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「新紙幣」見た?おもちゃみたい、フォントが微妙と賛否両論だけど、世界初のホログラムと偽造防止技術がすごかった

みなさん、もう新紙幣に出合うことはできましたか? 2024年7月3日に新札が発行されてから約1カ月。日本銀行のホームページによると、新札(新しい日本銀行券)の特徴は、「偽造防止技術」と「ユニバーサルデザイン」。あなたはそのこだわりに気づきましたか?

今回は20代~60代の男女537人にアンケートを実施。新紙幣に対する意見を聞いてみました。その結果、約4割の人が「まだ実物を見ていない」と回答。「早く実物を見てみたい」という人が多い一方で、キャッシュレス決済が多い人からは、「紙幣を使う機会がない」「興味がない」といった意見も。

では、実際に新紙幣を見た人や使った人からの反応はどうなのでしょう。みんなの意見と合わせて、新紙幣の特徴についてもまとめてみました。

「おもちゃみたい」「海外のお金みたい」…違和感の声多数

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新紙幣の感想の中で最も多かった意見が「おもちゃみたい」というコメント。「ボードゲームの紙幣みたい」とか「子ども銀行のお札みたい」など、具体的な意見もありました。また、「ヨーロッパの紙幣みたい」とか「紙の質感やフォントが外国のお金っぽい」という意見も。

見慣れていないため、「慣れるまで時間がかかりそう」とか「違和感を感じる」という人も多いようです。

「新しい気分になって面白い」(23歳女性/その他)

「慣れてはくると思うけど、デザインが外国の紙幣みたいですごくダサい。デザインはそのままで良かった気がする」(23歳女性/学生・フリーター)

「人物がくっきりしすぎて、外国のお札みたいに見える」(38歳女性/主婦)

「新しいのでなにか違和感。ホログラムがはがれそう」(43歳男性/営業・販売)

「10000とか5000とかの数字の形が分かりやすいとは思うが、おもちゃのお札に見えてしまってあまり好みではない」(54歳女性/主婦)など

日本の技術が詰まった偽造防止の工夫がすごい

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偽造防止技術が搭載された今回の新紙幣。具体的にはインクを高く盛り上げる特別な印刷技術を採用し、ざらざらとした触感を実現したり、従来からの肖像すかしに、高精密なすき入れを入れるなど最先端の印刷技術が取り入れられた作りに。また見る角度によって図柄が変わる三次元肖像は、日本が世界で初めて紙幣に取り入れた特殊技術だとか。

他にも虫眼鏡で見ないとよく見えないマイクロ文字「NIPPONGINKO」が隠れていたり、紫外線を当てると日本銀行総裁の印章や模様の一部が発光する特殊発光インキも採用。あなたはいくつ見つけることができましたか?

「偽造対策が素晴らしい。ホログラムが角度によって変わるのが面白いと感じた」(34歳女性/総務・人事・事務)

「凄くかっこいい。細かい文様がいろいろ凝っていて観ているとうっとりします」(36歳女性/金融関係)

「まるでハリー・ポッターの肖像画のようなホログラムで遊んだ」(59歳女性/主婦)

「ニセ札防止技術のすばらしさ」(64歳男性/その他)など

額面数字を大型化したり、指で触って券種を識別できる「識別マーク」を採用するなど、デザインについてもこだわりがあるようです。

ちなみにお気づきの人も多いかもしれませんが、千円札はただの棒の「1」、一万円札にはカギつきの「1」が使用されているなど数字のフォントにも違いが。これは一目でお札の違いが分かるための工夫なんだとか。

旧紙幣と新紙幣の漢数字と算用数字の大きさを逆転したのは、外国人でもわかりやすいようにという心遣い。しかしそのこだわりは、多くの人に伝わっていないという現実もあるようです。

「なぜ千円札と一万円札で1のフォントが異なるのか疑問である」(20歳男性/学生・フリーター)

「フォントが今どきゴシックで違和感を感じる」(44歳女性/総務・人事・事務)

「数字のフォントがカッコ悪い。やはり威厳を持って漢字表記にすべきだった」(56歳男性/その他)など

「1」のフォントの違い、気づいていました?

偉人の名前が意外と知られていなかった

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ところで、新紙幣の肖像になった人物が誰だかわかりますか? 正解は、一万円が「近代日本経済の父」と言われる実業家「渋沢栄一」、五千円が日本の女子教育家である「津田梅子」、千円が「近代日本医学の父」と呼ばれる細菌学者「北里柴三郎」。

アンケートのコメントを見てみると意外と知らない人が多く、なぜその人選なのかが疑問という声も多く聞かれました。旧紙幣の、「福沢諭吉」、「樋口一葉」、「野口英世」の印象が強く残っていることもあって、なかなかそのイメージが抜けそうにないという意見も多いようです。

「昔のお札に比べて偉人感が少ない」(35歳女性/主婦)

「モデルが地味だと思う」(41歳女性/主婦)

「重みがなくなった。知らない人」(59歳女性/主婦)

「5千円札の津田梅子が開いた津田塾大学を娘が卒業したので親近感がある」(62歳男性/その他)

「実直で世渡りが下手で、敵の多かった北里柴三郎さんが新紙幣のモデルになったのは驚き。学生時代教授の論文を批判して何回も留年したり、世渡り上手な舞姫の作者の森鴎外とも仲が悪かったりして周りからの評判も良くなかった不遇の人のイメージだったのに、ようやく日が当たった場所に出られた感がします」(68歳男性/その他)など

新紙幣に変える必要はあったの?

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財務省によると、偽造されたお金が広まらないようにするため、紙幣は概ね20年ごとに改刷され、そのたびに、偽造防止技術やデザインを新しくする工夫がなされています。特に今回は、目の不自由な人や外国人のためにも使いやすいユニバーサルデザインの考え方を踏まえて改刷されたようです。

しかしアンケート結果によると、「キャッシュレスの時代に紙幣を変える意味がない」とか「新紙幣が対応していない場所がある」などの不満の声も。「製作コストの無駄」という点を指摘する声もありました。

「対応していない場所があって、不便そう」(22歳女性/その他)

「新紙幣を作るのにお金がかかるし、飲食店などのレジや券売機なども一新しなければいけないのでマイナスな面が多いと思った」(29歳女性/その他)

「レジしてますがお客様にお釣りでお渡ししたら旧札で欲しいと言われた」(46歳女性/営業・販売)

「スマホ決済が普及してるのに、新札は作る必要がない」(52歳女性/その他)

「1枚あたりの製作コストが気になる」(62歳男性/医師)

「新しくても古くても価値は同じだから、関心がない」(66歳男性/総務・人事・事務)など

さようなら諭吉、仲良くしてね栄一。

新紙幣へのみんなの感想、あなたはどう思いましたか? 賛否両論、さまざまな意見が集まりましたが、やはり新しいものを手に取ると少なからずワクワクするものではないでしょうか。最新の技術が施された紙幣は、観察してみるといろいろな発見があり面白いものです。

「せっかくのタイミングだから十万円札とかもっと高額な紙幣が誕生してもよかったかなと思います」(47歳男性/営業・販売)「子どもや動物を図柄に用いてもいいと思う」(58歳男性/その他)など、斬新な意見も聞かれた今回のアンケート。あなたも家族や友人と紙幣を話題にしてみると意外と楽しいかもしれませんよ。

ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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