切り方&炒め方で、にんじんの甘味がグンとアップ!
null沼津さんの「ちょこっと漬け」で、生のにんじんを無限に食べられる「キャロットラペ」を以前紹介しました。(本当にいくらでも食べられるので、私はもう何度も作っています。超ヘビロテレシピです!)
今回の下ごしらえシリーズでは、にんじんに火を通して味わうときのコツを「にんじんしりしり」を作りながら教えてもらいました。
「にんじんは特有の青臭さがあるので、苦手な人もいますよね。でも、切り方や炒め方で驚くほど甘味がグンとアップ! もうおいしくて箸が止まらなくなりますよ。
にんじんの繊維を断つように切ると、甘味がギュッと出やすくなります。炒めるときは塩を少量振って、甘味や旨味を引き出しましょう。しっとりと水分が出て、甘い香りが立つまでじっくり炒めるのがポイントです」(以下「」内、沼津さん)。
にんじんしりしりは、ごはんのおかずにもぴったり。早速作り方を見てみましょう。
【材料】(2〜3人分)
にんじん・・・大1本(約200g)
ごま油・・・小さじ2
塩・・・少量
きび砂糖・・・小さじ1/2
しょうゆ・・・小さじ1/2
卵・・・1個
【作り方】
(1)にんじんを切る
にんじんは皮をむき、両端を切り落として斜め薄切りにし、並べて端からやや太めの千切りにします。
「斜め薄切りにしてから千切りにして、繊維を断つように切ってください。繊維を断つことで、甘味が出やすくなるんです。今回は規則正しく切りすぎず、太さは好みで調整しながらいろいろな食感を楽しんでみて。専用のスライサーを使ってもOKですよ」
(2)にんじんを炒める
フライパンを熱してごま油を入れ、千切りにしたにんじんを入れて塩を振ります。全体に塩をなじませたら中火で1分ほど置き、しっとりと水分が出て香りが立ってきたら、1分おきに混ぜながら3〜4分炒めてください。
「塩を振ると水分が出て、早く甘味を引き出せます。炒める時間が早くなり、色もキレイに仕上がりますよ。最初はいじらず1分ほどおいて水分を出してから、じっくり炒めて甘味をしっかり引き出しましょう。
ポイントは“混ぜ続けない”こと。混ぜ続けるとフライパン内の温度が下がるだけでなく、焼きムラも出てしまいます。極力触らないのがおいしいにんじんしりしりを作るコツです。
なお、にんじんは油との相性も抜群。ごま油をたっぷり利かせるとおいしいですね」
にんじんにツヤが出てしんなりし、甘い香りがしてきたら、太めのにんじんを味見してください。硬すぎずちょうどよい食感になったら、一度火を止めます。
(3)卵を炒める
卵に塩少量(分量外)を入れて溶きます。フライパンの中央を空け、にんじんをドーナツ状に広げたら、火をつけます。
中火にして、フライパンの中央に卵を流し入れて軽く混ぜ、先に卵だけを炒めます。卵が固まってきたらにんじんと混ぜ合わせます。
(4)味付けする
きび砂糖を加えて全体を炒め合わせ、しょうゆを鍋肌から回し入れます。
「十分にんじんから甘味が出ているので、調味料は少量でOK。砂糖としょうゆで味を引き締めます」
(5)できあがり!
全体をなじませたら、黄色とオレンジが目にも鮮やかな一品の完成です。
食べてみるとにんじんがじんわり甘くておいしい! ごま油が香り、シンプルな味付けだからこそ、にんじん本来の甘味をしみじみ感じます。これは箸が止まらず、モリモリ食べられちゃいます。
「ツナを加えてコクを出してもいいですね。ごはんのおかずやお弁当にもぴったりです。他の料理でもにんじんを炒めるときは、ぜひこの方法を応用してください」
冷蔵庫に食材が少ないときでも、にんじんと卵があればパパッと作れるので、家族が喜ぶお助けメニューになりますね。ヤミツキ必至のおいしさなので、ぜひ試してみてください!
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」