母からの「猫を拾った」という連絡
null地方で一人暮らし、88歳のお母さまから「猫を拾った」と報告を受けた時、小越さんは「母らしいな」と思ったそうです。
「電話で“猫が居着いちゃって世話してる”と聞いた時、いかにも母らしいなと思いました。昔から動物が好きな人でしたので。
ただ“猫”と聞いた時は驚きました。それまで犬やうさぎ、鶏などを飼っていましたが猫は初めてでしたので。なので“大丈夫かな”と心配はしました」(以下「」内、小越なつえさん)
初めての猫との生活で、猫の魅力を目の当たりにしたという小越さんとお母さま。これまでに犬を飼ったことはありましたが、飼育の仕方が全然違うことにも驚いたそう。
「とにかく犬に比べて“体がしなやか”で驚きました。擦り寄ってくる動作が可愛いです。
噛みつかれても犬に比べたら全然痛くない(笑)。猫パンチも可愛いですね。何より犬と違ってトイレ、散歩、入浴などの手間がかからないのがすごいな、と」


保護猫に出す、苦渋の決断
nullいくらしっかりしているとはいえ、88歳の高齢者が初めて猫を(しかも2匹!)飼育するのは大変なこと。いろいろと考えた末、知人の紹介により「保護猫カフェ」に委託をする決断をします。
「実家で飼育するのが難しいのです。田舎なので冬季以外は日中は部屋の窓を開放しています。犬はケージを設えれば外へ出ませんが猫はそう言うわけにいかず、国道に面している家なので車に轢かれるリスクがとても高く危険です。
そして母自身が88歳という高齢で、猫を最後まで世話できるかどうか責任が持てないと言うことで預けることにしました。
地域猫として世話をする事も考えたようですが、新潟という土地柄、天候による健康状態や事故、怪我などで姿が見えないことがあると“どうしたんだろう、大丈夫かな?生きてるのかな?”と心配してしまうので、保護猫カフェに預ければ安心という理由です。
それと同時に“今まで野良猫として自由にしていたのに施設に入れるのは猫にとって幸せなのか”と悩んでもいるようです」
「保護猫カフェ」とは?
nullたまたま知人のつてがあり、「保護猫カフェ」につながった小越さんのお母さまですが、そもそも「保護猫カフェ」とはどんなものなのでしょう?
「今回お世話になったのは『共生提案型保護猫カフェ らっくら家(らっくらや)』さんです。猫を保護して、里親さんにつないでくれる場所です」
小越さんのお母さまは猫を預けるにあたって「飼育費用や医療費」を月々支払う形ですが、それでもカフェの状況によっては預かることができない時もあるそう。猫を拾ったからお願いします、という丸投げはできません。あくまでも里親さんと猫をつなげるカフェなのです。カフェのお客さんは時間単位で料金を支払い、猫と遊んだり、お茶を飲んだりすることができます。
現在、小越さんのお母さまは、飼育費用の支払いをしながら2匹の猫の様子を見に月に一度のペースで保護猫カフェを訪れているとか。
「他の猫とも遊んだりして、楽しみにしているようです。オーナーさんと預かってもらってる2匹の今後の事などいろいろ相談したり、手厚くお世話していただいていて安心しています」
なお、2匹の猫は一緒に引き取ってもらえる里親さんを待っているそうです。

母と猫たちの漫画を
nullこの保護猫と88歳のお母さまのお話を、今回『kufura』でコミックエッセイとして発表した小越さん。描き切れなかったエピソードなどをご自身のSNSで、これからも発信していきたいと考えているそう。どのようなメッセージを伝えていかれるのでしょうか?
「伝えたいことと言うと大袈裟ですが、犬、猫に限らず動物とのほっこりした日常、エピソードを発信して私自身がほっこりしたいです。とにかく猫のことで知らないことがたくさんあるので、“猫ってこうなんだ!”と言う猫初心者のスタンスで描きたいです。エピソードで割愛した部分など、もっと細かく書き直して発信していきたいと思っています」

小越なつえさん。
小越なつえさん
漫画家。漫画家生活40年目、少女漫画、レディースコミック、エッセイコミック、青年誌とジャンル問わず。趣味は映画鑑賞と旅行。地元のアマチュア吹奏楽団で打楽器を担当。子どもの時から常に家に犬の居る家族全員が犬派だったのが、突然の猫との遭遇最近は猫もいいかも……と新しい世界にワクワクしている。ブログ…https://ogonatsu.seesaa.net/ xアカウントは@ogonatsu














