お金の不安は「自分の財布」と「国の財布」両方なんだ!
null物価が上がり、円安が進み……。お金周りのニュースが飛び交っています。もちろん自分のお金周りもますます不安に。
ただこれまで、お金周りのことは「ザックリ把握」な生活で。「このままじゃいけない!」とお金の本を手に取ったことはあったのですが、どれもわかったような、わからないような……。
でも本屋で見かけて手に取ったこの、暮しの手帖別冊『お金の手帖 Q&A』(暮しの手帖社 1,430円)は、そんな「お金周りの超初心者」の私に刺さった本でした。
“不安な時代をのりこえる、一生もののお金の知識”
このサブタイトルだけでグッと心を掴まれたのでした。生活者に寄り添った誌面づくりで信頼の厚い「暮しの手帖別冊」というところも選択のポイント。
お金の不安を「先延ばしにしない」ために
nullこの一冊。私と同じように「家の家計管理はどんぶり勘定」だった編集者の方が作った、とあとがきにあり、納得。
お金のことが苦手な担当編集さんが「お金の不安を解消したい。わからないことは腑に落ちるまで、専門家に尋ねよう」という姿勢で、丁寧に、親切に構成されています。
内容は大きく2つの章に分かれていて、
・日本の経済は今、どうなっているのか。今後どうなっていくのか。
・我が家の“家計の不安”を取り除くには
です。
そうなのか! お金周りのこの2つ、国のお金事情(年金とか、税金とか、円安とか)と、自分の家計を混ぜてしまうから余計わからなくなる。それぞれのモヤモヤをまず解消することからスタートすればいいのか。
この本は、ひとつひとつの項目が、読者の方からのリアルな質問と専門家の答えという、Q&Aで構成されているのも、理解しやすいポイント。
「年金、ほんとうにもらえる? 年金制度が、将来的に破綻するのではないかと心配です」
「なぜ日本の経済は、ずっと停滞しているの?」
「老後に2,000万円必要というのは本当なのでしょうか」
「投資を始めたいけれど、調べる気にならず、後回しにしてしまいます」
などなど。
どれもニュースなどでもよく話題になっている事柄ではありますが、この本での専門家の解説は、イラストや図も多く、平易な言葉でわかりやすく伝えてくれています。
加えて。可愛いイラスト満載のページの中で、MMTとか、ベーシックインカムとか、デフレとか、失われた30年とか……聞いたことはあるけれど、実は本質的には理解できていない、いわゆる経済用語もわかりやすく解説。
この本のあとがきにもありますが、“漠然とした不安は「知識」でかなり振り払える”、この1冊を読んで本当にそう実感しました。
「知らない」から「不安」になる。ホントにそう。
これまで、なんとなく「お金の色々」を先送りにしてきたお仲間のみなさんに、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
国や銀行の「お金の仕組み」を理解するなら
nullそしてもう一冊。前述の本を読んだ後だと、より理解しやすいのがこちら。『お金のむこうに人がいる』(田内学著 ダイヤモンド社 1,760円)です。
こちらは「日本や外国、今の世界のお金の流れって、どうなってるの?」を色々な角度から、わかりやすく解説してくれている本。
「国のお金は、3つの財布『政府の財布』『企業の財布』『個人の財布』で成り立っていて、使ったお金は消えてなくなる訳ではなく、どこかに移動しているだけ」
という考え方に、まず、たしかに!そう考えるのか、と気付かされました。
年金への不安や、銀行に預金するということ、価格と価値、労働と対価など、数字の裏にある「人」のあり方や考え方を示唆してくれる、経済の入門書、といったところ。
こちらも、平易なコトバで書かれているので、少しずつ納得しながら読み進むことができました。
これまでになく経済が不安的になってきている今の時代、自分の知識を蓄えることで、毎日の、未来への不安を少しでも解消していきたいですね。
趣味は料理、スポーツ観戦と旅に出ること。食いしん坊。『Oggi』や『美的』で美容やファッション担当として20年ほど女性誌を編集、2018年からkufura編集長に。2021年4月〜2022年10月にはラジオJ-WAVEで毎朝の生番組のナビゲーターも。インスタグラム@sizukuishii