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フライパンで簡単「米粉ちぎりパン」外はカリッ、中はもっちり!【沼津りえの米粉レシピ#1】

kufuraの大人気シリーズ「ちょこっと漬け」などでもおなじみの料理研究家・沼津りえさんの近著『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』が、「こんな“米粉本”が欲しかった!」と話題です!
米粉の基礎知識からレシピまでが詳しく紹介されている本書から、今回はフライパンで作る「米粉ちぎりパン」を動画でお届けします! オーブンがなくても焼き立てが味わえる、見た目にもかわいらしい米粉パンが簡単に作れますよ。

パン作りに適した米粉って?知っておきたい米粉の種類

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「以前に関わったお仕事がきっかけで、“米粉の奥深さ”に触れんです」と沼津さん。以来、米粉を使ったレシピ開発に取り組み、パンやお菓子作りだけでなく、ふだんの料理にも幅広く使える米粉の多様性に驚いたと言います。

「米粉は、さまざまな粉に代わりに使えます。衣にもなるし、とろみづけもできます。そしてできあがりはもっちりでも、ふんわりでも自由自在! しかもグルテンフリー、小麦粉よりGI値が低く食後の血糖値の上昇がおだやかなど、魅力がいっぱいなんですよ」(以下「」内、沼津さん)

そんな米粉には種類があって、レシピに応じて使い分けるのがコツなのだそう。沼津さんは書籍の中で“もったり系”、“さらさら系”、“パン用”と3種類に分けています。

今回は、“パン用”の「ミズホチカラ」という米粉を使います。「ミズホチカラ」とはパン用に作られたお米の品種のこと。ふんわりと仕上がりやすく、パン作りに適していると言われています。

米粉の種類は、米粉に同量の水を入れて混ぜた状態で見分ける。左が“もったり系”、右が“さらさら系”。写真:『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』より

ちなみに、「ミズホチカラ」以外のものは、米粉と同量の水を加え混ぜた状態で“もったり系”か“さらさら系”かを見分けることができるそう。(書籍ではどちらかしか持っていない場合の調理法も紹介されています)

これも、“米粉の魅力・便利さを知ってほしい!”という沼津さんの想いと、長年の研究の賜物。そんな沼津さんおすすめの「米粉ちぎりパン」。早速、作り方を見ていきましょう!

「米粉ちぎりパン」の作り方

【材料】(6個分)…直径20cmのフライパンを使用

米粉(ミズホチカラ)・・・200g

塩・・・小さじ1/2

ぬるま湯(30~40℃)・・・200mL

砂糖・・・大さじ1

米油・・・大さじ1

ドライイースト・・・小さじ1

サイリウム(オオバコ)・・・8g

【作り方】

(1)材料を合わせる

ボウルに米粉と塩を入れておきます。ぬるま湯を入れた別のボウルに、砂糖、米油(他の油でも可)、ドライイーストを入れて混ぜ、お湯の表面にイーストがほわんとするまで3分待ちます。

「ぬるま湯の温度は30~40℃くらいを目安に。50℃以上だとイースト菌が死滅し、パンがふくらまなくなってしまうので注意しましょう」

(2)材料を混ぜる

塩を加えた米粉は、泡だて器などで均一に混ぜます。そこに液体の材料を一気に加え、馴染むよう2分ほど混ぜたら、サイリウム(オオバコ)を入れてだまにならないよう手早く混ぜます。

「小麦粉でパンを作るよりも、水分が多くて不安になるかもしれませんが、間違いではありませんので安心してくださいね(笑)。

この水分の多い状態から生地を成形するために使うのが、サイリウムという食材です。オオバコの種子の殻を粉末にしたもので、食物繊維が豊富で低糖質&グルテンフリー。水分を吸うとゼリー状にふくれる性質をもっているんですよ。

サイリウムを加えると、あっという間に生地が重くなっていくので、だまにならないよう気をつけながら混ぜていきましょう」

(3)こねる

生地が重くなってきたらゴムベラに持ち替えて、2~3分、折りたたむようにこねていきます。

「もちろん手で作業してもOKですよ」

(4)発酵させる

生地を丸めてボウルに入れ、ラップをかけます。フライパンに40~50℃のお湯をはり、ボウルごと入れて15分発酵させます。

(5)6等分する

15分経ち、生地がリラックスした表情になったらボウルから取り出し、「N」字になるよう包丁などで切り込みを入れます。これをまっすぐ1本に伸ばし、6等分します。

(6)丸める

切り口がきれいな方を上に向け、手で押さえて薄くしたら、生地を中央に集めながら丸めていきます。この時、手で水か油をやさしく塗るのがポイント。同様にすべて丸めてフライパンに並べます。

「パン粉で作る生地は、表面がややざらついています。水か油をつけながら丸めることで、表面がつるっときれいになるだけでなく、乾燥を防ぐ効果もあるんですよ。油は何を使ってもかまいません。

このあとの2回目の発酵で生地が少しふくらむので、それぞれ少しずつ間隔をあけてフライパンに並べましょう」

(7)発酵させる

コンロにフライパンをのせ、強火で10秒加熱します。10秒経ったら火を止めてフタをし、そのまま30分発酵させます。IHの場合は、フライパンに触れて熱いと感じるくらいを目安にしてください。

「フタの代わりにアルミ箔をかぶせてもOKです」

(8)焼く

30分ほど経ったらフタを開けて様子を見てみましょう。生地が2倍くらいにふくらんでいたら焼いていきます。

フタをした状態でまずは強火に10秒かけ、火を弱火にしてそのまま6~7分焼きます。いい感じに焼き色がついたら、一旦火を止めてからひっくり返し、再び火をつけて弱火で6~7分加熱します。

「はじめに強火で10秒加熱するのは予熱代わりです。焦げないように弱火で焼いていきますが、もし焼き色がつきにくい場合は、最後に少しだけ中火にかけてみてください」

(9)できあがり!

裏側も焼けたら完成です!

 

フタを開けた瞬間、ほのかに甘い香りと油の香ばしい香りが漂います。焼き立てを割ってみると、外はパリッ、中はもっちり。食べてみると、お米のやさしい甘さが口いっぱいに広がり、とってもおいしい! 米粉ならではのもっちり感と、蒸し焼きによるしっとり感がたまりません!

「フタを外して水分を飛ばしながら焼くと、より表面がカリッと仕上がりますよ。定番のバターはもちろん、ハムなどをサンドしておかずパンに、あんこを挟んでお菓子パンにと、食べ方はお好みで!

ちぎりパンは他の米粉パンよりも固くなりにくいですが、一度に食べ切れない場合は、乾燥を防ぐためにしっかりとラップをして冷蔵庫に入れ、3~4日以内を目安に食べ切りましょう。

食べる時は、ラップをして30秒ほどレンチンするともちもち感が復活しやすいですよ。

小分け、またはスライスしてラップをしておけば冷凍保存も可能です。

もっちりしているので食べ応えがあり、腹持ちがいいのもうれしいところ。

沼津さん曰く、米粉の推しポイントは、“失敗しないこと”なのだそう。分量さえきちんと守れば、だれでも簡単においしい米粉パンが手作りできますので、ぜひおうちでトライしてみてくださいね!


 

その他のレシピを知りたい人はこちらを参考に!

『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)

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【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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