薄力粉の保存方法
どこの家庭にもある、最も定番の粉ものといえば“薄力粉”。皆さんはいつも、どこにどのようにして保存していますか?
中村さんによると、菌の繁殖を防ぐためには温度を一定に保つことが重要になるため、薄力粉は冷蔵庫で保存するのがベストとのこと。
「薄力粉はフタ付きの密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。ただ、冷蔵庫から出して使用する際、大幅な温度変化によって結露が発生するといたんでしまう可能性もあるので、使用後はすぐにまた冷蔵庫にしまうよう注意してください。
きちんと保存すれば、薄力粉は開封後1年ほど使用することができます。ただし、薄力粉に限らず、どの粉ものについても言えることですが、製品に記載されている賞味期限内には必ず使い切るようにしてください」
ちなみに、中力粉と強力粉の場合も同じ保存方法でOKとのことですが、「強力粉については開封後半年を目安に使い切るようにしたほうがいいでしょう」ということでした。
なお、冷蔵庫内のスペースの関係で、薄力粉などを冷蔵庫で保存するのが難しいケースもあると思います。そのような場合は、湿気の少ない涼しい場所であれば、常温で保存することも可能だそう。
「常温で保存する場合も、フタ付きの容器やジッパー付きの保存袋などに入れて密閉し、虫などが侵入しないようにします。そして、熱がこもるシンク下、電子レンジや冷蔵庫などの近くを避けて、涼
しい場所で保管してください。常温保存の場合は、大体開封後3カ月を目安に使い切るようにします」
片栗粉の保存方法
片栗粉についても、薄力粉と同様に、フタ付きの密閉容器に入れたうえで、冷蔵庫で保存するのがいいとのこと。
「保存期限の目安も薄力粉といっしょで、冷蔵庫で保存する場合は開封後1年、また常温で保存する場合は開封後3カ月を目安に使い切るようにしましょう」
パン粉の保存方法
パン粉には、生パン粉と乾燥パン粉がありますが、どちらも冷凍保存が最も適しているそうです。
乾燥パン粉を冷蔵庫で保存している人も多いと思いますが、冷蔵庫だと他の食品のにおいがパン粉に移ることがあるため、やはり冷凍庫で保存するのが二重丸。特に乾燥パン粉は、冷凍しても粉同士がくっつくことがないので、扱いやすくておすすめだそうです。
「生パン粉や乾燥パン粉はフタ付きの密閉容器に入れて、冷凍庫で保存するのがベスト。ただ、一度解凍したものを再冷凍するのは絶対にやめてください。どちらのタイプのパン粉も、それぞれ開封後は半年を目安に使い切るようにするといいでしょう」
ホットケーキミックスの保存方法
ホットケーキミックス(HM)の保存で最も注意したいのが、ダニなどの害虫の発生です。
「ホットケーキミックス以外にもお好み焼き粉などは、粉に害虫が好むいろいろな旨味がブレンドされているため、ダニなどの害虫が繁殖しやすくなります。
なるべく買いだめをせずに、必要な分だけを購入する。粉は残さず使い切る。残った分は必ず密閉容器で保存するようにすれば、ダニなどの侵入を防ぐことができます」
開封後は残さずに使い切るのがいちばんですが、残ってしまった分については、フタ付きの密閉容器やジッパー付きのフリーザーバッグに入れてしっかり封をし、冷凍庫で保存するのがいちばんいいとのこと。
「冷蔵庫での保存は、ホットケーキミックスに他の食品のにおいが移ってしまうこともあるので、やはり冷凍庫での保存がおすすめ。開封後は半年を目安に使い切るようにしてください」
なお、ホットケーキミックスにダニが発生した場合でも、しっかり加熱調理すれば問題ないと考える人も多いようですが、実はこれは大間違い。
「ダニアレルギーがある人の場合は、ダニの死骸やフンでもアナフィラキシーショックを起こす可能性があるので、加熱済みかどうかは関係ありません。
また、アレルギーを持っていなくても、小さなお子さんなど免疫力が弱い人の場合は、ダニの入ったホットケーキを食べてアレルギー症状を引き起こすこともあるので十分な注意が必要です」
ホットケーキミックスなどは、ダニなどの害虫の侵入により健康を害する危険があるので、保存の仕方には十分気をつけなくてはいけません。ぜひこの機会に、皆さんのお宅でも粉ものの保存方法を見直してみてはいかがでしょうか。また、商品によって賞味期限などは異なりますので、そのつどご確認ください。
【取材協力】
※ 中村友香・・・料理研究家、栄養士。目で楽しみ、味わえる、おしゃれな家庭料理を軸に、料理教室やテレビ出演、レシピ開発や電子マガジンの執筆など幅広く活動。体によい食事はもちろんのこと、食べる人に喜んでもらえるテーブルコーディネートや盛りつけのコツも伝授する。自分と周りの大切な人を幸せにする料理“おしゃれしぴ”をブログで発信中