なすを漬けるだけで、ワインにぴったりなおしゃれな前菜に
null今回教えてもらう「なすのマリネ」は、小野さんのお店のランチメニューに添えられているのですが、味がシミシミでとってもジューシー! 一度食べると、ヤミツキになるおいしさです。
「なすのマリネは、イタリアではポピュラーな前菜。ワインとの相性もよく、冷製の前菜としてよく登場します。うちのお店では、1度に10本くらいまとめて作っておくんですよ。冷蔵で1週間くらい保存できるので、まとめて作りおきしておくと便利なんです」(以下「」内、小野さん)
このなすのマリネは、kufura編集部の動画チームも大好き! 早速作り方をチェックしてみましょう。
【材料】(2人分)
なす・・・4本
塩・・・適量
粗挽き黒こしょう・・・適量
オリーブオイル・・・計40mlほど
イタリアンパセリ・・・適量
[マリネ液]
バルサミコ酢・・・20ml
オリーブオイル・・・60ml
塩・・・ふたつまみ
粗挽き黒こしょう・・・少量
【作り方】
(1)マリネ液を作る
まずは、なすを漬けるマリネ液を作ります。ボウルにバルサミコ酢、オリーブオイル、塩、粗挽き黒こしょうを入れ、トロッとするまでよく混ぜ合わせます。軽くとろみがついたらマリネ液の完成です。
「マリネ液の酢とオリーブオイルの比率は、1:3が目安。今回はバルサミコ酢を使いましたが、ワインビネガーや寿司酢でもOKです」
(2)なすを切る
なすはヘタを切り落とし、ピーラーで3か所皮をむいてから、縦半分に切ります。
「なすは皮を少しむくと、皮をむいた所に焼き色がついて、マリネ液もよく染み込みます」
(3)なすに塩、こしょうを振る
なすの両面に、塩と粗挽き黒こしょうを強めに振って、下味を付けておきましょう。
(4)なすを焼く
フライパンをしっかり温めてからオリーブオイルを入れて、なすを強火で焼きます。
「フライパンを熱くしないと、なすの焼き色がきれいにつかないので、フライパンはしっかり熱するのがポイント。なすを入れたらあまり動かさない方が、焼き色がきれいにつきます。
なすはスポンジのように油をよく吸うので、できるだけ最低限の油で仕上げたい。最初に油が多すぎると、なすが油を吸って焼き色がきれいにつかないので、オリーブオイルをその都度足しながら焼くのがポイントです。焼き色をつけながら、なすに少しずつ油を吸わせて、オリーブオイルを足しながら焼いていきます」
自宅で作るときもしっかり強火で焼くのが、きれいに仕上げるコツと小野さん。なすの表面がこんがり焼けたらひっくり返してください。
「なすの表面がふつふつしてきたらOK! なすの内側の水分が沸騰しているってことなので、中まで火が通っている証拠です」
しっかり火が通ったらなすを取り出し、保存容器に入れてください。
(5)マリネ液に漬ける
作っておいたマリネ液を再度混ぜて乳化させてから、なすの入った保存容器に入れ、なすの表面にラップを密着させます。
「なすが熱いうちにマリネ液をかけて、味をしっかり染み込ませてください。なすの表面にラップをぴったり密着させて”落としラップ”をすると、マリネ液がよく染み込みますよ」
粗熱が取れたら冷蔵室に入れ、2時間以上置いてください。
(6)できあがり!
冷蔵室に2時間以上置いたら、ラップを外して器に盛り付けます。仕上げにオリーブオイル適量をかけ、ちぎったイタリアンパセリを飾ったら完成! 冷蔵で1週間保存できるので、まとめて作っておくのもおすすめですよ。
真っ黒な見た目からは想像できませんが、ひと口食べると、なすからジュワッとバルサミコ酢が効いたマリネ液が口いっぱいに広がります。なすの香ばしさとオイルの旨味も加わって、とっても濃厚!
冷たくするとさらにおいしくて、ワインにぴったりなおしゃれな前菜に。旨味をたっぷり吸ったなすは、それだけで贅沢なごちそうですね。
「オイルをたっぷり使うので、エクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。オリーブを搾っただけの良質な植物性オイルなので、体にもいいですよ」
食材はなすだけなのに、大満足の一品にスタッフ一同感動でした。焼いて漬けるだけとシンプルなうえ、日持ちもするので、ぜひ作りおきしてみてくださいね。
次回は「アクアパッツァ」について教えてもらいます。
【取材協力】
小野宗隆
軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。
取材・文/岸綾香