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「また誘ってください」は口だけ!? 真に受けてしまった「社交辞令フレーズ」を聞いてみた

円滑なコミュニケーションのため、ときには必要となる「社交辞令」。相手を喜ばせるためにお世辞を言ったり、角が立たないように遠回しな言い方をしたりと、誰しも一度は「社交辞令」を使った経験があるのではないでしょうか。

今回『kufura』では、20~60代の男女499人に「社交辞令」に関するアンケート調査を実施しました。大人の処世術とも言えますが、どんなときに用いられることが多いのでしょう。

4人に1人が「社交辞令を本気にしたことがある」

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まず、これまでに社交辞令を本気にしたことがあるかを聞いてみたところ、以下のようになりました。

【あなたはこれまでに「社交辞令を本気にした」ことはありますか?】

ある・・・120人(24.0%)

ない・・・217人(43.5%)

(社交辞令だったかどうか)わからない・・・162人(32.5%)

言われたことを真に受けたものの、実は社交辞令だった……という経験のある人は24%ほどいました。「(社交辞令だったかどうか)わからない」という人も32.5%と、本音か社交辞令なのかの見極めが難しい場合も少なくないようです。

そこで、どのような社交辞令を言われたことがあるのか聞いたところ、たくさんのエピソードが寄せられました。

今度〇〇しましょう

「「今年こそは絶対に会おうね!連絡するから」と言われてから、既に10年以上経つ」(60歳男性/学生・フリーター)

「今度遊びに行く、と言われていつ来られても良いように掃除ばっかりしていた」(48歳女性/研究・開発)

「今度一緒にゴルフに行こうと言われて5年経つが、一度もお誘いが無い」(69歳男性/その他)

「“今度飲みに行きましょうね”と仕事で会うたびにおっしゃる方がいたので、“いつがよろしいでしょうか”とメールしたところ急に先方の反応がトーンダウンした」(54歳女性/その他)

非常に多かったのが「今度〇〇しましょう」というもの。相手からの提案を真に受けたものの、連絡がなかったり、いざ日程を調整しようとして社交辞令だったことに気づくパターンなどがありました。相手は軽い気持ちで言ったのかもしれませんが、楽しみにしていた場合は少し切なくなりますね。

特に飲み会の席での「今度〇〇しましょう」は、酔った勢いもあり実現度が低い傾向が。

また誘ってください

「“また、誘って下さい”といわれて誘ったら、断られた」(65歳男性/その他)

「“また飲みに誘ってください”と後輩に言われたが、誘うと断られる」(55歳男性/総務・人事・事務)

「食事に誘ってくださいと言われたので誘うとやんわり断られた」(67歳男性/その他)

「また誘ってください」を挙げた人も多く、相手から言ってきたのに、実際に誘うと反応が悪かったり、断られたりと気まずい展開になってしまったというケースもありました。実はそこまで乗り気でなくとも「またお会いしましょう」と言ってしまうことってありますよね……。相手からの音沙汰がない場合は社交辞令と捉えるのが無難なのかもしれません。

過度に褒める

「アップルパイを作った時に、売り物みたいと喜ばれた時」(38歳女性/主婦)

「歌がうまいと言われたので、カラオケで歌ったが、点数が全くよくなかった」(68歳女性/その他)

「君は出世すると言われて喜んだら本気にするなと言われた」(39歳男性/研究・開発)

「スーツを買う時に悩んでいたら、スタイルが物凄くいいのでお似合いですと言われて買ってしまった。 実際は窮屈でもっと楽なものが欲しかったが断れなかった」(65歳女性/営業・販売)

本来なら言われて嬉しいはずの褒め言葉ですが、度が過ぎると社交辞令とバレバレです。言ったほうはリップサービスのつもりでも、反応に困ったり、勘違いをしてしまったりとギクシャクしてしまうことも少なくないようです。

「プロみたい」「お店出したら?」などは誉め言葉として、軽く受け取っておきましょう。

モテそう

「「モテそう」といわれたが、実際はモテないです」(40歳男性/学生・フリーター)

「かっこいいって言っていたのに、ふられた」(53歳男性/コンピュータ関連)

「可愛いとチヤホヤしてくれ褒められたが、他の人にも言っていた」(48歳女性/総務・人事・事務)

「かわいい」「モテそう」など、ざっくりした言葉で褒められたときは社交辞令の場合が多いのかもしれません。しかし「連絡がマメで優しいからモテるんじゃない?」などと具体的に褒めてくれた場合は、素直に喜べるのではないでしょうか。具体性があるかが、社交辞令と本音の見極めのポイントのひとつになりそうです。

ほかにも、こんな社交辞令が…

「作業中、休みながらやっていいよ。と言われ、すぐ休もうとしたら、チョッと待って、もう休むのと言われた」(67歳男性/その他)

「上司にいつでも聞いて来い!と言われたので、色々聞きに向かうとスルーされた」(48歳男性/その他)

「どんな服装でもいいと言われてカジュアルな服装で行ったら、案外スーツ姿の人が多かった」(42歳男性/その他)

社交辞令と本音の境界線はなかなか難しいですね。相手との関係性や距離感にもよりますし、こればかりは経験を積むしかないのかもしれません。

上司の言葉は真面目に受け取ってしまいがち。人にもよりますが……。

約6割が「社交辞令を言ったことがある」

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では、自分から社交辞令を言ったことがある人はどのくらいいるのでしょうか。

【あなたの方から「社交辞令」を言ったことはありますか?】

ある・・・293人(58.7%)

ない・・・206人(41.3%)

6割近い人が「社交辞令を言ったことがある」と回答しました。言われる側の場合は複雑な気持ちになりますが、必要に駆られて自分が社交辞令を使う場面も、時にはあるはず。社交辞令を言う理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

関係をよくするため

「好意を持っていますよ、という雰囲気を手軽に出せるため。真意ではないです」(45歳男性/学生・フリーター)

「初対面でとりあえず話すことがない時には言います」(67歳男性/その他)

「無意識のうちにやってしまっている。相手との良好な関係性を築くため」(30歳女性/会社経営・役員)

特に多かったのは、対人関係を円滑に進めるためというものでした。相手との関係を良好に保つためのちょっとしたお世辞であったり、リップサービスで使うという意見が目立ちました。

仕事の一環として

「営業での商談をスムーズにするため」(51歳男性/金融関係)

「営業マンにとっては鉄則である」(69歳男性/その他)

「よいしょするため、仕事を回してもらえるように下心あり」(66歳女性/主婦)

ビジネスシーンにおいては、仕事を円滑に回す目的で、コミュニケーションのひとつとして社交辞令を取り入れるという声がありました。取引先や上司など、相手に合わせて内容を変えるなどの工夫が必要ですね。

相手への気遣い、優しさ

「相手が精神的に弱ってたので励ますため」(60歳男性/学生・フリーター)

「相手の気持ちを考慮し、穏やかなコミュニケーションを図るために社交辞令を使っている」(53歳男性/研究・開発)

「その人のやる気を引き出すためです」(62歳女性/主婦)

相手を気遣って使うという人もいました。思いやりの気持ちで言うこともあれば、本音で傷つけないようにだったり、やる気を出させるためであったり、ケースバイケースのようです。

励ましや労りの気持ちからくる社交辞令もあります。

場の空気や会話を盛り上げるため

「相手との会話を盛り上げるため」(39歳男性/研究・開発)

「会話を盛り上げて、相手をご機嫌にさせるため」(51歳女性/主婦)

「雰囲気を壊さないようにするため」(33歳男性/学生・フリーター)

「その場の空気を壊さないようにするため」(32歳男性/その他)

その場を盛り上げたいときや、無難にやりすごしたいときにも社交辞令は使われているようです。反応に困ってしまうときや、険悪なムードが漂ってきたときなど、ピンチを切り抜ける術としても使われていることがわかりました。

社交辞令はこんなときにも

「話の流れでついつい言ってしまう」(43歳男性/技術職)

「話を切り上げる為」(30歳女性/その他)

「本音を言うとめんどくさい感じになりそうだから」(41歳男性/学生・フリーター)

「その場を穏便に済ませるため」(65歳女性/主婦)

ほかにも、別れの挨拶に困ったときなど、その場しのぎとして使うといった声や、なんとなく癖で言ってしまうなどのコメントもありました。

会話を盛り上げるための社交辞令を本気で受け取ってしまうこと、よくあります。

人付き合いの潤滑油でもある社交辞令。お互いが気持ちよく過ごせるのであればいいですが、行き過ぎてしまうと誤解が生まれたり、気まずい展開になってしまうことも。皆さんから寄せられたエピソードを参考に、処世術のひとつとして上手に活用していきたいですね。

ナカムラミカ
ナカムラミカ

エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。

 

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