粘り気のある米を使えば、おこわのようにもちもちに!
null秋のごちそう「栗ごはん」。肌寒さを感じる秋の初めに、ちょうど食べたくなりますね。せっかくなので今年は栗を自分で下ごしらえして、お鍋で炊いてみませんか?
「栗は皮が厚くアクも強いので、下処理に手間がかかりますが、この時期だけのお楽しみ。秋ならではの手仕事を味わってみてください。もちろん炊飯器でも作れますが、今回はお鍋で炊く方法を紹介します。
米は『ゆめぴりか』を使いました。他にも、コシヒカリ、新之助、ミルキークイーン、つや姫など、あっさりした米よりも、もっちり粘り気のある米の方がおこわみたいな食感に仕上がります。ル・クルーゼやストウブなど、家庭にある厚手の鍋で上手に炊けるので、ぜひ試してみてくださいね」(以下「」内、沼津さん)。
【材料】(2合分)
栗・・・500g(正味250〜300g)
米・・・2合
酒・・・大さじ1
水・・・360ml
塩・・・小さじ2/3〜小さじ1
昆布・・・5cm四方
【作り方】
(1)栗を洗い、熱湯に入れる
まずは栗を洗います。栗をこすり合わせて、表面の汚れを洗い落とします。
きれいに洗ったら熱湯に栗を入れ、15分ほど浸けて皮をやわらかくしましょう。
(2)米の準備をする
次に米の準備をします。ボウルに米を入れ、水を注いでサッと汚れを落とし、水を捨てます。再度水を入れたら、グルグルかき混ぜるだけでOK! 水を替えて、これを2回ほど繰り返し、水に透明感が出てきたら終了してください。
「最近の米は研ぎすぎると割れてしまうので、かき混ぜるように研げば大丈夫ですよ」
鍋で炊く場合は、このまま15分浸水させます。
15分後、米が白っぽくなったら浸水できたサイン。ざるにあげて、ポタポタと水滴が落ちなくなるまで水気を切ってください。
「鍋で炊く場合は、しっかり水を切るのがポイント。水を十分に切らないと、炊飯用の水を加えたときに、水が多くなってしまうのでベチャッとした炊き上がりに。水をしっかり切っておけば水加減がぴったり合うので、失敗なく炊けますよ」
栗を熱湯に浸け、米の準備を先に行っておくと、この後の作業がスムーズです。
ちなみに炊飯器で炊く場合は、最近の炊飯器は浸水時間も炊き時間に含まれているものが多いので、米を洗ったら浸水せずにそのまま炊飯器の内釜に入れてください。
(3)栗の皮をむく
熱湯から栗を出して水気を拭き、いよいよ栗の皮をむきます。
「栗の下部分を包丁で切りながら、まず鬼皮(外側の厚い皮)をむきます。皮がやわらかくなっているので、手でも簡単にスルンとむけます。
次は渋皮(栗の表面の薄い皮)をむきます。切りおとした所から1周むき、それから両サイドをむくと失敗なくむけますよ」
栗が大きい場合は食べやすい大きさに切ってから、水に浸けてアクを抜きましょう。アクが抜けるまで数分置いてください。
(4)鍋に米と栗を入れる
鍋に米を入れてから、酒、360mlの水(米1合に対して水180mlなので、2合分で360ml)を入れます。塩を入れて軽く混ぜ、昆布を入れます。栗は混ぜずに米の上に敷き詰め、上にのせて炊いてください。
炊飯器で炊く場合は、通常通り2合のメモリの水加減にセットしてから、塩と昆布を入れ、同様に米の上に栗をのせて炊けばOKです。
(5)米を炊く
準備ができたらふたをして強火にかけ、沸騰するまで強火で加熱します。グツグツ音がしてきたら弱火にして、さらに10分加熱しましょう。火を止めて10分蒸らしたら完成です。
(6)できあがり!
蒸し上がったら昆布を取り出し、ごはんと栗を混ぜ合わせ、お茶碗に盛り付けていただきましょう!
ひと口頬張ると、栗がホクホクで、ごはんはもっちり! ほどよい塩加減が絶妙で、ピュアな栗の素朴な甘味を感じます。そしてしみじみ、やっぱり鍋で炊くとおいしい! これぞ秋の味覚ですね。
「鍋で炊くと格別で、栗もホクホクに仕上がります。もっとおこわっぽくしたい人は、1/2合分だけ米をもち米に替えてみてください。市販のむき栗を使用する場合も同じように炊けばOKですよ」
暑さもゆるんで過ごしやすい季節、秋の手仕事をゆったりと楽しみながら、ぜひ秋の味覚を味わってみてください。きっと家族も喜ぶはずです。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」