仕上げに余熱で火を通して、しっとり仕上げる
null前回は電子レンジを使ったささみの下ごしらえの方法を教えてもらいました。
詳しく知りたい人はこちらを参考に。→「ささみの酒蒸し」はレンチンが正解!蒸し汁に浸せばしっとりパサつかない【沼津りえの神ワザ下ごしらえ #5】
今回は、しっとりおいしくゆでる方法を沼津さんが解説。ポイントは火の入れ方にあるとのこと。
「ささみは1分間ゆでたらすぐに火を止め、そのままゆで汁の中に15分置いて、余熱で火を通すとしっとり仕上がります。余熱で火を通すと心配な人もいるかもしれませんが、ささみは鶏肉の中でも火の通りが早く、さらに水からじっくりゆでるので、この方法で充分火が通りますよ。
沸騰したところにささみを入れると、身がキュッと締まって回りだけ固まってしまい、いいだしがとれません。必ず水から入れてゆでてください。せっかくなので、ぜひおいしいスープも味わってみてくださいね」(以下「」内、沼津さん)
【材料】(作りやすい分量)
ささみ・・・4本(200〜250g)
水・・・500ml
塩・・・小さじ1/2
(1)ささみを水に入れる
ささみ4本に対して、水は500ml用意します。鍋に水と塩を入れ、筋取りをしたささみを入れます。
「沸騰した湯にささみを入れると、周りが硬くなってだしが出にくくなってしまうので、必ず水からゆでて、鶏のだしもじっくりとりましょう」
(2)沸騰したら1分ゆでる
鍋を強火にかけ、沸騰したら火を弱めて1分ほど加熱します。1分経ったら火を止めてアクを取ります。
(3)そのまま15分置く
ゆで汁にささみを浸けたまま15分置きます。
「火を止めてから、余熱でさらに火を通します。余熱で火を入れることで、パサつかずしっとり仕上がりますよ」
(4)保存容器に入れる
保存容器にささみを入れ、ゆで汁を100mlほど入れます。ゆで汁も入れておくことで、しっとりした状態をキープしながら保存できます。保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。
スープを作らない場合は、ゆで汁を全量入れてOK。ゆで汁が多いと日持ちがよくなります。全量入れた場合は、冷蔵で3〜4日保存可能です。
(5)ささみの下ごしらえが完成!
上記の保存期間を目安に、サラダのトッピングにしたり、裂いてバンバンジーにしたり、使い方はいろいろ。
「私はよく、生クリーム、塩、こしょう、パプリカパウダーと一緒にブレンダーで混ぜて、ささみのムースを作ります。しっとりなめらかで好評なんですよ!」
シンプルに鶏の旨味を味わえる「鶏だしかきたまスープ」
null「ゆで汁」を使って手軽にもう1品。鶏の旨味が溶け出たスープも作れて一石二鳥です!
【材料】(作りやすい分量)
ささみのゆで汁・・・適量
長ねぎ・・・適量
卵・・・1個
粗挽き黒こしょう・・・適量
ささみをゆでた汁を再度沸かし、小口切りにした長ねぎを加え、沸騰したら溶き卵を回し入れます。仕上げに粗挽き黒こしょうを振ったらできあがり!
「ゆでるときに塩を入れているので、味付けは不要ですが、好みでしょうゆや粉チーズ、ラー油などをかけてもおいしいですよ。シンプルだからこそ、味のバリエが広がります。溶き卵は沸騰しているときに入れると、ふんわり仕上がりますよ」
長ねぎと卵でシンプルに味わうので、鶏の旨味をしっかり感じます。優しい味わいなので、そうめんを加えてにゅうめんにしても◎。薄味なのでいろいろアレンジできそうですね。
次回は「ふき」の下ごしらえを紹介します。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」