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ここはケチるべきじゃなかった…!「自宅のリフォームで後悔していること」を経験者108人に聞いた。

「もっと快適で素敵な空間で暮らしたい」という願いを叶えたいなら、自宅をリフォームするのもひとつの手。ところが、少なからぬお金と労力をかけて機能やデザインのバージョンアップを図ったつもりが、リフォーム後に「もっとこうしておけばよかった……」とさまざまな見落としに気づかされることもあるようです。

今回は、経験者108人に“リフォームで後悔していること”をテーマにアンケート調査を実施しました。

もっと慎重に業者を選ぶべきだった!

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「業者の見積を徹底的にやるべきだった」(58歳男性/その他)

「屋根をリフォームしたら雨水が溜まるようになった。違う業者にすれば良かった」(68歳男性/コンピューター関連以外の技術職)

「リフォーム会社の担当者がぼったくろうとしていたのが気に入らなかった。施工の質もいまいちで、壁紙の劣化がひどい」(52歳女性/総務・人事・事務)

「壁紙を貼る人が上手じゃなかったので今も見るたび気になっている。仕上がりに遠慮せず、ちゃんと不満を伝えるべきだった」(55歳女性/その他)

一生に何度も経験することのないリフォームだからこそ、業者選びは慎重に行いたいところ。今回のアンケートでは、業者の対応や施工の質に不満があり、「別のところにお願いすればよかった」と嘆く声が聞かれました。

会社のホームページではもちろんポジティブなことしか書かれていませんし、口コミ評価だってどれくらい信憑性があるかわかりません。見積の段階でしっかりコミュニケーションをとり、少しでも違和感があれば安易に契約はせず、別の業者と比較吟味するなど、リフォームのパートナー選びにおいて妥協は避けたいところです。

もっと予算をかければよかった!

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「和室のふすまをリフォームしたが、もっと予算をかけて良いものにしたほうが長持ちする」(58歳男性/研究・開発)

「予算をケチったら、障子の絵柄が安っぽくて不満」(66歳男性/営業・販売)

「予算を抑えるために、建具や床の傷をリペアで直してもらった。しかし経年劣化で傷跡が目立つので、新しいものに全面的に交換すればよかった」(54歳男性/総務・人事・事務)

「キッチンの棚のドアで気に入ったものが高かったので、妥協したんです。でも、妥協するべきではなかったとずっと後悔しています」(55歳女性/主婦)

「予算オーバーでも風呂の水回りを最新のものにすべきだった」(61歳男性/営業・販売)

限られた予算でいかにリフォームするかは頭の悩ませどころ。自分のこだわりや理想を全て叶えようとすると、お金がいくらあっても足りず、どこかで妥協する必要はあるでしょう。とはいえ、低予算に抑えようとすると機能性やデザイン面において後悔するおそれも……。費用と満足度のバランスをどうはかるのかは非常に難しい問題です。

以下でも、予算にかかわる後悔や失敗談が続きます。

もっと広範囲にリフォームすればよかった!

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「トイレのリフォームのついでに他の水回りも一緒にやればよかった」(62歳女性/総務・人事・事務)

「トイレの便座だけ新しくしたが全部変えればよかった」(40歳男性/その他)

「風呂や和室はリフォームしたが、他の部屋の床や壁紙がぼろぼろなので何とかしたい。しかし今は金銭的余裕がない」(45歳男性/その他)

「家の中だけリフォームしたが、外側もしておけばよかった」(66歳男性/その他)

「一気に多少無理してでもやり切っちゃうべし。でないと、結局できないまま先延ばししちゃうので」(51歳男性/会社経営・役員)

家を全面的にリフォームするのではなく、優先順位をつけて必要度の高い箇所だけリフォームすれば予算を低く抑えることが可能。とはいえ、おうちの一部分だけリフォームすると、古いままの部分のアラが余計に目立ち「やっぱりここもやっておけば」という後悔することにもなりかねません。

コメントにもあるように、多少の無理をしてでも一気にやってしまう……というのもひとつの考え方だといえそうです。

あの機能も付ければよかった!

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「キッチンのリフォームをした際に、食洗器を付ければ良かったと今でも後悔している」(48歳男性/その他)

「リビングの窓を二重窓にすればよかった。冬場結露がすごくて寒い」(59歳女性/主婦)

「冬になると風呂場が寒い。浴室暖房を付ければよかった」(62歳男性/研究・開発)

暮らしを快適にするさまざまな機能を付加しなかったのを後悔する声も。ちなみに、食洗機に関しては、「結局は使わずじまいで場所をとるだけなので、付けなくてもよかった」という真逆のコメントも寄せられています。

自宅にどのような機能が必要・不要なのかはライフスタイルにも関わる問題で、何が正解かは一概にいえません。リフォーム後に「もっとこうすればよかった」と後悔しないためにも、ケチケチせずかといって無駄遣いにもならないよう検討に検討を重ねたいところです。

その他、こんな意外な後悔も…

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「新たに設置してもらったコンセントの場所を間違えて、炊飯器、電子レンジ、Wi-Fiのコンセントが大渋滞。延長コードを使っても足りていない」(51歳女性/主婦)

「台所のコンセントを増やしておくべきだった。調理機器はコンセントが短いものが多く、コンセントが届かない。炊飯器やジューサーミキサーなどコードが1メートルぐらいしかないので困る」(66歳女性/総務・人事・事務)

「便器がトイレのスペースに比べて大きすぎた」(60歳女性/その他)

「オール電化にしたらオール電化ではお餅が焼けなかった」(69歳男性/その他)

まさか、「しまったお正月なのに餅が焼けない!」なんて後悔する羽目になるなんて、リフォーム前にそこまで予測できませんよね……。ちなみに、IH対応の焼き網なども各種販売されているので、工夫次第でお餅を焼くことはできそうです。

それから、筆者的に完全に盲点だったのは、コンセントに関するトラブル。言われてみれば、私たちの生活空間は電化製品だらけ……。コンセントの数や配置は地味だけれどリフォームにおける重大ポイントのひとつかもしれません。

「後悔したことはない」との声も…

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「経年劣化したものを新しく高性能なものにバージョンアップさせたのだから、良いことしかない」(67歳男性/その他)

「後悔はない。もっとリフォームしたい」(43歳男性/その他)

「リフォームというか、騒音防止のために二重窓の取り付け工事をやっただけなのですが、それなりに満足。いろいろ言うとキリがないと思っています」(59歳男性/その他)

ここまでネガティブな声ばかりご紹介してきたので、「リフォームって何か難しそう……」としり込みしてしまった人もいるかもしれませんが、どうかご安心ください。“リフォームで後悔したこと”がテーマのアンケートでしたが、「後悔したことはない」とのリアクションも多数寄せられました。

あれこれ悩んで先延ばしにするよりも、思い切ってやってみたほうが「こんなに快適になるなら、もっと早くやっておけばよかった!」となりやすいかもしれません。

 

住居は生活の基盤だからこそ、リフォームの成否はQOL(クオリティ オブ ライフ)に大きく影響します。限られた予算で行う以上、あれもこれも完璧に……というわけにはいきませんが、少しでもおうちの満足度を高めるために、経験者のみなさんの声をぜひご参考にしてみてはいかがでしょうか?

中田綾美
中田綾美

成人までの人生を受験勉強にささげた結果、東京大学文学部卒業。その後なぜか弁護士になりたくて司法試験に挑戦するも、合格に至らないまま撤退。紆余曲折の末、2010年よりフリーライターの看板を掲げています。

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