尻尾の汚れや水分を掻き出すのがポイント
nullブラックタイガーなど、ちょっと値の張る殻付きのえび。せっかくならおいしく食べたいですよね。なんとなく殻をむいて背ワタを取って……という人も多いのではないでしょうか。そこで、「えびの下ごしらえ」の基本を沼津さんとおさらいしましょう!
「下ごしらえを正しく行っておくと、調理したときの味がひと味変わってきます。特にえびは臭みがあるので、下ごしらえが大切。みなさんがあまりやらないのが、尻尾の処理。尻尾の汚れや水分を掻き出しておくと、このひと手間で尻尾まで香ばしくおいしく食べられますよ」(以下「」内、沼津さん)
(1)塩もみする
殻付きのままえびに塩を振り、塩を全体にまぶします。
「塩を振ると、汚れや臭みを取る効果があります」
(2)水で洗う
塩がなじんだら、ボウルの中や流水で汚れを落としながら洗い、ペーパーを敷いたバットにのせます。
(3)殻をむく
水気を拭いて殻をむきます。このとき危ないのは、尻尾にある尖った部分。指に刺さると痛いので、最初にこの尖った部分をポキッと折ってください。折ると簡単に殻がスルッと取れます。
それから全体の殻をむき、尻尾の付け根の殻は残しておきましょう。
(4)尻尾を処理する
えびのカーブ(背中)が上になるように置き、V字になるようそのまま尻尾の先を切り落とします。尻尾を開くとキレイなV字になりました。さらに、尻尾の中の汚れと水分を包丁の先で掻き出します。
「尻尾の中の汚れや臭みを取ると、よりおいしく仕上がります。尻尾まで香ばしく食べられますよ!」
(5)背ワタを取る
えびの背中に包丁を浅く入れ、背ワタを包丁で押さえて引き抜きます。包丁の先で背ワタをやさしく掻き出し、ゆっくりと抜いてください。
竹串や爪楊枝で取る場合は、えびの背中の上から1〜2cm辺りに竹串や爪楊枝を刺し、ゆっくりと背ワタを引き上げ、下の方に入っている背ワタもやさしく引き抜きます。
「竹串よりも包丁で切り込みを入れた方が、背ワタを確実にキレイに取り除くことができます。最近は背ワタが入っていないえびも多くなってきましたが、必ず背ワタが入っているかどうか確認してくださいね」
(6)えびを開く
えびの背中に包丁を深く入れて、身を開きます。えびの先端まで切り込みを入れて広げましょう。
「こうするとプリッとするので、ソテーやえびマヨなどにおすすめです。火の通りが早く、見た目も華やかに仕上がりますよ」
(7)えびの下ごしらえが完成!
これで基本の下ごしらえは完了です。あとはお好みで調理してください。
はねないように尻尾の先を切るのはなんとなくやっていましたが、汚れや水分を掻き出すことを私はしていませんでした。実際にこの下ごしらえの方法でえびチリを作ってみたところ、身がプリッと仕上がり、臭みゼロで尻尾までおいしく食べられて感動!
料理は下ごしらえが大切であることを改めて実感。ぜひ、えびを調理するときの参考にしてください。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」