豚肉のおかずに変化球「たらこ豚」&サラダ感覚の豆苗ごはん
null「たらこ+こんぶ」で「ぶた(豚肉)」を調味して焼く「たらこ豚」。
豚肉を一枚一枚広げずに、そのままフライパンにのっけるだけなので手間がなく、手頃な価格の切り落とし肉で作れるのも嬉しい一品です。サラダ感覚の軽やかな味わいの「豆苗ごはん」にのっけるだけで完成。
作り方をみていきましょう。
【材料】(1人分)
豚切り落とし肉・・・150g
塩昆布・・・大さじ1
たらこ・・・1本
酒・・・大さじ1
豆苗・・・約1/6パック
ごはん・・・適量
※豚肉は脂身の少ない部位を。形や大きさは揃っていなくてOK。
※たらこは、切れ子(家庭用に切られて売られているもの)や、チューブ入りなどを利用しても。
副菜:きゅうりとみょうがのゆかり和え(作りやすい分量)
きゅうり・・・1本
みょうが・・・1本
ゆかり・・・小さじ1
ごま油・・・小さじ1
【作り方】
(1)豚肉に酒をもみ込む
フライパンに直接、豚肉を入れ、酒を振りよくもみ込みます。
「お肉がふっくらとして、クセがなくなります。水分が周りにはみ出ないよう、お肉にお酒をよく吸わせるのがコツ」(以下「」内、スヌ子さん)
なるべく均等な厚さにならし、おおまかに形を整えます。
「あとで切り分けるので、丸でも四角でもいいので、切りやすい形にします」
(2)塩昆布、たらこを豚肉にまぶす
豚肉の上に塩昆布を均等にまぶします。
その上に、たらこを皮から押し出しながら、平らに広げます。
「豚肉全体に、ベタッと塗り付けるようにのせましょう」
(3)ふたをして蒸し焼きにする
ここで火をつけます。中火にかけ、シューッと音がしたら弱めの中火にし、ふたをして3、4分ほど蒸し焼きにします。
「たらこ豚」を焼いている間に、副菜を作ります。
(4)副菜を作る
洗って水気を拭いたきゅうりを縦半分に切って、スプーンで種を取り除き、乱切りにします。
「種から水分が出て、水っぽくなるのを防ぎ、時間が経ってもシャキシャキの歯ごたえが楽しめます。除いた種は、お味噌汁に入れても」
みょうがは縦半分に切れ目を入れてから小口切りに。スライサー(※)を使うと便利です。
ゆかりを加え、香りづけにごま油を加えてよく混ぜ、少し置いてなじませます。
「きゅうりの水分でゆかりの色が鮮やかになり、彩りも美しい副菜になります。ゆかりは袋の底のほうに塩がたまりやすいので、よく振ってから使いましょう」
※スライサーの詳しい説明は、記事の最後をご覧ください。
(5)たらこ豚の粗熱を取る
3分ほど経過したら、ふたを開けて様子を見てみましょう。
「表面が白くなって、浮いた肉汁が澄んでいたら、しっかり火が通っています」
必要なら、さらに火を通し、キッチンペーパーを敷いたまな板やお皿に取り出して、粗熱を取ります。
「熱いうちに切ると、バラバラになってしまいます。粗熱を取ってから切りましょう」
(6)豆苗ごはんを作る
「たらこ豚」の粗熱を取る間に、豆苗ごはんを作ります。
冷めているとなじみが悪いので、温かいごはんを用意します。1〜2cmの長さに切った豆苗と塩少々(分量外)を加えて混ぜ、弁当箱に詰めます。
「ごはんに対して豆苗をたっぷり使うと、軽やかな仕上がりに。独特の青臭い風味が、サラダごはんのような感覚で美味しいですよ。
使う分だけハサミで切り取って、ごはんの上で切ると、洗い物が少なくて済みます」
混ぜるうちに豆苗がしんなりしますが、なじみが悪ければ、サラダ油少々を加えても。
(7)たらこ豚を切り分ける
たらこ豚の粗熱が取れたら、包丁で押し切るように、ひと口大に切ります。
副菜をのせるスペースを開けて、豆苗ごはんの上に重ねてのせます。
「副菜にはお弁当用のカップを使ってもいいですが、水分が出にくいよう調理してあるので、直接のせて大丈夫です」
(8)できあがり!
「たらこ豚と豆苗ごはん弁当」の完成です!
たらこと塩昆布を調味料として使う「たらこ豚」。
スヌ子さんは、旅行先のシチリアで出会った、からすみを添えたお肉のソテーから、このレシピを着想したそう。
スタッフ一同、はじめての組み合わせでしたが、淡白な甘さの豚肉に、たらこの塩味と昆布の旨味が効いて、パクパク食べられてしまいます。
そこに豆苗ごはんの風味と食感が加わって、飽きの来ない絶妙なバランス。副菜は、ゆかりのさっぱりとした味わいに箸が進みます。
肉汁を閉じ込めて焼き上げた豚肉は、冷めてもやわらかく食べやすいのが、お弁当に嬉しいポイントですね。
次回は洋風メニュー「塩麴チキンのトマトパスタ弁当」をご紹介します。お楽しみに!
今回のお弁当箱は「セリア」のタッパータイプ
null撮影で使用したのは、スヌ子さんがセレクトしたセリアのお弁当箱。
半透明のふたに可愛らしいチューリップのイラストがあしらわれた、タッパータイプです。
「お弁当箱を選ぶとき、お子さんの食べる量に合ったサイズを見極めるのが、案外難しいもの。
100均でも様々なタイプが揃うので、はじめから高価なものを買わず、まずは手頃なもので様子を見るのがおすすめです」
お弁当生活がスタートしたばかりの人に、お役立ちのアドバイスをいただきました。
スライサーは厚み調節機能付が便利
null副菜を作るとき、みょうがの薄切りに使用したのは、貝印の「SELECT100 スライサー(厚み調節機能付)」(1,760円・税込)。
まな板を使わずに、すばやく均等な厚さに切れるスライサーは、お弁当作りにも大活躍します。
この製品は、裏側の目盛りで「厚切り・薄切り」(厚さ1.0mm〜2.5mm)など、プレートをスライドさせることで調節が可能。
「今回のみょうがや、たまねぎのスライスは“薄切り”、きゅうりは“厚切り”など、食材や調理法によって使い分けられ、汎用性の高いスグレモノです」
取材・文/新井円
料理家。出版社で雑誌編集に携わった後、二児を出産。育児休暇中に始めた料理ブログが好評で、2009年に自宅で料理教室を始める。翌年、東京都・日本橋に『ギャラリーキッチンKIWI』を開設。その後、料理家として独立。スヌーピーが大好きで、顔が似ていると言われることから、「スヌ子さん」の愛称で親しまれる。昨年より予約制のレシピ付きレストランもスタート。 https://kiwi-lab.com