みが足りないようなら三温糖を足す。10分ほど煮たら紙蓋を取り、再度味をみる。

にんじんを入れ、しょうゆを半量ほど加えて再度味をみて火を切る。

天地を落とし、斜め鋭角に切った絹さやをラップに包んでにんじんの上に置き、1〜2分おいてラップを開き、鍋のふつふつがおさまったら、ラップごと絹さやを取り出す。

味がしみこむように粗熱が飛ぶまで待ち、再度紙蓋をかけて中火で煮る。最後に残りのしょうゆで風味づけしてできあがり。

器には里いもから盛りつけ、最後に絹さやを散らして完成。

まつだみちこ◎1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。http://www.m-cooking.com/

【松田美智子さんのレシピはこちらからも】

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