レンチンなら効率的に加熱できて煮崩れもなし!
null「おせちは加熱する料理が多く、なかでも、時間がかかって目を離せない黒豆や筑前煮などの“煮もの”にガス台を占領されるのが、けっこうなストレスだったりします。そこで時短できないか……と考えたのが、電子レンジを使った筑前煮。効率的に加熱でき、煮崩れの心配もなし!です」(まさみさん)
「えっ、筑前煮を電子レンジで?」と、最初は半信半疑だったまさるさんも、味しみしみの仕上がりに「うまいことできるもんだなぁ」と感心することしきり。
今年はぜひ、“煮待ち”なしの筑前煮でラクしちゃいましょう!
【材料】2〜3人分
鶏もも肉・・・大1/2枚(150g)
にんじん・・・1/2本(70g)
こんにゃく・・・1/2枚(110g)
れんこん・・・1/2節(100g)
生しいたけ・・・4枚(80g)
砂糖・・・大さじ1
しょうゆ・・・大さじ2
ごま油・・・大さじ1/2
【作り方】
(1)鶏もも肉を下処理し、下味をつける
鶏もも肉は筋と余分な脂肪を丁寧に除き、小さめのひと口大に切ります。ボウルに入れ、砂糖、しょうゆ、ごま油を加え、やさしく揉みます。レンジ調理では、下味をつけて調理すると味がしみやすく風味も上がります。
「鶏もも肉をしっかり加熱したいので、いつもより少し小さめに切ってください」(まさみさん)
(2)こんにゃくを下ごしらえする
手でひと口大にちぎってラップをかけ、電子レンジへ。600wで2分加熱して水抜き完了。ざるに上げて粗熱を冷まします。
「手でちぎることで断面積が大きくなり、また、水抜きをしっかりすることで味がよりしっかりとしみ込みます。このひと手間が大事!」(まさみさん)
(3)れんこん、にんじん、しいたけを下ごしらえする
まず、れんこんを小さめの乱切りにして水にさらしておきます。しいたけは石突きを落としてそぎ切り、軸の部分は縦半分に切ります。にんじんは皮をむいて小さめの乱切りに。
(4)耐熱ボウルに材料を重ね、電子レンジにかける(1回目)
耐熱ボウルににんじん、水を切ったれんこんを広げ、しいたけ、こんにゃくを重ねます。最後に鶏もも肉をつけ汁ごとのせて準備完了。ふんわりとラップをかけ、600wで5分加熱します。
「重ねる順番が大事です。固いものから重ねていき、最後につけ汁ごと鶏肉をのせます。鶏もも肉のうまみたっぷりのつけ汁が下に落ち、野菜の味つけもしてくれます」(まさみさん)
(5)取り出して混ぜ、もう一度電子レンジにかける(2回目)
電子レンジから取り出したら、全体を混ぜる。そして次はラップをしないで600wで5分加熱する。
(6)竹串を刺して、加熱完了を確認
鶏肉やにんじんに竹串を刺して、加熱が完了していることを確認します。必要ならさらに600wで1分加熱してください。
*今回は野菜3点の重量で調味および調理時間を計算しています。里いもを加えたい場合は、れんこんを里いも(100g/中サイズ約2個)と入れ替えます。小さめの乱切りにし、塩もみをしてぬめりを取ってから、にんじんの上に重ねてください。また、絹さやは筋を取り、2回目のレンチン後に具材の上にのせ、600wで1分加熱します。
(6)できあがり!
鶏肉はジュワッとやわらかく、野菜は歯ごたえを残しながらもほっくり。ごま油の香りが食欲をそそります。
煮ものは冷めながら味と色が具材に浸透していきますので、お重に盛るのは冷ましてからにしましょう。器に盛る際は、冷ました筑前煮を温め直しても。
取材・文/神史子
【取材協力】
小林まさみ
料理研究家。結婚後、会社勤めをしながら調理師学校に通い、料理研究家を目指し、料理愛好家 平野レミさんのアシスタントなどを経て、独立。誰でも作りやすく、家庭的なアイディアあふれるレシピにファンが多く、テレビや雑誌、書籍、企業のレシピ開発、料理教室など、幅広く活躍。自身のオンラインショップ『台所用品と食「暮らしの仲間」』では、おすすめの台所用品や各地から厳選した食材、小林まさるの瓶詰め『まさる漬け』などを販売。料理本は『切りおき』(小学館)など著書多数。Instagram@kobayashimasami.masaru
小林まさる
昭和8年生まれ。小林まさみの義父。定年後70才から小林まさみの調理アシスタントを務める。78才でシニア料理研究家として活躍。長年料理をしてきた経験から、冷蔵庫の中にある食材でパパッと作るアイディア満点の家庭料理やおつまみが得意。著書に『人生は、棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。88才からスタートした公式YouTube『小林まさる88チャンネル』も好評。