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冬の定番!まさるさんの「俺のもつ煮」は手軽に作れて、しみじみおいしい!【まさみ&まさるのお助け食堂#16】

人気料理研究家・小林まさみさんと、シニア料理研究家としても活躍する義父でアシスタントを務める小林まさるさんが、毎日の料理の「なんとかしたい」を楽しく解決する連載企画。
今回は、寒い夜にじわ〜っと体にしみる、まさるさん自慢の「もつ煮」が登場です。

豚のもつ(ホルモン)はカロリー低めで栄養満点。豊富なコラーゲンやミネラル、ビタミンをはじめ亜鉛や鉄分も同時に摂れるため、女性にとっては理想的な食材です。ただ、独特のくさみがあることから、スーパーでよく見かけるパック詰めの「もつ」は、下処理にけっこうな手間がかかります。そこで!今回はまさるさんが愛用している市販の下処理済みもつを使って、シンプル&しみじみおいしい「俺のもつ煮」を教えてもらいました。

すり下ろし野菜とりんごでくさみ消し、味つけはみそだけ。だからおいしい!

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「昔、北海道・美唄の炭鉱で働いていたときは、石油ストーブの上でもつを豆腐とコトコト煮てね、仕事上がりに、焼酎と一緒に冷えた体を温めたもんだよ」と、まさるさん。玉ねぎ、しょうが、にんにく、そしてりんごのすりおろしがくさみを消しつつうまみを引き出し、肉質もふんわりやわらかになります。そして、調味はみそだけで仕上げるのがまさる流。

「私ならお酒も入れたくなるなぁ」というまさみさんに、「入れない。もったいない!」で大爆笑。「もつにはやっぱり、みそが一番合うんだよな。ただ、やり直しがきかないから、味を見ながら加えて、調味してくださいね」(まさるさん)

【材料】作りやすい量

豚白もつ(ゆでこぼし不要の下処理済みのもの)・・・800g
こんにゃく(アク抜き済みのもの)・・・1枚(200g)
大根・・・1/4本(300g)
みそ・・・大さじ5〜6 *味を見ながら調整

A
玉ねぎ(すりおろし)・・・大さじ2
にんにく(すりおろし)・・・小さじ2
しょうが(すりおろし)・・・小さじ2
りんご(塩をつけてこすり洗いし、皮ごとすりおろす)・・・大さじ2

水・・・1.5リットル
長ねぎ・・・適量
七味唐辛子(お好みで)・・・少量

【作り方】

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(1) 鍋にもつ、水、Aを入れ、強火にかける

今回使ったのは、まさるさんが愛用している、面倒な下処理済みですぐに煮込める「豚白もつ」の真空チルドパック。スーパーなどで購入可能です。ボイルしただけのものを使う場合は、ボウルにもつを入れて塩をすり込み、流水でよく洗って汚れや脂を落とします。その後、2度ほどゆでこぼしてから調理します。

「もつ煮は、もつのくさみをしっかり抜くことが肝心。でも、下ゆでして煮込んで……ってやってると、2〜3時間かかっちゃうんだよな。下処理済みのものを使えば、全行程1時間半ぐらいで済むよ。玉ねぎやりんごのすり下ろしを入れるのは、もつをやわらかくして、甘み(うまみ)の下味をつけるため。最後にみそがこっくりといい味に仕上げてくれるから、ほかの調味料はいらないんだよね」(まさるさん)

(2) 煮立ちを待ってアクを引き、弱火で約40分煮る

鍋中が沸騰し泡立ってきたらそのまま少し見守り、すり下ろし野菜が浮いていないことを確認して、丁寧にアクを引きます。

(3) もつが煮えるのを待つ間に、こんにゃくと大根の下ごしらえをする

こんにゃくは、アク抜きしてあるものはそのまま、していないものは一度湯通ししてから、手でひと口大にちぎります。大根は皮をむき、2cm角に切っておきましょう。

(4) 30分ほど経ったら一度煮え具合をみて、こんにゃくと大根を加える

もつを一片指でつまんで押してみて、やわらかくなっていたらOK。また、「もつ炒めも作りたい」と思ったら、適量を取り分けて粗熱を取ってから調理します(*ゆでたもつは、冷蔵庫で4〜5日保存可能)。

「もやし、にら、にんじんなんかと油でさっと炒めたらうまいよ! 俺はもつ煮の味つけではみそしか使ったことがないんだけど、炒めものもやっぱり、みそがいちばん合うと思うね」(まさるさん)

(5) ふたたび強火に。煮立ったら弱火にし、蓋をして20分ほど煮る

こんにゃくと大根を加えて強火で沸騰させます。弱火に落として蓋をし、竹串が大根にスッと通るまで20分ほど、コトコトと煮ます。

「煮汁が白濁し、大根がうまそうに透き通ってくるよ〜」(まさるさん)

(6) みそを加えて蓋をし、弱火でさらに5分煮る

もつ約800gに対して、みそは大さじ5〜6杯(今回は大さじ6投入)が目安。みそは溶かずに入れるのがまさる流。

「まずは大さじ5入れてみて、あとは自分の舌と相談しながら仕上げてくださいね〜」(まさるさん)

(7) できあがり!

器に盛り、小口切りにしたねぎを散らして、好みで七味唐辛子を添えます。

「ねぎはささがきにするように、やや荒削りにして散らすといいよ。香りが立つし、淡い辛みとシャキッとした歯ごたえが、いいアクセントになります」(まさるさん)

取材・文/神史子

【取材協力】

小林まさみ

料理研究家。結婚後、会社勤めをしながら調理師学校に通い、料理研究家を目指し、料理愛好家 平野レミさんのアシスタントなどを経て、独立。誰でも作りやすく、家庭的なアイディアあふれるレシピにファンが多く、テレビや雑誌、書籍、企業のレシピ開発、料理教室など、幅広く活躍。自身のオンラインショップ『台所用品と食「暮らしの仲間」』では、おすすめの台所用品や各地から厳選した食材、小林まさるの瓶詰め『まさる漬け』などを販売。料理本は『切りおき』(小学館)など著書多数。Instagram@kobayashimasami.masaru

小林まさる

昭和8年生まれ。小林まさみの義父。定年後70才から小林まさみの調理アシスタントを務める。78才でシニア料理研究家として活躍。長年料理をしてきた経験から、冷蔵庫の中にある食材でパパッと作るアイディア満点の家庭料理やおつまみが得意。著書に『人生は、棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。88才からスタートした公式YouTube『小林まさる88チャンネル』も好評。

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