塩麴が隠し味、冷めても美味しいパスタ弁当
null香ばしく焼き上げた鶏肉がゴロンとのった、ご馳走感あふれるトマトパスタ弁当。
ハーブやオリーブでイタリア風に仕上げ、複雑なコクを生む塩麴が隠し味です。パスタの下茹でをせず、ひとつの鍋で作れるのも朝には嬉しい!
作り方をみていきましょう。
【材料】(1人分)
鶏もも肉(唐揚げ用)・・・150g
(A: 塩麹・・・大さじ1と1/2、おろしにんにく、ドライオレガノ・・・各小さじ1)
マッシュルーム・・・4個
オリーブ・・・4個
トマトジュース(無塩)・・・200ml
オリーブオイル・・・小さじ1
赤唐辛子(好みで)・・・少々
ペンネなど好みのショートパスタ・・・80g
粉チーズ、パセリ・・・各適量
※ドライオレガノの代わりに、ドライバジルやハーブミックスを使っても。
※マッシュルームはシメジやエリンギに変えても(食べやすいサイズに切る)。
※トマトジュースが有塩タイプの場合は、Aの塩麹を大さじ1に減らす。
※パスタは早ゆでタイプがおすすめ。詳細は記事の最後を参照。
副菜:茹でブロッコリー、クリームチーズ
ブロッコリー・・・適量
塩・・・少々
クリームチーズ(キューブタイプ)・・・2個
【作り方】
(1)鶏肉に調味料をもみ込む
鶏もも肉をポリ袋に入れ、Aの調味料を加えます。鶏肉全体に調味料が絡まるよう、袋の上からよくもみ込み、10分以上置きます。
「オレガノの代わりに、バジルやハーブミックスなど、おうちにあるものを使っても。パスタにぴったりの風味が加わり、お肉の臭み消しにもなりますよ」
この工程を前日に済ませて冷蔵保存しておくと、朝のお弁当作りがさらにラクに。
また、袋のまま冷凍も可能です。凍ったまま調理できますが、袋ごとお湯に浸すと、鶏肉が袋から取り出しやすくなります。
(2)マッシュルーム、オリーブを切る
調味料をなじませる間に、マッシュルーム、オリーブを半分に切ります。
「オリーブを入れると、色が締まってオシャレに見えます。いいだしが出るので、おつまみの残りなど、ぜひ活用しましょう」
※副菜の“茹でブロッコリー”は、前日の夜に作り置きしておくでもよし、朝に作るときは、このタイミングで。
<茹でブロッコリーの作り方>
沸騰したお湯に塩少々を加え、小房に分けたブロッコリーを入れて50秒ほど茹で、ざるに上げます。サラダスピナーで水切りしておくと、房の間に入った余分な水分が抜け、味わいも日持ちもよくなります。
(3)鶏肉とマッシュルームを焼く
フライパンのように径が広いと、あとでパスタがソースに浸りにくいので、小さめの鍋を用意します。
小鍋を中火で熱し、オリーブオイルを入れ、温まったら(1)の鶏肉とマッシュルームを加えます。
オリーブオイルを入れすぎると、仕上がりがギトッとなるので控えめに。鶏肉にこんがりと焼き色がつくまで炒めます。
「塩麴が表面についているので、早く焦げ目がつきます。ここでは表面に焼き色をつけるだけで、中まで火を通さなくて大丈夫です。あまりいじらずに、ほったらかしにするのがポイント」
(4)トマトジュース、オリーブ、赤唐辛子を加えて煮る
トマトジュース、オリーブ、好みで赤唐辛子を加えて沸騰させ、ふたをして弱めの中火で3分ほど煮ます。
「あまり火を強くすると、焦げ付いたり、水分が蒸発したりするので注意しましょう」
全体がグツグツと煮立つ程度の火加減で煮込んでいきます。
「トマトジュースの濃度によって、味が変わってくるので、パスタを加える前に味見をします。塩加減が足りなければ、塩か塩麴を加えましょう」
(5)パスタを加え、さらに煮込む
パスタを乾燥のまま加え、ふたをして袋の表示時間より30秒短く加熱します。
ソースにパスタが浸り、グツグツした状態を保ったまま煮込んでいきます。水分が足りなければ、水を少し足しても大丈夫です。
(6)アルデンテの状態で弁当箱に詰める
様子を見て、パスタがソースを吸った状態になればOK。弁当箱に移します。
「パスタを冷ます間に余熱で火が通るので、加熱時間は短めに。アルデンテで取り出してちょうどよいんです」
鶏肉やオリーブが見えるように盛り付けると、見栄えします。
(7)できあがり!
パスタの粗熱が取れてから、茹でブロッコリー、クリームチーズをあしらい、粉チーズ、パセリを振ったら、完成です。
カリッと皮目の香ばしい鶏肉は、ジューシーでやわらか。
塩麴の複雑でコクのある味わいがソースにも溶け込み、その旨味をたっぷり吸ったパスタがとっても美味。冷めてものびた感じがなく、モチッとして食べ応えがあります。
オリーブの塩味、ハーブの風味がアクセントになって、トッピングのクリームチーズがトロリ。まるでオシャレなカフェのランチみたいなお弁当は、食べる人をご機嫌にしてくれそうです。
冷めても美味しく作るのが難しいと思われがちな麺類のお弁当は、パスタの選び方、味付けや加熱の仕方次第で、こんなに美味しく仕上がるんですね。
次回は「あまから牛肉のり弁」をご紹介します。お楽しみに!
今回のお弁当箱は「セリア」のパッキン付きタイプ
null今回は、「セリア」のパッキン付きタイプ(容量540ml)110円(税込)を使用しました。
明るいブラウンがおしゃれで、今回のような洋風メニューにもマッチします。
「高価なお弁当箱を買う前に、100均を上手に活用して、お子さんの食べる量にピッタリのサイズを見極めるのもおすすめです」とスヌ子さんからアドバイスをいただきました。
塩麴は「マルコメ」、お弁当には「オーマイ 早ゆでペンネマカロニ」が便利
null肉や魚の旨味を引き出し、料理に深いコクが生まれる塩麴。手軽で、お弁当にも活用したい調味料ですね。
スヌ子さんが愛用するのは、マルコメの「プラス糀(こうじ) 生塩糀」。スタンディングパウチタイプで、少量使いたいときにも便利です。
お弁当には、食べやすくのびにくいペンネのようなショートパスタがおすすめ。イタリアのメーカーなどの本格的なものよりも、簡単な早ゆでタイプのほうがデンプンが強すぎず、時間が経っても美味しく食べられるそうです。
今回は、ニップンの「オーマイ 早ゆでペンネマカロニ」(3分で茹で上がる早ゆでタイプ)を使いました。
取材・文/新井円
料理家。出版社で雑誌編集に携わった後、二児を出産。育児休暇中に始めた料理ブログが好評で、2009年に自宅で料理教室を始める。翌年、東京都・日本橋に『ギャラリーキッチンKIWI』を開設。その後、料理家として独立。スヌーピーが大好きで、顔が似ていると言われることから、「スヌ子さん」の愛称で親しまれる。昨年より予約制のレシピ付きレストランもスタート。 https://kiwi-lab.com