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意外と知らない中華料理のマナー。円卓の上座ってどこ?持ち上げていいお皿はどれ?

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お隣の国の料理ということで中華料理(中国料理)と和食は共通点が多い一方、マナーの違いも多くあります。回転式のテーブルに案内されたときのふるまいや、大皿料理が多い中華での取り分けの際に気を付けるべきことなど、意外と知らなかった食事の際のマナー全般について、マナーアドバイザーの松本繫美さんにじっくり教えてもらいました!

器を持ち上げない、料理を残してもOK…中華と和食の違い

気を付けるべきことのひとつめは、和食では箸をつけた料理は残さず食べなければならない一方、中華では残しても構わないので、料理全般に箸をつけるのがマナーです。

これは、古来中国では有力者が毒殺される事件が多かったために、出された料理全部に箸をつけて食べることが相手を信頼している証にもなるからとも言われます。また、中国ではもてなす側が惜しまずたっぷりと料理を提供することが美徳とされているという点からも、このようなマナーが生まれたのでしょう。

ふたつめに、器を持ち上げて食べる和食と異なり、中華では器は持ち上げません。床に正座し低いお膳で食事する時代が長かった日本では、器を持って食べるのが普通ですが、中国では西洋と同じでテーブルと椅子の文化。器を持ち上げずに食べるスタイルです。

和食のようにお椀に口をつけて汁物を飲むのもマナー違反です。必ずれんげを使って口に運びますから、注意しましょう。

円卓/回転テーブルのマナー

中華料理店でよく使われる円卓や回転テーブル。実は回転テーブルが発明されたのは1930年代の日本だと言われます。角がないため座る人数に融通がきき、取り分けしやすい便利な回転テーブルは、その後幅広く普及していきました。

テーブルが丸いために戸惑うのが上座はどこかという点です。この場合は部屋の出入り口から最も遠い位置が上座(図の1の位置)。上座に主賓が座り、主賓の人から見て、左、右の順に座っていきます。

回転テーブルには、調味料、お茶の急須、料理の大皿など、全員に回すものが置かれます。ビール瓶などの倒れやすいもの、食べ終わったあとの取り皿、グラス類は置いてはいけません。回転させるのは時計回りが基本です。

ナプキンは、座ってすぐ手に取らず、全員が着席して飲み物が用意されるタイミングで膝に置きます。二つ折りにし、折り目を自分の側にするのは西洋料理と同じでよいでしょう。

料理が運ばれてきたら、まず上座にいる主賓から取り始め、時計回りに回して順番に取ります。自分が取り終わっても、全員が取り終えるまで料理には手をつけないこと。一度全員に行き渡ってからも料理が残っていたら、あとは食べたい人が自由に取っても構いません。テーブルを回すときは、ほかの人が取っている最中を避け、時計回りにゆっくりと回します。

また、席を立って料理を取るのはマナー違反です。必ず座ったまま料理を取りましょう。

スマートな取り分け方

丸ごとの魚の料理など取り分けにくい場合や、遠慮がちな人が多く、料理がなかなか減らない場合などは、お店の人に取り分けを頼んでもよいでしょう。

自分以外の人に料理を取り分ける、お茶やお酒を注ぐということは基本的にはしません。

また、取り分けの時に自分の箸をひっくり返して使う「返し箸」もやってはいけません。

食べる時のマナー

最初に述べたように、和食とは大きく異なるのが器の扱い方です。茶器以外は食べる際にテーブルから持ち上げません。

また、取り皿は味が混ざらないように料理ごとに1枚ずつ使用します。和食では皿を重ねて置くことはタブーですが、中華料理では空いた皿は重ねて置いてかまいません。ただし、使用済みの皿は回転テーブルの上には乗せてはいけません。テーブルの上の邪魔にならない場所にまとめて置くようにします。

以下は、料理ごとに気を付ける点についてです。

●突出し

ザーサイやピーナッツなどが盛られた小皿が出る場合があります。食事の間、いつ食べても構いません。

●前菜

鶏肉や焼豚、くらげ、野菜など、数種類の冷製料理の盛り合わせが出されるのが一般的ですが、温菜がつく場合もあります。このときは冷たいものから食べていきます。大盛前菜の盛り合わせがおお皿で出た場合、偏りが出ないようにまんべんなく取ります。

●スープ

フカヒレやあわび、燕の巣など、高級食材を使った豪華なスープは前菜の後に、野菜や卵などの軽いスープはご飯・麺類の前に出されます。器は持ち上げず、れんげですくって口に運び、音を立てないように飲むのがマナーです。

●主菜

手を使って食べる食材の場合は、フィンガーボウルが用意されます。お茶が入っていることが多いので、誤って飲まないように注意しましょう。お茶の成分が油分やにおいを取ってくれます。指を洗った後はおしぼりか、膝の上のナプキンで水分を拭きます。

●主食

炒飯や麺類、白いご飯などが出ます。炒飯はれんげ、汁物類は箸とれんげ、焼きそばやご飯は箸を使って食べます。ちなみに、日本で中華料理を食べる際は飯椀は持ち上げてもOKとされていますが、中国では飯椀も持ち上げません。

注意が必要なのは麺類です。日本蕎麦のように音を立ててすすって食べるのはマナー違反。箸でつまんだ麺や具をレンゲで受けるようにしてまとめたものを箸で口に運び、音を立てずに食べます。ただし、れんげから直接麺を口に入れてはいけません。

●お酒

紹興酒がよく飲まれています。中国では料理が運ばれてきたときや、話題が転換されるたびに乾杯をする習慣があります。お酒が弱い人は、あらかじめ断っておけば大丈夫。紹興酒にはザラメを入れる飲み方もあります。

 

中華料理でも音を立てない、口を器に近づけない、姿勢よく座って食べるなどの点は西洋料理や和食と共通です。回転テーブルのマナーや箸の使い方などをどんなに良く知っていても、この3つが実行できないようでは困りますね。普段の食事から美しい所作を意識しておくことがとても大切です。

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