現在の総貯蓄額、パッと言えますか?
nullあなたは、各口座にある預貯金、財形、保険など、現在の金融資産がいくらあるか、把握していますか? 最後に確認したのはいつですか?
“貯まる人”は、必ずと言っていいほど「総貯蓄額」を頭に入れているんです。
では、総貯蓄額を把握しておくとどんなメリットがあるのでしょうか?働く主婦280人に家計や生活行動について行ったアンケート(調査実施:カクワーズ/概要は下部参照)の調査結果から、考察してみたいと思います。
データ1:総貯蓄額を言える人は、年間の貯蓄目標額を持っている人が5割強!
null総貯蓄額の把握について(働く主婦全体)
Q:あなたは、現在の総貯蓄額をすぐ答えられますか?(総貯蓄額とは、貯蓄として保有している金融商品の合計金額を意味します)
調査では、総貯蓄額について「細かい金額まですぐに言える」と回答した人は全体の14.3%。「大体の金額はすぐに言える」と回答した人は58.9%で、合わせると働く主婦の7割強は、総貯蓄額を把握しています。
一方で、「調べればわかるが、すぐにはわからない」「どこにいくらあるのかわからない」と回答した人は全体の約25%。4人に1人は、総貯蓄額を把握していない状態でした。
銀行をたくさん使っている、引っ越しで支店が遠くなり残高が確認できない、保険などはほったらかし……こんな風になってしまうと、いざという時に使えないばかりか、目標まであとどのぐらいかもわからず、家計の計画も立てにくくなります。
また、使わないまま放置している口座は、“休眠状態”になっています。国はこうした休眠口座のお金を活用しようと、今年「休眠預金等活用法」を施行しました。今後は、10年以上取引がない休眠口座の預金は、預金保険機構に移管されてしまう場合があります。
銀行に預けっぱなしにしておけば、とりあえずなくならないし、ほったらかしでも大丈夫……という時代ではなくなったのです。
データ2:貯めてる共稼ぎは細かい金額までハッキリ言える!
null総貯蓄額の把握(年間貯蓄額別)
では、“貯めてる共稼ぎ”家庭は「総貯蓄額」をどの程度把握しているのでしょうか?
先ほどご覧いただいた、「細かい金額まですぐに言える」は、グラフ内のオレンジの部分です。
年間貯蓄額が100万円以上の共働き夫婦は、ここが21.5%であるのに対し、年間貯蓄額が100万円未満の層では、8.8%しかありません。
どちらも、「大体の金額はすぐに言える」(薄いオレンジの部分)まで合わせるとほぼ同じですが、「細かい金額まですぐに言える」かどうかでは、歴然とした差があることがわかります。
これは“貯めてる共稼ぎ”のほうが、より意識して総貯蓄額を見ているということの表れと考えられます。
今回の調査では総貯蓄額をチェックする頻度まではアンケートを行っていませんが、これまでの取材では少なくとも年に1度は必ずしているという人が多く、中には毎月総貯蓄額をチェックしている人もいました。実際、取材で総貯蓄額を伺うと、貯めている人ほどスラスラと出てきます。
総貯蓄額を把握しておくと、どんな良いことがあるのでしょうか?
その理由として、次のような意見がありました。
「総貯蓄額が思ったほど伸びていないときは、何か出費が増えている証拠。普段は家計簿をつけていませんが、家計の変化を知る目安に。原因を確認することで、大きなケガをする前に改善できます」
「細かいお金の話は苦手な夫ですが、総貯蓄額だけは共有しています。マイホームの頭金への目標に近づくたびに、互いにモチベーションが上がり、ムダ遣いに気をつけるように。少しずつ家計にも興味を持ってくれるようになり、本当に無理なく払えるローンがどのぐらいか、具体的に話し合えました」
「毎月の貯蓄額は数万円ですが、総貯蓄額は1,000万円超え。おのずとモチベーションが上がりますし、安心感も絶大です。総貯蓄額を見るたびに、家計をもっと見直したくなるきっかけになります」
などなど……。総貯蓄額を見るだけで貯蓄に良い効果がたくさん生まれるんですね。
総貯蓄額の一覧表を作ると、貯蓄が伸びます!
null銀行口座がたくさんあると、それだけ管理も大変になってしまいますし、休眠口座を作ってしまう心配もあります。時間を作って、持っている銀行口座の棚卸をしてみましょう。必要なものだけ残して、活用頻度が低いものやあまり意味なく持っている口座は、この際リストラを。
また、定期的に総貯蓄額をチェックしていくために、次のような総貯蓄額一覧表を作っておくのもオススメです。
チェックした日付と口座が一覧で見渡せる、シンプルな表で十分です。
家計簿やノートに手書きでもいいですし、エクセルで作成してももちろん構いません。
「今いくら貯まったか」が常にわかる環境を作ると、お金の使い方や貯め方を振り返る習慣ができます。結果的に、貯蓄が続き、伸ばしていけるのです。
調査概要:20代から40代の既婚主婦556人に対し、インターネット調査を実施(2017年6月、全国対象)。調査対象者の中から有職主婦(うち会社員46.1%、パートアルバイト44.6%、他9.3%)280人を抜粋して分析。
調査企画・分析・データ提供:株式会社カクワーズ
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