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【厚揚げのナンプラー煮】ツナ+プチトマトで子どもにも好評!冷めてもおいしいボリュームおかず…料理研究家・松田美智子の旅するごはん#3

丁寧な下ごしらえと理にかなったレシピ。センスのよい家庭料理が人気の松田美智子さんが、旅の途中で出合った一皿に松田流アレンジを加えて提案する【松田美智子の旅するごはん】シリーズ。

食材のうまみ・栄養を最大限に引き出すシンプルレシピ、第3回目はナンプラーでちょっとエスニック風に仕上げた「厚揚げのナンプラー煮」を紹介します。厚揚げとタッグを組むツナのうまみが厚揚げを引き立て、プチトマトの酸味でさっぱりとした口当たりに。最後にナンプラーを加えることでうまみ&香りが増幅。冷めてもおいしい絶品おかずです。

たんぱく質の競演で栄養満点!ツナの代わりに豚こま肉を使っても

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「厚揚げのナンプラー煮」は、厚揚げ(豆腐)、ツナ、チキンスープ……と、ヘルシーなたんぱく質をたっぷり摂れるのがうれしいところ。砂糖(松田さんは三温糖を使用)の甘みとナンプラーのコクのある塩味で、子どもたちにも食べやすい味つけになっています。

「髙たんぱく・低カロリーなので、ダイエット中のかたにもおすすめです。今回は厚揚げを2枚使いましたが、ナンプラーの香りと、口の中でじゅわっとあふれるうまみで、ペロッと食べられちゃうはず。ツナのかわりに豚こま肉を小口に切って使ってもおいしいです。手間のかかる下ごしらえはなく、鍋で具材と調味料を合わせてサッと煮るだけのとても簡単なお料理ですので、ぜひ作ってみてくださいね」(松田さん・以下「」内同)

「厚揚げのナンプラー煮」の作り方

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【材料】作りやすい量

厚揚げ・・・2枚
プチトマト・・・10個
ツナ缶・・・1/2カップ
貝割れ大根・・・適量
にんにくのみじん切り・・・小さじ1
長ねぎのみじん切り・・・1/4本分
ごま油・・・大さじ1

(煮汁)
砂糖・・・小さじ1
チキンスープ・・・1と1/2カップ
酒・・・大さじ2
ナンプラー・・・大さじ1

【作り方】

(1)プチトマトを切る

プチトマトはヘタを落とし、4等分に切る。このとき、芯のところに包丁を入れて切ると潰れにくく、きれいに切れる。

(2)厚揚げを焼く

中火で熱したフライパンに厚揚げを並べ入れて焼く。こんがり焼き色がつく程度に、片面3〜4分ずつ両面を焼き、約1cm幅に切る。

「こうすることで余分な油が落ち、煮汁がしみやすくなります。焦がさないように気をつけてください。また、切り方は幅さえ揃っていれば、形や大きさは気にしなくても大丈夫。小さなお子さんが食べやすいよう、ひと口大に切ってもいいですね」

(3)にんにく、長ねぎのみじん切りをごま油で炒め、ツナ、プチトマトを加えてさらに 炒める。

鍋にごま油とにんにくのみじん切りを合わせ、よく馴染ませてから中火にかける。にんにくの香りが立ったら長ねぎのみじん切りを加え、手早く炒める。ツナとプチトマトを加えてさっと炒めたら、一旦火を切る。

「にんにくは焦げやすいので、鍋を火にかける前にごま油とよく合わせておくほうが失敗がありません。ごま油がフツフツとしてきたら長ねぎを加え、さっと炒めて香り引き出しましょう。長ねぎも焦げつきやすいので、ツナとトマトをひと炒めしたら、一旦火を切って、次の作業に移るほうが安心です」

(4)砂糖とチキンスープを入れてふたたび中火にかけ、厚揚げ、酒を加える

一度味をみて、甘みが足りないようなら砂糖を少量加える。松田さん的には、「甘いかな?甘くないかな?ぐらいがちょうどいい」とか。

「調味料を入れる順番は、『さ(砂糖)→し(塩)→す(酢)→せ(しょうゆ)→そ(みそ・酒・みりん)』が基本です。これは調味料の特性や食材への浸透性などを考慮した料理の“化学”。だから、分子が大きく具材に浸透しにくい砂糖を先に入れ、風味が飛びやすいみそや酒、みりんは最後に入れるわけです。ぜひ覚えておいてくださいね」

(5)鍋中がフツフツとしてきたら弱火にし、蓋をして5分ほど煮てナンプラーを加える

5分ほど煮たら味見をしてからナンプラーを加え、ふたたび味をみて必要ならナンプラーを足す。

「この時点で、煮汁が1/4ほど減っているかと思います。ただ、煮込む過程で厚揚げから水分が結構出ていますし、煮汁がちょっとしょっぱいかな……ぐらいが、実際に厚揚げを口に入れたときにはいい塩梅かと思います。私は今回、さらにナンプラーを大さじ1加えましたが、ご自身、あるいはご家族の味覚に合わせて調整してください」

(5)器に盛って煮汁をたっぷりかけ、根を切った貝割れ大根をあしらってできあがり!

「水溶き片栗粉で煮汁にとろみをつけ、あんかけ風にするのもおすすめです。ツナがよい具合にあんに絡まって、おいしくいただけますよ」

 

取材・文/神史子

松田美智子
松田美智子

1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。近著に『65歳からの食事革命』(文化出版局)などがある。http://www.m-cooking.com/

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