元気な高齢者が増えるなか、長寿のお祝いも多様化
null家族や親しい人たちがが集まってお祝いの席を設けることが多い長寿のお祝い。以前は自宅にお客様を呼んで会食をするのが主流でしたが、現在はレストランなどで行うことが多くなりました。なかには、ホテルの宴会場やレストランを借りきって盛大なパーティーをする人もいます。
また、会食だけでなく家族で旅行をするという人、ゴルフコンペを開催するなどのイベントを催す人もいて、お祝いの方法も多様化しています。
プレゼントについても、お祝いごとのイメージカラーにちなんだものを贈ることが一般的ですが、特にルールがあるわけではありません。
※イメージカラーについては「どれが何歳?還暦・古希・喜寿など、長寿のお祝いの呼び方と基礎知識」を参照してください。
長寿のお祝いの贈り物と言えば、ちゃんちゃんこと頭巾、扇子、座布団、などが一般的でした。しかし、平均寿命が男女ともに80歳を超える長寿大国日本では、60歳(数え61才)の還暦を皮切りに何度もお祝いを重ねることになります。本人の好みや希望を優先して違ったものにしても、もちろん全く問題はありません。
家族での長寿のお祝いの計画を立てるとき
まずはどんなお祝いにしたいかの希望を確かめましょう。「年寄り扱いされたくない」と、通常の誕生日のお祝い程度にしたい人もいれば、「節目のお祝いはきちんとしてほしい」と思う人もいます。また、まだまだ元気な方の多い還暦などでは、本人がお祝いの会を主催することも珍しくありません。
家族でホームパーティー形式にするのか、レストランでの会食にするのか、家族旅行をするのか、または、おじいちゃま、おばあちゃまお2人での記念旅行をプレゼントするのかなど、家族で相談して決めるとよいでしょう。
お祝いの日程についても、本人の誕生日にする、夏休みやお正月など家族が集まりやすい時に合わせるなど柔軟に考えます。特に80歳を過ぎるお祝いになると、体調との相談が何より大切になります。本人にとって無理のないことを最優先に考えたいものです。
長寿祝いの相場と喜ばれるプレゼント
nullお祝い関連の予算は?
お祝いを計画するときの予算は、一般的に両親のお祝いは1~5万円、祖父母は1~3万円、その他の関係なら5,000~2万円くらいになるようです。現金で渡す、プレゼントで渡す、会食や旅行に招待するなどお祝いの方法によっても幅があります。
長寿祝いのプレゼントにはどんなものがある?
プレゼントを選ぶ時は、以下の点に気を付けます。
- 相手の年齢や健康状態
- 相手の趣味・嗜好
- 相手が喜び、想い出に残る贈りもの
お花
大きな花束やアレンジメントをもらう機会は意外と少ないので喜ばれるプレゼントです。その場合はそれぞれの長寿祝いのイメージカラー(還暦は赤、古希は紫など)を取り入れた花束やアレンジにするのもよいでしょう。
お酒・お菓子など
定番のプレゼントであるお酒は、シャンパン、ワイン、日本酒、ビールなど、主役の好みに合ったものを贈ります。
お菓子も和菓子・洋菓子ともに人気。最近では名前や日付を入れてくれるカステラやデコレーションケーキ、長寿祝い用のデザインのおせんべいなど、商品の種類も豊富です。ただし、相手の体調や賞味期限への配慮を忘れないようにします。
家電、服飾品など普段使いできるもの
家電製品を贈る例も。マッサージチェア、女性には美容家電、男性には高機能のシェーバー、話題の健康器具なども喜ばれるでしょう。
または、バッグ、財布などの皮製品、女性であればアクセサリーなど。秋から冬の時期なら、あたたかなひざ掛けやカシミアのニット製品なども人気です。
趣味に関連したもの
ゴルフ愛好家であればゴルフ用品も喜ばれるアイテム。旅行券や観劇券、本人が好きな歌手のコンサートのチケット、スポーツ観戦のチケットなどもおすすめです。
長寿のお祝いとのしの書き方
何度でもお祝いしたい慶事ですから、水引は赤白の蝶結びを使います。
上段には、「祝米寿」「祝還暦」など。または単に「御祝」だけでもかまいません。下段には贈り主の名前を書きますが、贈り主が複数名になる場合は「子供一同」、「孫一同」と書いたり、名前を並べて連名としても。
プレゼントで避けたほうがよいもの
お祝いごと全般に言えることですが、長寿のお祝いでは特に「死」を連想させるものは避けたほうがよいでしょう。「くし(苦・死)」や「シクラメン(死・苦)の花」、「ハンカチ(手布→てぎれ→別れ)」などは縁起が悪いと言われることがあるので注意してください。
また「老い」を連想させるもの、例えば老眼鏡などの贈り物は、実用的ではありますが本人からリクエストがない限り避けた方が無難です。
【長寿のお祝いの豆知識】なぜちゃんちゃんこを贈るの?
nullちゃんちゃんことは、羽織の袖がないスタイルのものを言います。
着物を着ていた時代のお年寄りは、身分を問わず、ちゃんちゃんこを着ていることが多かったようです(日本の昔話の絵本や、ドラマに出てくる水戸黄門を思い浮かべてみてください)。
動きやすくお腹や背中を冷えから守ってくれるちゃんちゃんこ。「お年寄り」イコール「ちゃんちゃんこ」というイメージにつながったことで、ちゃんちゃんこを贈り、長寿のお祝いとする風習が広まったのではないでしょうか。
長寿祝いは無事にその年齢まで生きてこられたお祝いでもあり、「お年寄り」という時期に入ることを自他ともに認める機会でもあります。特に赤い還暦のちゃんちゃんこは、お年寄り入門の装いなのかもしれませんね。
長寿祝いは人生の節目となる大切なお祝い。生きていくことの励みになりますし、家族みんなにとって大切な思い出にもなります。ぜひ子供や孫から心のこもったお祝いをしてあげてほしいものです。