今回『kufura』では、20~30代の男女175人、40~60代の男女500人を対象に「電話の発信、着信」についてのアンケート調査を実施しました。すると、中高年世代にも“電話は苦手”の声が多いことが分かりました。
電話をかける機会はほとんどナシ!
nullまず、電話の利用状況を知るため、1日に何回くらい電話をかけるかを聞きました。
【1日に電話をかける頻度はどのくらいですか?(携帯電話・固定電話は問わず)】
(20~30代/175人に調査)
0回・・・106人(60.6%)
1~2回・・・55人(31.4%)
3~5回・・・6人(3.4%)
6~10回・・・4人(2.3%)
11回以上・・・4人(2.3%)
(40~60代/500人に調査)
0回・・・268人(53.6%)
1~2回・・・203人(40.6%)
3~5回・・・21人(4.2%)
6~10回・・・5人(1.0%)
11回以上・・・3人(0.6%)
20~30代、40~60代ともに「0回」が最も多く、次いで「1~2回」となりました。3回以上と答えた人は少なく、電話をかける頻度は世代を問わず減少傾向にあるようです。
電話をかける機会はほとんどないようですが、電話をかける場合は誰にかけることが多いのか、その相手を教えてもらいました。
電話をかける相手は「家族」「仕事」「友達」
null電話をかける対象として最も多かったのは「家族」で、「会社関係」「友達」と続き、これに関しても20~30代と40~60代で順位の違いは見られませんでした。
【あなたが電話をかける相手は誰ですか? 以下のうち当てはまるものをすべて選んでください(※複数回答で調査)】
(20~30代/69人に調査)
家族・・・48人(69.6%)
会社関係・・・20人(29.0%)
友達・・・19人(27.5%)
サービス窓口・・・12人(17.4%)
その他・・・8人(11.6%)
学校関係・・・1人(1.4%)
(40~60代/232人に調査)
家族・・・165人(71.1%)
会社関係・・・106人(45.7%)
友達・・・61人(26.3%)
サービス窓口・・・43人(18.5%)
その他・・・26人(11.2%)
学校関係・・・1人(0.4%)
近年では、メッセージアプリなどの使用率も高まり、電話をかける行為は少なくなっているようです。それでもメールなどではなく電話をかけるのは、どんな場面だったり、どのような理由があるのでしょうか?
メールではなく電話をかけるのはどんな時?
nullメールが面倒
「LINEの文章を考えるのが苦手で、電話のほうが楽だから」(39歳男性/その他)
「メールは文字を打つのに時間がかかって面倒だから」(35歳女性/主婦)
「確認事項が多く、一度のメールのやり取りで終わりそうもない時」(54歳男性/総務・人事・事務)
多かったのは「メールの文面を考えるのが面倒、苦手」といった声でした。メールを作成する時間で電話をかけてしまったほうが早い!と考えるようです。
電話のほうがラク、早い
「電話のほうが早いし伝わりやすい」(31歳女性/主婦)
「急ぎの内容の場合、電話の方が早く連絡がつくから」(35歳女性/その他)
「メールやメッセージではラリーが多くなりすぎる要件の時は時間が惜しいので電話します」(53歳男性/コンピュータ関連技術職)
メールに費やす時間がもったいないため即電話をかける派もいました。急ぎの場合はすぐに連絡のつく電話を選択する人が多いようです。
直接話したほうが正確だから
「自分の言いたいことが相手に正確に伝わるのか不安だから。また、電話の方が早いから」(23歳女性/その他)
「急ぎの時と詳細な話をしたいとき」(61歳男性/その他)
「仕事をする上で、メールやLINEでは伝えきれない事があるし、文章が長くなる場合、直接話をした方が良い」(67歳男性/営業・販売)
メールなどでは細かいニュアンスが伝えきれないときなどは電話で話すという人も。メールだと長文になったり、読んでもらえないことがあるかもしれないからという意見もありました。
相手のことを考えて
「親に孫の声を聞かせると喜ぶから」(35歳女性/主婦)
「相手がメールなどに慣れていない」(67歳男性/金融関係)
「田舎の親に声を聴かせる」(56歳男性/その他)
離れて住む親に直接声を届けたい場合や、相手との連絡手段が電話のみだからといった回答もありました。なかなか会えない人とは自分の声でコミュニケーションがとりたいなと思いますし、相手の声が聞きたいなと思いますよね。
即返事が欲しいから
「すぐに回答が必要な事案だから」(39歳男性/研究・開発)
「急いで返事が欲しいとき」(68歳女性/主婦)
「仕事関係で緊急の要件は、電話をするようにしています」(52歳女性/その他)
仕事関連では、急いで返事が欲しいときは電話をかけるという人も多数いました。メールの返事を待っていられない、緊急性があるときは迷わず電話を選ぶようです。また、先方から留守電があった場合は電話を折り返すといったコメントもありました。
こんな意見も
「寝落ち通話するため」(23歳女性/学生・フリーター)
「相手の声を聞きたいから」(45歳女性/総務・人事・事務)
「家族はすぐに要件を伝えたい時、友人は連絡やおしゃべりしたい時」(64歳女性/主婦)
「電話の方が気軽で楽しいから」(40歳男性/学生・フリーター)
電話相手とお喋りしながら寝落ちする“寝落ち通話”をするためといったユニークな理由もありました。恋人や友達との長電話は楽しいですよね。気軽に電話を楽しめる相手とはメールよりも電話するという人も多いようです。
また、「相談事、交渉ごとなどは電話を通じてディスカッションしたほうが早いため。アポイント等の決め事はメールでやり取りしたほうが確実」(39歳男性/金融関係)というように、それぞれの良いところを活用するという声もありました。
着信が鳴ると「ドキッ」「出たくない」
null電話をかける頻度が減っているため、かかってくることも少なくなったかもしれません。そこで、携帯電話・固定電話問わず、電話がかかってきたときにどう思うかを聞きました。
嫌な気持ちになる
「忙しすぎる時や外出している時に何度もかかってくるといやな気持ちになる」(39歳男性/金融関係)
「ウザイなぁという気持ちになる。“今、静かに過ごしているというのに、邪魔しやがって”というイライラが募る」(33歳男性/研究・開発)
「かかってくるタイミングが予想つかなくて嫌」(35歳男性/学生・フリーター)
「電話がかかってくるのは、急を要したり、トラブルだったりするイメージなのでいい気分はしません」(41歳男性/営業・販売)
「私の時間を奪わないで!と思ってしまいます。メールで済む用事だったらメールでお願いしたいです」(52歳女性/その他)
「プライベートな時間に土足で踏み込まれるような感じ」(49歳男性/営業・販売)
多かったのは「嫌な気持ちになる」といった声でした。電話で自分の作業が中断するのが嫌という意見や、できればメールで済ませてほしいという人もいました。タイムパフォーマンスの意識が高い人にとっては、緊急性の低い電話に時間がとられてしまった場合は不快に感じるのかもしれません。こういった思いから、自分が電話をかける側になったときに「今、電話をかけて平気かな」「相手の時間を奪わないかな」と不安になり、電話をかける機会が減っていくことにもうなずけます。
緊張する、ドキドキする
「知っている番号であれば緊急の用事なのかとドキッとする。知らない番号であれば怖く感じる」(36歳女性/その他)
「予定なくかかってきた場合は、びっくりする。あまり得意ではない」(35歳女性/その他)
「何か緊急の用事があるのかと、緊張する」(63歳男性/総務・人事・事務)
「普段はあまりかかってくることがないので、何か悪い事が起こったような予感がしてドキッとすることが多いです」(51歳男性/その他)
「嫌な気持ちになる」と同じくらい多かったのが「ドキッとする」「緊張する」という訴えでした。普段かかってくることの少ない電話にドキドキしてしまうという人もたくさんいました。知り合いならでるものの、知らない番号のときは、番号を検索してからかけ直すか考えるという人も。
嬉しい
「誰からの電話だろうと思って、ワクワクします」(44歳男性/その他)
「良い知らせかな?と思って若干期待する!」(60歳男性/その他)
40~60代では、電話がかかってくると嬉しいという人もいました。久しぶりの連絡や吉報であればなおさらですね。しかし、20~30代では嬉しいといった回答はほぼありませんでした。
警戒する、出たくない
「知っている相手かどうか確認する。知らない相手であれば、勧誘などを警戒する」(68歳男性/その他)
「知らない番号、非通知はザワザワする。知り合い以外からだとろくな事がないから」(53歳女性/主婦)
「知らない番号は出ない」(51歳男性/その他)
電話がかかってきたら、誰からかをまず確認すると思いますが、今回のアンケートで多かったのは「知らない番号や非通知の電話には出ない」という意見でした。知らない番号は警戒し、検索するという人もいました。本当に大事な連絡であればかけ直してくると思う、留守電にメッセージが残っていたらかけ直すなどのコメントもありました。
電話は相手の顔が見えないため「怖い」と感じることもあります。世代問わず、電話をかけること・受けることにはプレッシャーを感じてしまう人が多いようです。かくいう筆者も電話はあまり得意ではないため、伝えることを一覧にしてから電話をかけたり、メモを取るようにしています。急な着信にドキッとしたら、無理せずひと呼吸おきましょうね!
エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。