「なめたけ」のとろみを使えば、水溶き片栗粉は不要!
null今回は鳥羽シェフイチオシの「中華丼」。本当にとっても簡単なのですが、知れば知るほど奥が深い……。考え尽くされた味のバランス、手軽に作るためのコツ、この1杯の中に鳥羽ワールドがギュッと詰まった逸品です。
「中華丼のとろみをつけるのって意外と面倒じゃないですか? 片栗粉だと調整がなかなか難しいですよね。そこで水溶き片栗粉の代わりに使うのが“なめたけ”! コレが本当にスゴイやつで、旨味を重ねながらとろみまでつけてくれる超優れもの。
味付けはめんつゆ×オイスターソースを掛け合わせるだけで、中華丼風の味にバシッと決まります。野菜はカット野菜で充分おいしい。食べる直前に“ごま油”をかけるのもお忘れなく!」(以下「」内、鳥羽さん)
【材料】(1人分)
豚バラ薄切り肉・・・70g
カット野菜・・・1袋(150g)
うずらの卵(ゆでたもの)・・・4個
なめたけ・・・大さじ4
めんつゆ(5倍濃縮)・・・大さじ1
オイスターソース・・・小さじ1
ごま油・・・大さじ1、小さじ1
塩・・・ひとつまみ
ごはん・・・丼1杯分
【作り方】
(1)調味料を合わせる
「中華は手際が大事!」と、鳥羽シェフ。先に調味料は合わせておき、スピーディーに仕上げるのがポイントです。先にめんつゆ、オイスターソースは混ぜ合わせておきましょう。
「味付けは、めんつゆ×オイスターソースで簡単に! だし、甘味、コクが出て、手軽に本格的な中華丼の味になるんですよ」
めんつゆは5倍濃縮を使用。2〜3倍濃縮を使用する場合は調整してくださいね。
(2)豚肉は食べやすく切る
豚バラ肉はスプーンでも食べやすい大きさに切ります。
「今日はこれで切りものは終了!」って(笑)、本当に切るのは豚肉だけなんです。
(3)豚肉を炒める
フライパンにごま油大さじ1を熱し、豚肉を炒めます(ごま油は仕上げでも使うので、取っておきましょう)。豚肉の色が変わったらカット野菜を入れ、塩をひとつまみ入れて、軽く下味をつけます。
「炒めすぎないように注意しながら、野菜に火を通します。野菜がグシャッとなるとおいしくないので、8割火が通ったら調味料を加え、水分を飛ばしてシャキッと仕上げます」
野菜に火が通ったら火を少し弱め、合わせ調味料を入れて一気に絡めます。
(4)なめたけでとろみをつける
仕上げになめたけとうずらの卵を投入。
「水溶き片栗粉の代わりになめたけを使えば、難しいとろみの調整も失敗なし!」
(5)できあがり!
丼に温かいごはんを盛り、手早く具材をのせたら完成です。食べる直前にごま油小さじ1をかけ、旨味をさらに格上げしてください。
ごま油の香りに誘われ、ひと口食べてみると、口いっぱいに豊かな旨味のハーモニーがふわ〜っと広がります。オイスターソースのコク、めんつゆのだし、なめたけの甘味が複雑に絡まり合って激ウマ。具材をまとめてくれるなめたけのとろみ具合も最高です!
「そのまま八宝菜みたいにして食べても、焼きそばにかけてもウマイです。ごはんが進みまくるので、お父さんも子どもたちもモリモリ食べてくれるはず!」
早速作ってみたところ、少ない調味料で味がバシッと決まるのがなんとも気持ちいい! いつも常備しているなめたけですが、こんな使い方もあったんだと新発見。
ひとりランチにも、家族の夕食にもおすすめなパパッと作れる中華丼。とろみづけの手間から解放され、これから大活躍の予感です。
他にも書籍には、目からウロコなおいしいレシピが満載! ぜひ鳥羽シェフの絶品レシピを味わってみてくださいね。
取材・文/岸綾香
鳥羽周作
1978年生まれ。サッカー選手、小学校教員を経て、31歳で料理人に転身した異色のシェフ。オーナーシェフとして、2018年に東京・代々木上原にレストラン「sio」をオープン。ミシュランガイド東京2020から3年連続で一つ星を獲得。2022年6月3日に『食べたいから作る!鳥羽周作のとっておきごはん』を出版。
YouTube『鳥羽周作のシズるチャンネル』