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もうパスワードを忘れない!みんなが実践している「管理アイディア」まとめ。セキュリティの強化にも

現代は、スマホやパソコン上で買い物から手続きまであらゆることが完了する便利な時代。しかし、その代わりに必要となるのが会員登録で、その際にはたいていパスワードの設定が求められます。

その他、銀行口座の暗証番号からスマホそのもののセキュリティ認証まで、管理しなければいけないものは増える一方。もし忘れてしまうと、面倒な再設定手続きが待っています。場合によっては、二度とアクセスできなくなってしまうことも……。

そこで今回『kufura』では、男女500人にアンケート調査を実施。複雑化するパスワードについて「失敗した体験談」「忘れないために実践しているパスワード管理アイディア」を聞きました。

SNSやアプリ、Apple ID…パスワードを忘れて大惨事に!

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そもそも、インターネットやアプリのサービスを利用する際にパスワードを設定しなければいけない理由は主に、悪意のある第三者によって悪用されることを防ぐため。しかしネットワークに不正侵入して機密情報を盗み出す“ハッキング”の手口は日々進化しています。

複雑で特定されにくいパスワードにすれば安全性は増しますし、1つが流出しても他が影響を受けないように各サイトでパスワードを変えるのも必須。

ですがその一方で、設定した本人もパスワードを忘れてしまうなど、管理しきれなくなるケースも多いのが実情ではないでしょうか。今回のアンケートでも、そういった失敗が多数寄せられました。

「セキュリティを考えてすべて違うパスワードにしているので、時々“何の数字にしたっけ?”と忘れてしまう」32歳女性/弁護士)

「パスワードを忘れて、ツイッター(現X)が永久に使えなくなった」34歳女性/会社経営・役員)

「Apple IDのパスワードを忘れて2週間ほどアプリが使えない状態で過ごしました」30歳男性/その他)

「スマホで自動入力できるように設定しておいたが、OSのバージョンアップで自動入力がクリアされてしまい、覚えていないものは全部、再設定するはめになった」49歳女性/主婦)

「スマホを買い替えた時にパスワードが分からなくなった」55歳男性/会社経営・役員)

パスワードをスマホ内で管理しているユーザーは多いようですが、落とし穴となるのが回答にもある「OSのバージョンアップ」や「スマホの買い替え」。ちなみに筆者は過去にスマホの買い替えによってLINEの再設定に失敗し、データがリセットされた経験があります……。

では、そんな複雑化する現代社会のパスワード、皆さんはどんな方法で管理しているのでしょうか? 最新テクノロジーを活用したものから超アナログなものまで、アンケートで寄せられた「忘れないために実践しているパスワード管理アイディア」を、ジャンル別に6つご紹介します。

1:芸能人の誕生日、車のナンバー…自分なりの「覚えやすい数字や単語」を活用

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設定したパスワードを記憶しやすくするためには、自分にとって身近な情報を入れることが有効です。その王道といえば自分の誕生日や電話番号ですが、それらは特定されやすいのが欠点。特定されないよう、どんな工夫をしているのでしょうか?

「その時に閃いた漫画やアニメ、スポーツ選手などに関する言葉をいくつか組み合わせてパスワードに利用しています」52歳男性/その他)

「自分が好きなアーティストの名前にその人の誕生日をつなげて入れる」25歳男性/学生・フリーター)

「ペットの名前の語呂合わせをパスワードにしている」42歳女性/主婦)

「自分の実家の電話番号をもとに、“記号をつけるならコレ”、“英数字のみならコレ”などの4~5パターンを決めて、だいたい使い回している」54歳女性/学生・フリーター)

「過去の車のナンバーを混ぜている」47歳男性/公務員)

よく設定したパスワードを忘れると、「あなたのペットの名前は?」「あなたの母親の旧姓は?」といった“秘密の質問”を回答することによってパスワードを再発行できるシステムがありますが、そういった自分だけが分かる情報をパスワード化するケースは多いようです。

しかし現代社会では、それさえも特定されるリスクが少なからずあるのは否定できず、慎重な運用が求められます。

2:スマホのメモ機能や、パソコンのワードやエクセルを活用

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今回多かったのは、スマホに標準装備されている「メモ機能」を活用し、パスワードを管理しているというケース。また、パソコンソフトのワードやエクセルで管理しているという人も目立ちました。しかしこの方法だと、スマホやパソコンのデータが消えてしまった際にメモが一緒に消えてしまうリスクも少なからずあります。

「スマホのメモに書いている」38歳女性/主婦)※他多数

「スマホのコピペ機能があるアプリを取り込んでおり、そこにそれぞれのパスワードを入れておく」51歳女性/主婦)

「あらゆるパスワードをワード文書に入力し、パソコンに保存している」54歳男性/総務・人事・事務)

「エクセルで表にしてパスワードや暗証番号、口座番号など管理している」53歳男性/技術職)

もう1つ、スマホのメモ帳アプリやパソコンのエクセル・ワードといったツールの場合、ソフト自体のセキュリティが弱いケースが多いのも大きな欠点。本体を紛失した際や、スマホやパソコンのデータに侵入されてしまった場合、簡単に閲覧できてしまう可能性があります。

なかには「仕事関連のパスワードは、プライベート用のスマホ内で表を作って管理。プライベートのパスワードは逆に社用スマホで管理して、万が一流出しても、片方だけでは機能しないようにしています」(31歳女性/その他)といった工夫もありました。

3:発想力と記憶力で勝負?読み取れないような“暗号風メモ”

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先ほどのメモ帳アプリやワード・エクセルの活用に加えて、第三者に見られても大丈夫な“暗号風”の工夫をしている人もいました。また今回、手書きでメモをする人も少なからずいましたが、その際に暗号風で一工夫している人も!

「覚えづらいパスワードはスマホのメモアプリに記録する。人に見られても大丈夫なように、自分にしかわからない形で記録する」29歳女性/その他)

「ほとんどノートにメモしているが、パスワードの最初のアルファベット2文字と数字の組み合わせは絶対覚えているためメモしておらず、他人にノートを見られても一瞬でバレる事はない」41歳男性/その他)

「スマホのメモにまとめている。キーワードは同じなので、末尾だけ」50歳女性/デザイン関係)

「スマホのメモ帳アプリに1~2文字だけ記録する。その文字だけで、すべてのパスワードを思い出せるようにしている」60歳男性/その他)

この方法であれば、例えメモが流出してもすぐにアカウントにアクセスされずに済みそうですね。

ただし、一部の文字だけでパスワード全体を思い出せるようにするには、多少なりとも記憶力が必要になってきます。どうしても思い出せない時のリスクもゼロではないので、忘れないように普段から定期的に確認しておくのも大切かもしれません。

4:ラクに使えるものの、使い回しには不向きな「自動保存」

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最近は複雑化するパスワードを自動で記憶してくれるアプリやツール、ブラウザなども多数。それを活用し、自分ではわざわざ記憶していないという人も多くいました。これならどんな複雑なパスワードでもラクに管理できて安心ですが、リスクがないわけではないようです。

「Googleで自動保存している」52歳女性/その他)

「パスワード管理ソフトを使っている」37歳男性/その他)※他多数

「ブラウザにすべてのパスワードを覚えさせていて、パソコンとスマホを同期しているので、すべて自動入力してくれる」(42歳男性/技術職)

「スマホに覚えてもらっているので、特にない」36歳女性/主婦)

こちらのリスクは言うまでもなく、スマホのクラッシュや紛失。またブラウザごとに記憶させていると、異なるブラウザで開いてしまった際に使えないという欠点もあります。家族や会社の共有パソコンを使用する際も、自動保存は避けた方がよさそうですね。

5:意外に人気!アプリではなく紙による「メモ帳の活用」

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今回案外多かったのは、メモ帳アプリではなく、リアルな紙によるメモ帳を活用している人。メモ帳は失くすという最大のリスクはあるものの、アプリと違ってデータが消えてしまう心配がなく、思い立ったときにすぐにメモできる気楽さも魅力なのでしょうか。

「パスワードはメモ帳の自分しか分からないところにすべて書き留めてある」50歳女性/その他)

「すぐ忘れるので、パスワード用ノートに書いている」48歳女性/その他)

「100均のパスワード管理帳に書いている」17歳女性/学生・フリーター)

「必ず手帳にメモしていつでも見られるようにしている」47歳男性/研究・開発)

もちろん紙のメモも誰かに見られる可能性はありますが、行動範囲が限られているなら、インターネット上でハッキングされるリスクよりは安全ともいえます。紛失さえしなければ、悪くはない方法かもしれません。

6:ある意味最強?パスワードは「すべて暗記」している人も

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そして最後にご紹介するのは、ある意味最強の管理方法ともいえる「暗記」。若い人から60歳前後まで幅広い世代から、この方法で管理しているという回答が寄せられました。

「パスワードは全部暗記している」53歳女性/その他)※他多数

「ほとんどのサイトで異なるパスワードを設定しているが、だいたい暗記している」61歳男性/営業・販売)

「専用のメモ帳に記載しているが、あまりメモは見ていない。わざと毎回手動で入力するようにして暗記した」29歳女性/学生・フリーター)

「沢山あるわけではないので、基本暗記できています」45歳男性/その他)

複雑なパスワードをすべて暗記しているなら本当にすごいことですが、一番怖いのは「暗記できる覚えやすいパスワードですべてを統一している」ケース。

実は今回、「覚えやすいようにパスワードを使い回している」という回答がいくつかありました。言うまでもなくパスワードの使い回しは一度ハッキングされると、芋づる式に他のサービスなどにも不正アクセスされるリスクがあります。

 

やはりパスワードというのは覚えにくさと安全性が比例するもの。セキュリティを考えるならば多少不便で覚えにくくてもパスワードはより複雑化するのが正解なのは確かですが、どうしても利便性を無視できないという人の気持ちも分かります。

なかには、「最近はGoogleにおまかせ……だが、忘れて再設定したほうが安全かもしれないと思うことがある」59歳女性/その他)という意見も。アンケートで寄せられた工夫を活かしつつ、再設定になるリスクも覚悟でその都度違うパスワードを設定するというのも、1つの方法なのかもしれませんね。

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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