まるでお店の仕上がり！「まっすぐえびフライ」を作ってみよう【沼津りえの神ワザ下ごしらえ #19】

大人も子どもも大好きなえびフライ。えびから下ごしらえをして作ると、揚げるだけの市販品とは違ったプリプリした食感が魅力的です。

でも、くるんと丸まってしまってお店のように仕上がらない……という人も多いのでは？　そこで今回は「まっすぐえびフライ」の作り方を紹介します。

「えびフライを作るときは、尻尾の処理と切り込みの入れ方がポイント。尻尾の中の汚れや水分を掻き出しておくと、尻尾までパリッと香ばしく食べられます。えびの内側に切り込みを入れてポキッとした感触があるまで伸ばすと、ピンッとまっすぐなえびフライになりますよ！」（以下「」内、沼津さん）

沼津流の衣のつけ方まで細かく解説しているので、早速チェックしてみましょう。

殻付きのままえびに塩を振り、塩を全体にまぶします。塩を振ると、汚れや臭みを取る効果があります。

塩がなじんだら、ボウルの中や流水で汚れを落としながら洗い、ペーパーを敷いたバットにのせます。

水気を拭いて殻をむきます。尻尾にある尖った殻が指に刺さると危ないので、最初に尖った部分をポキッと折ってから全体の殻をむき、尻尾の付け根の殻は残しておきます。

えびの背中を上にして置き、V字になるよう尻尾の先を切り落とします。開いて尻尾の中の汚れと水分を包丁の先で掻き出しましょう。

「油の中で弾けないよう、尻尾の中の水分と汚れをしっかり掻き出しておくのが大切。これで揚げたときに尻尾まで香ばしく仕上がります」

えびの背中の上から1〜2cm辺りに竹串を刺し、ゆっくりと背ワタを引き上げてやさしく抜きます。

えびのカーブした部分の内側に等間隔で3〜4ヶ所切り込みを入れます。切り込みを入れたら、えびをポキッと折ってまっすぐに伸ばします。

「ポキッとした感触があるまでしっかり伸ばしてください。切り込みはあまり深く入れすぎないよう注意してくださいね」

水気をしっかり拭いたえびに小麦粉→卵液→パン粉の順で衣をつけます。

「このとき、溶き卵に牛乳を少量加えると全体がなじんで、卵液が絡みやすくなります。牛乳がなければ水でもOKです。

えびの切り込みの間にも粉をつけ、卵液がしっかりついているか確認を。右手は使わず、左手でパン粉をつけて、最後にえびをまっすぐ伸ばして整えてください」

フライパンに揚げ油を1cmくらい入れ、菜箸を入れてすぐに泡が出たら適温なので、えびを入れましょう。油に入れたらすぐに触らず、きつね色になったら返します。

「えびの香りがしてきたら揚がったサイン。切り込みを入れているので、揚がるのも早いですよ。全体がきつね色になったら取り出してください」

油を切って皿に盛り、好みで付け合わせの野菜とタルタルソースを添えたら完成です。

カラッと揚がったえびフライは、これぞ完璧なビジュアル！　ピンッとまっすぐ美しい佇まいで、尻尾の先まで黄金色に揚がっています。ひと口食べるとプリプリで幸せ〜。くるんと丸まったえびフライもボリュームがあっておいしいですが、まっすぐなので食べやすく、お店のような仕上がりに感動です。

実際に試してみたところ、ポキッと音がするまでしっかり伸ばした方が、揚げたときにまっすぐした形をキープできました。切り込みが浅いとポキッと折れず、丸まりやすいので好みで調整してくださいね。

やっぱり自分で揚げたえびフライは最高！　家族にも人気のメニューなので、ぜひ「まっすぐえびフライ」に挑戦してみてください。

取材・文／岸綾香