新しい洗濯表示が実はよく分からない…
新しい洗濯表示が実はよく分からない…2016年(平成28年)12月1日より、衣類等の繊維製品の洗濯表示が新しく規定されました。ドラム式洗濯機等による「タンブル乾燥」、衣類の漂白に使用される「酸素系漂白剤」などの新しい記号が追加されたり、洗濯やアイロンの指定温度がこれまでより細かくなったことにより、洗濯記号はそれまでの22種から41種へと倍近くに増えたんです。そんなに増えたのなら、混乱するのも仕方ないかもしれませんね。
また、これまで日本独自の表示だったものが海外でも使用されているものに統一されたので、衣類の輸出入に伴う手間やトラブルも減らせるようになりました。海外旅行で購入した思い出の衣類もしっかりケアできるのはありがたいですね!
新しくなった洗濯記号の一覧はこちらです。
6色で色分けされている通り、「家庭洗濯」「漂白」「タンブル乾燥」「自然乾燥」「アイロン」「クリーニング」それぞれの基本記号と、付加記号や数字で指示がプラスされています。
基本記号はこの5つ。
洗濯の記号
null洗濯おけのような記号ですが、これで「洗濯機による洗濯」を意味します。
- 数字:洗濯温度の上限
- 線なし:通常の洗濯
- -(横1本線):弱い
- =(横2本線):非常に弱い
線が増えるほど弱めに洗うという点に注意が必要です! ですから、
この表示は左から「水温40℃まで、洗濯機で洗濯可(標準コース)」、「水温40℃まで、洗濯機で洗濯可(弱く)」、「水温40℃まで、洗濯機で洗濯可(さらに弱く)」ということになります。
※洗濯機により設定が異なります。
また、この表示に手が入ると「手洗い可(水温は上限40℃が目安)」、バツマークがつくと「洗濯は不可」となります。
乾燥の記号
乾燥の記号タンブル乾燥の記号
これは「タンブル乾燥」を指します。一般的に家庭で使われる、機械の中でぐるぐる回しながら温風で乾かす方法全般のこと。この中にある点の数で温度を指定しています。
- ・(点1つ):低温(60℃まで)
- ・・(点2つ):中温(80℃まで)
点が多い方が高温と覚えましょう。この点による温度の目安はこのあとのアイロンでも出てきます。
また、これもバツマークがつくと「タンブル乾燥は不可」になります。
自然乾燥の記号
「乾燥」を表す四角い箱と、縦線、横線、斜め線の組み合わせで表されます。
- 縦線1本:つり干し
- 縦線2本:ぬれつり干し
- 横線1本:平干し
- 横線2本:ぬれ平干し
斜め線は「陰干し」を指すので、この5種の線の組み合わせで干し方を表します。
ぬれ干しとは、洗濯機や手洗いの際、すすぎのあとに絞らないで干すこと。このマークはあまり目にする機会はないかもしれませんね。
縦と横の線でつるすか平干しかを判断できるので、干し方のマークは覚えやすいかも!
アイロンの記号
アイロンの記号これも点の数が増えるほど温度が高いことを示します。
- ・(点1つ):低温(110℃まで)
- ・・(点2つ):中温(150℃まで)
- ・・・(点3つ):高温(200℃まで)
こちらもバツマークがつくと「アイロン不可」となります。
また、以前はアイロンの下にあて布をしく付加記号がありましたが、それはなくなりました。
漂白の記号
漂白の記号左から、「塩素系・酸素系の漂白剤が使用可」、斜め線が入ると「酸素系漂白剤のみ使用可」、バツマークがつくと「漂白剤は使用不可」となります。
クリーニングの記号
クリーニングの記号こちらは基本的にクリーニング屋さんにお任せで大丈夫。
P、Fでドライクリーニングで使用する溶剤を指定しています。Wは、クリーニング店が特殊な技術で行う水洗いを指します。
丸にバツマークがついた「ドライクリーニング不可」というマークは覚えておきましょう。
実際の洗濯表示を読んでみた!
nullここまで理解したところで、自宅にある白いTシャツ2枚の洗濯表示を比べてみました。
- 手洗い可
- 漂白剤の使用不可
- タンブル乾燥不可
- つるし干し(日なたでOK)
- 中温でアイロン
- 石油系溶剤によるクリーニング可(弱い処理)
※あて布使用の付加記号がなくなったので、必要な場合はこのように注釈の形で記載されます。
- 30℃以下の水でごく弱い水流で洗濯可
- 漂白剤の使用不可
- タンブル乾燥不可
- 日陰で平干し
- 低温でアイロン
- ドライクリーニング不可
- ウェットクリーニング可(ごく弱い処理)
読めたー!と感動(笑)。ほぼ同じように見える白Tシャツなのですが、後者の方が扱いに繊細さを求めているように感じます(全くその通りには洗濯していないです……)。
これは普段着なのであまり気にしていなかったのですが、お気に入りの服はやはりきちんとお手入れしたいですよね。
服を買うときに表示をチェックしなかったために、あとから「この服家で洗濯できないんだ!」と気が付き、なかなか着る機会がなくなるという失敗を数回している私。また、色落ちや洗濯ジワなどの洗濯に関するトラブルも、洗濯表示を見ていれば防げたものもあるはず……。
大切な服を長く着続けるために、これからはお手入れの際は洗濯表示をしっかり読み解く習慣をつけていきたいと思います。
参照:消費者庁「新しい洗濯表示」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/laundry_symbols.html