暑中見舞い・残暑見舞いのギフトを贈る時期と目的
nullお中元の時期
まず、夏のギフトの代表であるお中元は、主に東日本では7月1日~15日まで。西日本では旧暦に合わせて1カ月遅れの8月1日から15日までとされています。最近では地域に関係なく、7月の中旬までに贈ることも多くなりつつあります。
暑中見舞いギフトの時期
暑中見舞いの品物を贈る時期は、一般的に夏の土用の期間(立秋の前の約18日間)とされます。2021年の土用は7月19日~8月6日。ちなみにうなぎを食べたりするのは土用期間中の「丑の日」で、今年は7月28日です。
地域によって贈る時期に違いがあり、東日本では7月中旬から立秋まで、西日本では8月初めから中旬(お盆の頃)までのところもあります。ですがこれも、全国的に立秋までの期間に贈るものを暑中見舞いとするようになってきています。
残暑見舞いギフトの時期
立秋を過ぎたら(西日本ではお盆を過ぎたら)残暑見舞いとして贈ります。暑中見舞いのお返しを残暑見舞いとして贈ってもマナーとしては問題ありません。
お中元と暑中見舞い・残暑見舞いの関係
本来、お中元はお歳暮と同じく、この半年間の感謝の気持ちを表すために贈るもの。暑中見舞いや残暑見舞いは、厳しい暑さの中、相手の健康を気遣い、お見舞いする気持ちを形にして表すものです。
お中元と暑中見舞いは目的が違うものですから、できれば両方を贈るのがベストですが、時期が重なったり近すぎたりすることもあります。
そんな場合は、お中元だけ出して暑中見舞いを省略することは可能ですが、お中元を省略して暑中見舞いだけを贈ることはNGです。受け取ったお中元の返礼の時期を逃してしまって、暑中見舞いとして贈ることはOKですが、本来は儀礼的に時期だけを考えて贈るという性格のものではないことは理解しておきましょう。
お中元は暑中お見舞いに比べフォーマルな贈り物ですから、どちらを贈るか迷った場合はお中元を優先して考えます。
また、お中元のお返しに暑中見舞い・残暑見舞いとしてお返しを贈ることが多いのは、もらってすぐにお返しするより少し時間を空けてからの方が奥ゆかしい感じがあるためと言われます。
喪中でも贈っていい?
お中元は自分や相手が喪中の場合も基本的に贈ることはできますが、なんとなくためらわれる場合には暑中見舞いや残暑見舞いまで待って贈っても良いでしょう。「お見舞い」であれば喪中でも問題ないというのは誰もが知るところだからです。
どちらの場合も、四十九日よりあとに贈るようにします。
暑中見舞い・残暑見舞いののしはどう書く?
暑中見舞い・残暑見舞いののしはどう書く?のしの表書きは「暑中御見舞」または「残暑御見舞」とします。目上の人へ贈る場合は、「暑中御伺い」「残暑御伺い」とすることもあります。
のしはお中元同様、赤白花結び(蝶結び)の水引です。簡易的な短冊もよく使われます。
添え状・送り状の書き方
添え状・送り状の書き方贈り物には添え状(品物と一緒に送る)や送り状(品物と別にはがきなどを送る)を添えるとより気持ちが伝わり、丁寧な印象を与えます。暑中見舞い・残暑見舞いですので、相手の体調などを気遣う言葉を入れるようにします。文章には以下の要素が入るようにします。
(1)季節の挨拶
「暑中お見舞い申し上げます」などの決まり文句から書き出す。
(2)日頃の感謝や、先方の安否を尋ねる言葉
「平素は格別のご高配にあずかり、誠にありがとうございます」などの感謝の気持ちを伝える挨拶を入れる。
(3)内容のお知らせ
「皆様のご厚情に感謝して、心ばかりの品を別送いたしましたのでご笑納くださいますようお願い申し上げます」など、贈り物に関した文章を入れる。
(4)先方への気遣いの言葉、結びの言葉
「暑さがまだまだ続きます。くれぐれもご自愛ください。」など結びの文章で締めくくる。
(5)日付
「〇年〇月〇日」、または、「令和〇〇年 盛夏」などのように書く。
※添え状の書き方は、暑中見舞い・残暑見舞いのはがきとほとんど同様ですが、送る品物の情報を相手に知らせる内容が必要です。
※お中元のお返しとして贈る場合は(2)の「日頃の感謝の言葉」の段で、「先日は○○をお贈りいただきまして有りがとうございました。」などと入れるとよいでしょう。ただし、本来お中元のお礼状はもらってすぐに発送すべきなので、すでにお礼状を発送した場合はこの限りではありません。
暑中見舞いの送り状の例文集
【上司・先生など目上の人へ】
厳しい暑さが続いておりますが、○○様におかれましては、健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
平素は何かとお気遣いいただき誠にありがとうございます。久しくご無沙汰してしまい申し訳ございません。
日頃の感謝の気持ちを込めまして心ばかりの品ではございますが○○○をお贈りしました。
○月○日にお手元に届く予定でございます。ご笑納いただけますと幸いです。
まだしばらくは厳しい暑さが続きます。くれぐれもご自愛下さるようお祈りいたします。
令和○○年盛夏
【ビジネス関係の相手へ】
盛夏の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のことと存じます。
平素は格別のご高配を賜わり、厚く御礼申し上げます。
さてこの度、◯◯百貨店より◯日到着予定で
心ばかりの品をお送りいたしましたので、どうぞご笑納ください。
暑さはまだまだ続きますが、皆々様の益々のご健勝を心よりお祈りいたしております。
◯◯株式会社◯◯部◯◯課
○○ ○○
令和◯◯年盛夏
【友人へ】
今年は大変な暑さですね。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
こちらは家族全員、元気な毎日を送っております。
本日、暑気払いに◯月◯日到着予定で、◯◯をお送りしました。
皆様で召し上がってくだされば幸いです。
向暑の折、どうぞご自愛下さいませ。
令和◯◯年盛夏
残暑見舞いの送り状の文例集
【上司・先生など目上の人へ】
立秋を過ぎましても、連日厳しい暑さが続いております。
◯◯様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
日頃の感謝を込めまして、本日◯◯店より◯日到着予定のクール宅配便にて
◯◯の詰合せをお送りいたしました。
どうぞお納めください。
略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。
令和○年○月○日
【友人や親しい親戚へ】
暦の上では秋になりましたが、一向に暑さが衰えませんね。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。
こちらは、とても元気に過ごしております。
さて、少しでもひんやりしてもらおうと、
○○日に○○がお手元に届くように手配いたしました。
冷たくして、召し上がってくださいね。
真夏日がまだまだ続くようです。どうぞ、ご自愛ください。
令和○年八月○○日
残暑見舞い・暑中見舞いの贈り物は暑さを和らげる品物が何よりです。時期がお中元のすぐあとなので、内容が重ならないよう、お中元の定番商品を避けるのも一つの手。話題のスイーツやお取り寄せグルメなど特別感のある商品などを選ぶ工夫も必要です。
いずれにしても、猛暑の中の相手を気遣い、少しでも喜んでもらえる品物選びをしたいものですね。