でんぷん質の多い男爵いもを使うと、衣がよく絡んで焼きやすい
nullじゃがいもには男爵いもとメークインがありますが、今回はでんぷん質が多く含まれ、加熱するとホクホクになる男爵いもを使用します。
「皮をむいて切ったあと、通常はでんぷんを抜くために水にさらすのですが、このチヂミでは、衣とよく絡むようにあえて水にさらさずに使います。また、チヂミは具材を衣と混ぜて平たく焼くのが一般的なのですが、今回はじゃがいもの食感を立たせたいので、あえて棒状に切ります。じゃがいもがポキポキ折れないよう、必ず繊維に沿って縦に切ってくださいね」(松田さん・以下「」同)
コチュジャンにレモン汁とナンプラーをプラス。韓国唐辛子で好みの辛さに
前回の「牡蠣のピカタ」同様、チヂミにも韓国唐辛子を使ったピリ辛だれは欠かせません。コチュジャンをベースに、レモン汁とナンプラーで味を調え、韓国唐辛子でお好みの辛さに。
「コチュジャンとレモン汁は相性抜群。ここに塩加減を兼ねてナンプラーを加えてコクを出します。唐辛子は、辛みの強い粉びきと、マイルドな中びきを合わせることで辛さに深みが出て、調整もしやすいと思います。このたれは、炒めもののアクセントとして、あるいはオイルを加えてドレッシングに……と、いろいろ楽しめますよ」
「じゃがいものチヂミ」の作り方
null【材料】4〜6枚分
男爵いも・・・中2個
干しえび・・・大さじ1と1/2(水で洗い、酒大さじ2に15分浸して戻しておく)
ごま油・・・大さじ1〜2
春菊などの青菜・・・適量
(衣)
片栗粉・・・大さじ2
薄力粉・・・小さじ2
溶き卵・・・大さじ2〜3
だし汁・・・大さじ1〜2
おろしにんにく・・・小さじ1/2
塩・・・小さじ1/4
(ピリ辛だれ)
コチュジャン・・・大さじ1
ナンプラー・・・大さじ1
レモン汁・・・大さじ2
粉びき唐辛子・・・適量
中びき唐辛子・・・適量
【作り方】
(1)ピリ辛だれを作る
ボウルにコチュジャン、レモン汁、ナンプラーを加えてよく混ぜる。粉びき・中びき唐辛子を少量ずつ加え、味を見ながら好みの辛さに調整する。
(2)衣を作る
ボウルに片栗粉、薄力粉、すり下ろしたにんにく、溶き卵を合わせてよく混ぜる。だし汁を加えてなじませ、塩を加える。
「だし汁のかわりに水でもOKです」
(3)じゃがいもを棒状に切る
じゃがいもは皮をむき、繊維に沿って縦に3〜5mm幅に切り、さらにマッチ棒より太めの棒切りにする。
(4) じゃがいもに衣を絡める
衣が入ったボウルにじゃがいもを加え、両手で底からじゃがいもをすくうようにして衣を絡める。5mmに切った干しえびを入れ、じゃがいもを崩さないようにやさしく合わせる。
「干しえびはうまみも食感も出ますし、仕上がりの色もきれいです。ソーセージやベーコン、ツナなどもおいしいですよ。絡めたときに衣が手に少し残るぐらいですと、焼いたときにじゃがいもがバラついたりしないので、もしも衣が流れてしまうようなら、片栗粉や薄力粉を足して調整してください」
(5)フライパンで焼く
よく熱したフライパンにごま油を多めに引き、お玉でじゃがいもを少量ずつすくって並べる。蓋をして中強火で1分ほど焼いてフライ返しなどで返し、ギュッと押さえる。中火に落として蓋をし、ふたたび1分ほど焼く。
「ここでじゃがいもがバラつくようなら、片栗粉や薄力粉を振ったり、あるいは溶き卵をかけてまとめるのも手です!」
(6)できあがり!
春菊とピリ辛だれを添えた皿に、チヂミを重ねて盛りつける。
「春菊など旬の青菜、あるいは香味野菜などを添えられると、ちょっとおもてなし感も出ますよね。チヂミと一緒にピリ辛だれでいただくと風味も栄養価もアップしますし、おすすめです」
取材・文/神史子
1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。近著に『65歳からの食事革命』(文化出版局)などがある。愛犬はタスマニアンラブラドゥードゥルのguguちゃん(3歳) http://www.m-cooking.com/